2019年2月19日火曜日

ひきざんの□を使う式は難しい?

 3年生「を使った式」のその後です。子どもたちに,次のように投げかけます。

「式を見て,どんなお話ができるか見えるかな?」

子どもに提示した式は,「−51=34」です。子どもたちは,次のようなお話を作りました。

「バスに何人か乗っていました。次のバス停で51人降りました。バスに残った人は34人でした」

このお話は,「−51=34」になります。その後,□の数を求めました。子どもたちは,テープ図を使いながら,「51+34=85」で□が84人であることを求めていきました。

次に提示したのは,「59−=35」の式です。この式に合うお話を考えさせました。

「バスに59人乗っていました。次のバス停で何人か降りました。バスに残っているのは35人でした」

先ほどの問題ができれば,これは簡単です。そこで,が何人になるか求めさせました。すると,子どもの反応は2つに分かれました。

① 59+35=94
② 59−35=24

①の式を考えた子どもには,彼らなりの論理があります。

「だって,さっきの問題もはたしざんで求めたでしょ。だから,この問題もたしざんで計算した」
「ひきざんの反対はたしざんだから」

最初の問題は,のあるひきざんでした。その問題では,を求めるためにたしざんを使ったのです。今回も,のあるひきざんです。そのため,それと同じ考え方が適用できると考えたのです。
①のたしざんを考え子どもたちは,②の式の意味がすぐには理解できませんでした。最終的に,彼らが納得したのはテープ図を使った説明でした。

「さっきの問題はテープ図全体がわからないから□にした。全体の中の51人と34人のところは分かっているから,この2つをたした。でも,この問題は全体は59人とわかっている。この全体の中の35人のところも分かっている。わからないのは左の□のところ。だから,59から35をひく」

同じテープ図表現でも,最初の問題と今の問題ではの位置が異なっているのです。①と考えた子どもは,問題場面を最初と同じだと勘違いしたのです。の部分が図のどこに位置付くのかが,2つのテープ図を比較することで明確になったのです。

目の前の図と式と問題文だけでなく,それ以前に学習した図と式と問題文とも比較することで,理解が一気に進むことが実感できた1時間でした。