2020年10月16日金曜日

3の段も・・・

 算数の時間,次の問題を子どもたちに提示します。

「串に刺さった団子を食べました。食べた団子の数は何個ですか?」


 「答えが出せない」「団子は何個?」と声があがります。さらに「団子は3個串に刺さっている」「3個で1個になっている」と声が続きます。

 「3個で1個」とはどういう意味でしょうか? 3個は3個のはずです・・・。そこで,この言葉の意味を子どもたちに問いかけます。


「3個で1セットということだよ」

「5セットなら3×5になるんだよ」

「何セットか分かればできるよ」


 「セット」という言葉が生まれてきたことで,団子の問題をかけ算で表すことができることが見えてきました。


 その後,セット数を増やして団子の数をかけ算を使って求めていきます。セット数が増えていくと,子どもから「おもしろいことがある」と声があがります。


3の段も3ずつ増えていく」

「だって,5の段は5個ずつ増えて,2の段は2個ずつ増えていたからだよ」


 これまでに子どもたちが学習したかけ算は52の段です。そこで子どもたちが見つけたきまりをもとに,3の段にもそのきまりが当てはまると考えたのです。類推的な見方が生まれてきました。


 さらに次の声も生まれてきました。


3×5のかけられる数とかける数を反対にすると,5×35の段が見える」

「だったら,3×11の段,3×22の段,3×44の段が見える」

「答えの一の位が3692581470と繰り返す」


 一の位が繰り返す声は,実際に確かめないと検証することができません。授業前半で子どもたちが見つけた「答えが3ずつ増える」決まりを使えば,3×の答えは永遠に求めることができます。答えを順に書き出していくと,一の位のきまりが正しいことも見えてきました。


 かけ算を作り出す場面でも,子どものアイディアがあふれる時間となっていきました。