2019年2月21日木曜日

□を使った式のかけ算場面を図で表現すると・・・


3年生「を使った式」も,後半の学習です。子どもたちに次のように投げかけます。

「同じ値段の鉛筆を10本買いました。値段は800円になりました」

この問題に出会った子どもたちは,「鉛筆の値段がわからないね」「だから,鉛筆の値段が□円だね」と,問題場面の分析を進めていきます。さらに,「式にもできる」と声をあげます。そこで,この問題場面を式に表すことにしました。

子どもたちは,「×10=800」と式を作りました。また,□の大きさを求めるためには,「800÷10」の計算をすればいいと考えました。そんな子どもたちに,「本当に800÷10の式でいいのかな」と投げかけます。「絶対に合ってる」「図をかけば分かる」と,図の必要感につながる声が生まれてきました。そこで,問題場面に合う図をノートに作図させました。

子どもたちがノートに描いた図は,全部で2種類ありました。それぞれの図を板書させます。板書を見つめる子どもたちが,「なんか変だ」「単位が2つある」と声をあげてきます。子どもたちの話し合いは始まります。

「右図はおかしいよ。だって,10本と円と単位が混じっているよ。昨日までは,同じ単位しかなかった」
「昨日は,全部『人』しか単位はなかった」
「右の図はたしざんの図になっている。この問題はかけ算なんだから,たしざんの図ではおかしいよ」
「鉛筆は10本で800円でしょ。でも,この図だと,10本よりの800円が大きくなっているからだめだよ」

たしざんタイプのを使った式では,上の図で場面を表すことができました。そこでの学びを,この場面でも生かそうと考えたのでしょう。しかし,この場面はかけ算なので同じ手法が使えないことが見えてきました。

では,正しい図は右でしょうか。先ほどの,違う単位が混じっているの指摘を受けて,「だったらこの図(右)も,違う単位が混じっているよ」という声があがってきました。

「この図は混じっているけど大丈夫だよ」
「10本と800円は同じ幅になっている。さっきの図とは違うでしょ」
「1本で円でしょ。それが図の右端の四角だよ。それが,1・2・3・・・とつながっているからいいんだよ」
「1本で円。10本で800円という問題だから,両方とも合っている(対応している)から,この図でいんだよ」

異なる単位が隣同士になることはあり得ません。子どもたちは,自分なりの言葉でその違和感を説明してきました。
たしざんとかけ算の図を比較することで,それぞれの特徴も見えてきた1時間でした。