2019年2月17日日曜日

子どもの発想は過去とつながる

 3年生の子どもたちと,かけ算の筆算の学習を進めていました。

「百の位のかけ算もできるかな」

子どもたちは「簡単だよ」「できるかな」と,様々な声をあげながら百の位の筆算に挑戦をしていきます。
右のように筆算が板書されました。これを見た子どもたちから,「おもしろいことがある」「階段がある」と声があがります。この声をクラス全体で共有していきます。

「筆算の123,2460,16900の左が階段になっている」
「えっ,そこ?」
「右が階段でしょ」
「下に行くと,0が1つずつ増えていく」
「0が増える理由が分かった。123は123×1の答え。2段目の2460は123×20の答え。×20だから0が1つ増える。3段目の36900は123×300の答え。×300だから0が2つ増える」

子どもたちは,各位の計算部分の0が次第に増えていくことを発見しました。さらに,その理由を発見していくこともできました。
子どもの追求はさらに続きます。

「だったら,もう1つ下の位になると0はまた1つ増える」
「筆算が下に行けば行くほど,0がどんどん増えていく」

ここで,K子がノートをめくる姿が目に入ります。K子は過去の学習のある部分を探していたのです。K子が説明します。

「それって,№72に勉強でやったことと同じだと思う。№72では1876×7の計算をしたでしょ。そのとき,0が下に行くほど1つずつ増える計算をしたでしょ。その勉強と今の勉強は同じだよ」

K子が見つけた№72の学習場面は,かける数が1位数までの学習でした。その学習と,今回のかける数が2位数以上の学習には共通点があることを発見したのです。K子は№72の学習でも,0が階段状に増えていくきまりを発見していました。その発見を私から褒められたことを覚えていたのです。その記憶が,この場面で一気に蘇り,目の前の学習とつなげて考えることができたのです。

算数の学習は,既習の積み上げ展開していきます。各学習場面で,核となる見方・考え方を教師が価値づけたり賞賛したりしておくことが,その後の学習にリンクしていくことが見えた瞬間でもありました。