2019年4月9日火曜日

20分でも盛り上がる3年「かけ算」導入

新年度の授業がスタートしました。

3年生の最初の単元は「かけ算」です。この日は,ノート類を配布したため残り時間は20分ほどでした。短い時間でしたが,次のように授業を行いました。

「答えがになる式を見つけよう」

が6になる場合を考えさせました。子どもからは,「簡単」「めっちゃある」という声があがります。ここは急がず,ゆっくりと展開します。問題場面を十分に把握できない子どももいるからです。

答えが6になる式を,1つだけ発表させます。子どもから発表されたのは,「2×3=6」です。答えが6になることを確認します。そこで,「式は2×3なんだね」と私が呟きます。すると,「もっとあるよ」「反対もある」「たしざんもある」などの声が聞こえてきます。これらの声の中で,「反対もある」を取り上げます。

「『反対もある』と言っている人がいるけどどういうことかな」

呟きの意味をじっくりと共有していきます。

「3×2=6だよ」
「かけられる数とかける数を反対にしても答えは同じになる勉強を2年でした。2と3を変えても同じ答えということだよ」

2年で学習したかけられる数・かける数の言葉を使って,反対の意味を分かりやすく説明することができました。

ここまでで2つの式が見つかりました。ここで「式は2つなんだね」と投げかけます。すると子どもからは,「もっとあるよ」「他にも反対があるよ」と声があがります。

今度は「他にも反対があるよ」の声を共有していきます。反対の視点で,かけ算の式を探していきます。「1×6と6×1」を子どもたちは見つけていきます。ここで私は,この2つの式のかけられる数とかける数を反対向きの矢印でつなげる子どもを探しました。ある男の子が,矢印を記入していました。このノートの書き方を称賛します。このように,ノートの書き方を最初の時間に価値づけることも大切なことです。

かけ算シリーズの後,子どもたちは「たしざんならもっとあるよ」と声をあげてきます。そこで,どんなたしざんなのかを尋ねます。子どもから生まれたのは「4+2」です。するとこの式を見て,「反対もある」と声があがります。「2+4」と声があがります。「なにが反対なの」と尋ねます。たしざんでも,たされる数とたす数が反対になっていることを説明してきます。たしざんもかけざんと同じように,反対にすると答えが6になる式が見つけられることに子どもたちは気づいてきました。

ここまでの結果をもとに,今度は子どもから次の声があがります。
「それならひきざんも反対ができる」
「ひきざんは無理だよ」

かけざん・たしざんの結果をもとに,ひきざんにも対象場面を広げて考えたのです。このような考え方も価値づけます。

ここでこの日の授業時間は終わりました。ここまでで20分でした。子どもたちは,ひきざんができない理由や,答えが6になる式がもっとあることを言いたくてたまらない状態でした。「もっとやりたい」という意欲をもって授業を終えることも,その後の自主的な学びにつなげるためにも大切なポイントとなります。