2021年10月21日木曜日

長さの感覚を磨く!

 3年生の子どもたちに,次の問題を出します。

「縦18㎝,横30㎝,高さ6㎝の箱があります。この箱に,ボールが15個ぴったり入っています。ボールの直径は何㎝ですか」

この問題に出会った子どもからは,「昨日の逆だ」「わり算だね」などの声が聞こえてきます。前日のボールを1列に箱に入れる問題との違いを的確に感じた声です。

ここで,どんな箱をイメージしているのかノートに図を描いてもらいました。子どもたちのノートに描かれていた図は,下の写真にあるような2種類でした。Aの図の子も,Bの図の子も自分の図には自信満々です。

Aの図の気持ちを読解します。

「昨日の図も,横にボールが1列並んでいたから,同じように描いた」

ボールの個数も正しく15個描かれています。この図でもよさそうです。ところが子どもからは,「18㎝は無理」と声が聞こえてきます。何が「無理」だというのでしょうか?

いくつか生まれた理由の中で,長さの感覚を活かした素敵な声があがりました。

「縦の18㎝は横の30㎝のだいたい半分でしょ。だから,30㎝の半分はだいたいこの長さ(図の横の半分の場所を指さしながら)でしょ。これが縦に来るはずだから,本当はもっと縦が長くなる(図の縦部分を指さしながら)。Bの横半分はだいたいこの辺(図の横半分を指さしながら)。これが縦に来るから(縦部分に指さしながら),この図の縦の長さとだいたい合っている」

18㎝と30㎝の長さの関係が,だいたい2倍(または半分)の関係になっている感覚を持てば,Aの図の不自然さが見えてきます。

きちんと計算をしなくても,2倍や半分などの日常生活でも使う長さや数の感覚を活用して,対象を見つめ直す視点を磨いていくことも,算数授業では大切にしていきたい部分です。