2022年6月27日月曜日

中央値と最頻値

 ドットプロットを学習した子どもたちに,「靴のサイズをドットプロットにしてみよう」と投げかけます。

靴のサイズを,ノートに表としてまとめます。その後,「ドットプロットに表そう」と進みました。するとここで,予期せぬ反応が聞こえきました。

「0から描くと場所がたりない」

「それなら棒グラフのように,波線で省略したらいい」

子どもたちは,横軸を0からスタートしようと考えたのです。私は,最小値の数字から描き始めると考えていました。子どもの反応は,ある意味自然な発想です。これについて,子どもの声が続きます。

「棒グラフは縦に伸びていた。もし100とかあれば,それは波線で下を消していた」

「今回は縦じゃなくて横に伸びる。でも,横に棒はないから波線じゃなくて,最初から20から始めたらいいんじゃないの」

これで,ドットプロットの左端の数字は20からスタートすることを全員が納得しました。

その後,ドットプロットが完成します。この調査では,最頻値と中央値がいずれも23.5と同じ値になりました。実は,前回のジャンケン大会のドットプロットも,最頻値と中央値が同じ値になりました。では,最頻値と中央値はいつでも同じ値になるのでしょうか。子どもたちは「いつでもそうとは限らない」と考えていますが,具体的な反例を見つけることはできません。

ところがしばらくすると,「テストの点数なら,そうじゃないのがある」と声が聞こえてきました。

「0点が1人,10点が1人,20点が1人・・・,80点が1人,90点が2人,100点が1人だとします。そうすると,最頻値は90点です。でも,中央値は60点と70点の間になる」(中央値の値の説明は正式には異なりますが,最頻値と重ならないことは事実です)

この説明で全員が納得です。分かりやすい例外が見えてきました。

ドットプロットに表現することを通して,子どもの素直な疑問が見えた時間となりました。