2024年4月10日水曜日

じゃんけんアップダウンゲーム!


子どもたちに「じゃんけんアップダウンゲームをしよう」と投げかけます。
クラスを2チームに分けます。最初の持ち点は両者123点です。代表がじゃんけんを行い,勝ったら得点が10倍,負けたら得点は1/10になるルールです。
このルールを聞いた子どもから,声があがります。
「1/10だとわれないんじゃない?」
「えっ,われるよ」
「負け続けると,小数になるよ」
「もし1点なら,負けたら0.1点になるよ」
「たくさん負けたら,小数になるんだよ」

負け続けると,小数に数値が変化していく見通しが生まれてきました。
さて,この見通しは本当でしょうか? 持ち点123点でスタートします。
ゲームが進んで,両者の得点が「1.23」対「12300」という大差になりました。ここで生まれてきたのが,次の声です。
「100倍したら同点になる」
「小数点が2個動く」
倍数と小数点の動きに関係性があることを指摘する声です。しかし,この声はすぐには共有されません。なぜなら,かなり抽象度の高い説明になっているからです。

そこで,この声の意味を考えていきます。
「1を10倍すると10になって,小数点が1個右に行く。もう1回10倍すると,また小数点が1個右に行く」
「10倍,10倍で100倍だから,小数点は右に2個動く」
「小数も同じで,1.23を10倍したら12.3になって,小数点が右に1個動く。12.3を10倍したら,また小数点が1個右に動く。100倍したら,2個右に動く」
「だから,整数と小数は100倍したら同じように小数点が動く」

整数値を10倍,100倍した見方を,小数の世界にも当てはめていく見方が生まれてきました。見方が適用できる範囲を拡張した説明です。このような見方で対象を見つめていくことは,算数では大変に価値のあることです。よい見方が生まれてきました。
この説明で,全員が倍数と小数点の動きを納得することができました。

その後もゲームを続け,最後は両者仲良く引き分けという結果で終わりました。