2019年4月25日木曜日

3年生「わり算」包含除の導入を福引き補助券で

3年生「わり算」学習のその後です。子どもたちに次のように投げかけます。

「お母さんが福引き補助券を枚もらってきました。補助券は4枚で1回福引きができます。何」

敢えて「何」で文章を止めました。子どもたちに,この続きを考えさせます。子どもたちは,「何回福引きはできますか」と続きを考えました。

これで問題文は完成しました。そこで,「まず,何をしますか」と尋ねます。子どもたちは,袋に入っている福引き補助券を「1枚出す」「4枚出す」と考えました。「4枚」という声に対しては,「なんで4枚なの?」という疑問の声があがります。子どもたちはこれまでに,等分除場面のわり算を学習しています。そのときは,1枚ずつ福引きを配りました。そのイメージが強いのです。そこで,「4枚出すと考えた人の気持ちは分かるかな」と投げかけます。

「1枚の補助券ではくじができないから」
「4枚で1回くじができるから,4枚一気に出す」
「補助券1枚で1回くじができるなら1枚でいいけど,4枚ないとくじができないから4枚出す」

4枚の気持ちを読解する中で,子どもたちは4枚一気に封筒から出すよさを実感していきます。4枚ずつ一気に封筒から補助券を取り出すことと,福引き1回できることがうまく見えてきました。

そこで,袋から補助券を4枚取り出します。これで1回くじができます。次に,「このあとはどうしたらいいかな」と子どもたちに投げかけます。

「まだ補助券が残っているなら,4枚また出す」

封筒に手を入れると,まだ補助券は残っています。4枚あります。この4枚を並べます。これで2回福引きができます。子どもたちは,次も同様に補助券を一気に4枚取り出すことを考えます。
3回目も4枚の補助券を取り出すことができました。これで補助券はなくなりました。福引きは,全部で3回できることがわかりました。
今回の券の配り方は,等分除のそれとは異なります。等分除の配り方に子どもたちは「トランプ配り」と名前を付けました。今回の配り方には,子どもたちは「まとめ配り」と名前を付けました。配り方の違いが,ネーミングでも明確になりました。

今回も子どもたちからは,かけ算の式を呟く声が聞こえてきました。①4×=12と②×4=12の2つの式です。②の式は,前回の等分除と同じ式パターンです。等分除のかけ算の立式イメージが強い子どももいました。

「4枚で1つの固まりでしょ。それが,1回,2回,3回あるんだから4×3=12」
「②の式だと話が変わる。補助券3枚で1回くじができて,それが4セットあることになる」

子どもたちは,配り方の違いだけではなく,かけ算で答えを求める際の考え方も異なることに気づくことができました。
福引きという共通の素材を扱うことで,等分除場面と包含除場面の分け方の違いを明確にしていくことができました。