2019年1月13日日曜日

3年分数の導入

3年生の分数の導入場面です。子どもたちに,次のように投げかけます。
「ブロックゲットゲームをしよう」
黄色ブロック5個で1m,白ブロック5個で1mになるようにブロックを黒板に貼ります。(ブロックは表が黄色・裏が白)黄色チーム対白チームでブロックを取り合うゲームです。代表の子どもがじゃんけんをします。グー・チョキで勝つと相手のブロックを1個,パーで勝つと2個のブロックを裏返すことができるゲームです。

ブロックを黒板に貼ったところで,S子が「ブロック1個は20㎝だね」と声をあげます。すると,S子の声を受けて「小数で言ったら0.2mだね」「分数でもできるね」と声があがります。ところが,「分数でもできるね」に対して「どういこと?」と声があがります。量分数は未習です。2年生で学習した分数は分割分数です。このような疑問の声があがるのは自然な姿です。
「1mを5つに分けています」
「その中の1つ分だから1/5mだよ」
子どもたちは,分割分数の見方と関連付けて説明をしてきました。これで,量分数の見方が共有されました。

その後,ゲームを行います。黄色チームがブロックを8個ゲットした時点で,ゲームを止めます。「黄色チームの得点は何mかな?」と投げかけます。子どもからは「8/10m」「1mと3/5m」と2つの考え方が生まれてきました。分割分数と量分数を混同しています。量分数に初めて出会った3年生の子どもにとって,2つの分数を区別することはかなりハードルが高いことがわかります。
子どもたちは,次のように話し合いを進めていきました。
「10個の中の8個だから8/10でしょ」
「ちがうよ。8/10は,ブロック10個の中の8個分ということでしょ。これはブロックの数の話。3/5は,1mを5つに分けた3つ分でしょ。これは長さ」
「今は長さを聞かれているのだから,1mと3/5mだよ」

子どもたちは,何を求められているかにより答え方が変わることに気付いてきました。量分数と分割分数の混同は高学年でも見られます。1回の学習で量分数と分割分数の区別は明確にはつかないと考えられます。今後も繰り返し似たような学習を行うことも大切になります。