2021年8月19日木曜日

ポリヤ「いかにして問題をとくか」から見えること

 

問題解決学習の出発点と呼ばれている本があります。ポリヤが書いた「いかにして問題をとくか」です。かつて向山洋一氏がお薦めしていた本です。その当時,この本を読みましたが,正直,難しすぎて「?」が頭に浮かびました。

この夏,外出も思うようにできないので久しぶりにこの本を読んでみました。読んでいて気になったのは,「・・・させる」という指導方法の多さでした。「(既習を)思い出させる」「〇〇に直させる」などです。

ポリヤのこの本は,大学生に数学を教授することを想定して書かれた本です。大学生相手なら,このような展開もあってもいいのかもしれません。

この本に書かれている指導法を,そのまま小学校算数に当てはめるのは,かなり無理があるなあと何度も思いました。現在の算数授業は,子どもの主体性を培うことを軸に置いています。例えば,教師が指示をして既習を振り替えさせるのではなく,子ども自身が既習を振り返りたくなるように授業を展開することが大切なのです。

ポリヤが伝えたいことは,数学の問題解決で困った場合は既習に帰ること・類似の問題に置き換えること・簡単な場合に置き換えることなど,問題を解いていくために必要な考え方です。この考え方自体は,大変に参考になります。

小学校算数を教える教師は,この考え方をバックボーンに置きながら,「いかにして考え方を子どもから引き出すか」を意識した授業を展開を構想するのかが大切になります。