2019年3月4日月曜日

メートル法 重さ〜かさ編

 3年生のメートル法の学習の2時間目です。子どもたちに次のように尋ねます。

「一番大きい重さの単位は何ですか」

「t」「1t」と子どもから声があがります。そこで,「1t」とノートの右端に書かせます。次に大きい単位を尋ねます。これは,「㎏」と声があがります。

「1㎏」をどの位置に書くのかを考えさせます。子どもたちは,前時で10倍になると1マス分間をあける学習を行っています。「1t=1000㎏」なので,この場合は3マス分あけることを子どもたちは見つけてきます。

このあと,さらに3マス左側に1gが来ることを学習します。ここで,次のように投げかけます。

「まだ習っていないけど,1gよりも小さい単位があります」

子どもたちは,理科の学習で「mg」の単位には触れているようでした。しかし,その具体的大きさについてははっきりとはしていませんでした。そこで,次のように尋ねます。

「1mgは何マスあけて書けばいいかな」

ここで子どもたちから,「長さと同じだよ」と声があがります。

「1mよりも小さい長さは1㎜でしょ。1mは1000㎜」
「だから,1㎜と1mは3マスあいた。重さも,㎎とgの間も3ますあく」

子どもたちは,前回の長さの学習での単位の配列をもとに,重さも同じ関係があると考えたのです。すると,長さと重さの2つの単位の共通点の気づきが,次の発見を引き出します。

「だったら,水のかさも同じだよ」
「1mLと1Lだね」
「1Lは1000mLだから,これも3マスあいている」
「どれもmがついている」
「長さも重さもかさも,m何とかになっている」
「m3兄弟だ」
「m3兄弟を1000倍すると,mがなくなる」

子どもたちは,かさの領域に対象範囲を広げたのです。そして,かさにも同様のきまりがあることを発見してきました。素晴らしい視点をもった子どもたちです。

さらに,子どもの追究は続きます。

「だったらkもそうだよ」
「1kmと1kgはどちらも,1mと1gの1000倍になっている」
「それなら,1Lの1000倍もあるのかな」
「1kLだね。でも,そんなのあるの?」

1kLの単位が存在することを教えます。すると子どもたちは,またもおもしろい視点で対象を見つめます。

「1km,1kg,1kLだから,どれもLがつくね」
「これはL3兄弟だね」
「長さと重さとかさは,別の単位だけど,兄弟だね」

それまでまったく別のものに見えていた長さ・重さ・かさの単位が,実は単位の記号に着目することで共通点があることが見えてきました。それを子どもたちは,「兄弟」と表現してきました。メートル法は単位の復習ですが,子どもの思いに寄り添うことで愉しく盛り上がる1時間を送ることができます。