2021年5月11日火曜日

繰り上がりがあっても簡単?

1000に近い方が勝ちゲーム」のその後です。ゲームを終えたペアの各得オザをカードに書きます。ホワイトボードには,得オザカードが貼られていきます。

そして,次のように投げかけます。

「この中で,簡単に計算できそうなカードはあるかな?」


子どもたちは,

600+308は簡単

300+431も簡単だよ

「だって,繰り上がりがないから」

「だから,計算がややこしくない」


子どもたちは,2枚のカードを簡単だと判断した理由を説明します。繰り上がりに視点を当てた,数字に対するよき見方が生まれてきました。


その後,800+471も繰り上がりがない」という声があがります。しかし,カードをよく見ると百の位が繰り上がっています。

「百の位が繰り上がるよ」

「でも,0が多いから簡単だよ」


「800+471」が簡単に見えた理由を子どもたちが読解していきます。単に考えを否定的に見るのではなく,このように簡単だと思えた理由を推論できる見方はとても素晴らしい姿です。

 

800+471」が取り上げられたことをきっかけに,子どもの視点は繰り上がりのあるカードへと向かっていきます。先ほどのカードの出現が,カードを整理していく上でのよい視点の転換を導き出したと考えられます。


「百の位が繰り上がるのは,まだあるよ。514+512もそうだよ」

「十の位だけ繰り上がるのもあるよ。380+389がそうだよ」

「繰り上がりが2回あるのもある。798+520は,百の位と十の位が繰り上がるよ」

「だったら,十の位と一の位が繰り上がるのもあるよ。499+499だよ」

「百の位と一の位が繰り上がりのもあるよ。618+528だよ」

「まだあるよ。578+522も2回繰り上がるよ」

「あれ? これって3回繰り上がるよ」

「えっ? 2回だよ」

「どういうこと?」


 繰り上がりを巡って,様々な考えが生まれてきました。この段階では,繰り上がりを視点に数字カードを仲間分けすることが目的です。「578+522」の繰り上がりの回数を巡るズレは,クラス全体で考えていく価値あるものです。(これは後日,じっくりと取り組みます)ここでもよい見方が生まれてきました。

 

 この時間は,「600+308」「300+431」「800+470」にチャレンジしました。いずれも「位分け分けは簡単」と子どもたちは考えました。ここまでは順調です・・・。