2019年2月20日水曜日

直方体の展開図も11個?

 4年生「立方体と直方体」の学習では,それぞれの展開図を作成します。子どもたちは,前の時間までに立方体の展開図は11個あることを発見しました。実際に作図を行い,11個で間違いないことを確認しました。

次に,「直方体の展開図は何個あるかな」と子どもたちに投げかけます。子どもたちは次のように考えます。

「11個だよ」
「立方体が11個だったから,同じでしょ」
「直方体は立方体を少しつぶしただけだから,同じ数になるよ」
「でもさあ,立方体の面は全部正方形で同じ形でしょ。でも,直方体の面はいろいろな形があるから,11個よりはもう少し多いんじゃないかな」

多くの子どもの予想は11個です。一部の子どもは,11個より少し多い予想でした。

そこで,本当に11個なのかを展開図をノートに作図することで確かめます。前時までの立方体の展開図を参考にする子どもの姿も見られました。

さて,展開図を作図するなかから「太いのと細いのがある」「だから2倍だ」「だから11個より多いはず」と隣同士で話し合う声が聞こえてきました。そこで,その子どもたちの図を板書します。右の図です。そして,次のように投げかけます。

「この図を描いた2人が,直方体の展開図は11個よりも多いはずだと言っています。その気持ちはわかるかな」

子どもたちは,板書された展開図を見つめます。やがて,子どもの話し合いが始まります。

「どちらもTの字型だ」
「Tの字型が2種類ある」
「(立方体の展開図を板書しながら)立方体にもTの字の展開図はあった。でも,それはこの形しかなかった。でも,直方体ではTの字が2種類あるからもっと多くなる」
「1つの形で2種類あれば,11×2で22種類になるよ」
「でも,他のパターンでは1種類だけかもしれないから,22種類とは限らないよ」

子どもたちは,2人の太タイプ・細タイプのTの字型展開図をもとに,直方体の展開図は11種類よりはかなり多くなりそうだと考え始めました。

この後,さらに展開作りを進めていきます。やがて,「こんなTの字のありました」と右図のような展開図を見つけた子どもも現れました。この時点で,Tの字型は3種類になりました。他の展開図も同じように見つかれば,11×3で33種類あることになりそうです。

直方体も立方体も同じ展開図の種類数だと多くの子どもは考えていました。ところが,実験を進める過程で新たな視点を発見することで,直方体の展開図がかなり多くなることを発見した1時間でした。