2025年5月30日金曜日
1が2つあるから・・・
正三角形なら?
2025年5月28日水曜日
最短ルートは?
「最短ルートを見つけよう」
このように投げかけ,正方形の対角線の位置にある2つの頂点を結ぶ最短ルートを探しました。正方形が1つの場合は,2通りあります。
次に正方形の数を4個に増やします。図を見た子どもから,次の声があがります。
「めっちゃある」
「4通り?」
「6通り?」
「もっとある?」
予想にズレが生まれます。そこで,実験します。「6通り」の声が多数を占めました。そこで,最短ルートを確認します。最初に描かれたのは,右に2ます進み,上に2ます進むルートでした。すると,これを見た子どもから声があがります。
「反対がある」
「線対称」
「対称の軸だ」
1つのルートを見た子どもから,線対称と関連付けることで,反対側に同様のルートができるという発見が生まれてきました。この方法を使えば,対称の軸の片方側だけルートを見つけたらよいことになります。この図形では3通りなので,総数は3×2で6通りとなります。
次に,縦・横3ますの9ますの最短ルートを探します。一気に難易度が増します。子どもたちの予想値もバラバラになりました。実験の途中で「面倒」「同じの書いてるかも」と声が聞こえてきます。
そこで,図の中の交点に数字を位置づけます。これでルートの確認がしやすくなります。その後,数字を使ってルートを書き出します。
最終的に,10通りのルートが確認できました。これは線対称の半分のルートなので,実際はこの2倍の20通りあることになります。
同じルートを書き出さないために交点を数値化しましたが,それでも「面倒」という声が聞こえてきました。板書のルートは,同じ数字が固まるように意識して書かれています。この同じ数字の部分を1つに省略することで,樹形図が完成します。
樹形図につながる見方を引き出す最短ルート探しの学習でした。
2025年5月24日土曜日
小松市の3年生ときまり発見授業をしました!
昨日は,石川県小松市内の小学校で3年生にきまり発見につながる授業公開を行いました。虫食い算を解いていく中から,虫食い算の見えている数字とできる虫食い算の種類数の関係を見出していく授業でした。
3の数字で3種類の計算が完成する場面で,きまりを発見し盛り上がりました。元気でかわいい子どもたちでした。
また,訪問した学校では京都の向日市立第二向陽小の研修システムである複数学年の先生方で構成されたメンター制を取り入れられていました。メンターチームでの授業後の協議はとても質が高く深いものでした。他校の参考となる優れたシステムです。是非,先生方の学校でも取り入れられてはいかがですか?
2025年5月23日金曜日
「子どものストーリーでつくる算数の授業」セミナー開催!
来週末は大阪で授業テラス主催の対面&オンラインセミナーが開催されます。テーマは,
「子どものストーリーでつくる算数の授業」
です。詳細は以下の通りです。
日時:5月31日(土)13時30分〜
会場:大阪市エル・おおさか
内容:
13:15 受付
13:30 オープニング
13:45 模擬授業
- 参加者の希望者による算数模擬授業
- 協議(感想・意見)
- 尾﨑先生による講評
15:35 尾﨑先生による講義(”子どものストーリー”でつくる算数の授業)
16:45 閉会、解散
17:15 懇親会(希望者のみ:先着10名限定)
今回は難関単元の模擬授業も開催されます。こちらも楽しみな企画ですね。
お申し込みは,以下のアドレスからお願いします。
石川県小松市を訪問
今日は,石川県小松市にある小学校を訪問します。昨年度からおじゃましている学校です。
石川県は全国学力調査でも毎年高い結果を出している県です。その秘密は石川県を訪問してみると分かります。小松市の小学校も同様です。いろいろな意味でレベルが違います!
今日は先生方の授業参観の他に,私も公開授業を行います。石川の子どもたちとどんな授業が展開できるのか楽しみです!
2025年5月22日木曜日
答えが一番小さい式
「計算をしないで,答えが一番小さくなる式を見つけよう」
このように投げかけます。A・c/b÷dの記号の中に2〜5の数字を1回ずつ代入します。答えが最小になる式を計算をせずに式だけを書いてもらいました。
子どもから生まれたのは,2・3/4÷5と2・3/5÷4の式です。整数部分は同じ大きさです。また,分子部分も同じ大きさです。計算する部分は分母部分の4×5と5×4です。ここまで考えると,答えは等しくなりそうです。
そんなとき,次の声があがります。
「№23で似ている勉強しました。1・2/3÷3の計算で,整数の1を÷4をしないで2/3の分数だけ計算したら正しくなかった。仮分数に直さないと正しくできなかった。だから,この問題も仮分数に直して考えないといけない」
帯分数の計算問題に取り組んだときの考え方を活用する声です。そこで,帯分数を仮分数に置き換えてみます。
すると,11/4÷5と13/5÷4と置き換わります。分母部分の計算は変わりませんが,分子の大きさが異なることが見えてきました。分子が13と11です。明らかに分子13の方が大きな答えになります。半数近い子どもは,2番目に答えが小さくなる式を書いていました。
既習の考え方と関連付けながら論理を組み立てることで,よりよい考え方を作り上げることができました。
2025年5月21日水曜日
途中で約分はできるの?
2025年5月20日火曜日
倍分方式はいつでも使えるのか?
2025年5月19日月曜日
分子が割れなかったら?
「2分で4/5Lのジュースを作るマシンがあります。1分では何Lのジュースを作れますか」
問題に出会った子どもから,次の声があがります。
「かけ算は分子をかけたから・・・」
この声の意味を共有したあと,続きを考えさせました。
「わり算はかけ算の反対だから,分子ではなく分母を計算する」
「分子をかけ算したから,今度は分子をわる」
多くの子どもは,後者を考えました。そこで,分子をわってみます。答えは2/5Lと求められます。しかし,「本当に合ってるの?」と計算に対する疑問の声があがります。
そこで,図で確認します。結果は,図でも同じ答えになりました。ところが,次の声があがります。
「まだ3回やっていないから ,正しいか分からない」
「分子が割れなかったらどうするの?」
早急な一般化を疑う声です。そこで,他の問題で実験します。
6/7÷3は式でも図でも計算が正しいことが確かめられました。
一方,4/5÷3の場合は,そもそも分子が4÷3=1.333・・・となりわりきれません。この計算方法の限界でしょうか。
すると,次の声があがります。
「四捨五入したら」
「約1/5」
「でも,それって正確じゃないよ」
「われるようにしたらいい」
「4/5を3倍3倍して12/15にしたら3でわれる」
「本当だ」
「4/5と12/15は同じ大きさだからできるね」
4/5を倍分するアイディアが生まれてきました。この方法を使えば,先ほどと同じように計算ができます。結果は4/15Lです。図でもこの答えになることが確認できました。
倍分のアイディアを使えば,どんなわり算も計算できそうだということが見えてきました。
2025年5月15日木曜日
分子を計算はいつでも使えるのか?
2025年5月14日水曜日
ジュースの計算
但馬算数セミナー開催のお知らせ
夏休み中の8月21日(木)に兵庫県豊岡市で但馬算数セミナーが開催されます。テーマは,
「愉しさが溢れる算数授業づくり」
「愉しさ」か「楽しさ」か。読み方は同じですが,意味は全く異なります。この部分に焦点化して話を進めていきます。
地元の先生による模擬授業も開催されます。豊岡市はコウノトリの繁殖で有名な場所ですね。また,近くには城崎温泉もありますね。観光のついで?に,セミナーに参加されてはいかがですか。
お申し込みは以下のアドレスからお願いします。
https://www.kokuchpro.com/event/a3b5a0a21cd35100bc3d8c47dfecbee2/
2025年5月13日火曜日
楽しい算数? 愉しい算数? 求める授業像はどちら?
昨晩は今夏出版される全国算数授業研究会企画の出版本に掲載する座談会が開催されました。テーマは「算数授業に必要な愉しさ」です。
「たのしい」という言葉を漢字に置き換えると「楽しい」「愉しい」の2種類があります。私たち全国算数授業研究会が求める「たのしさ」は後者の「愉しさ」です。
学習指導要領が求める「主体的で対話的で深い学び」もこの「愉しさ」がベースとなっています。
「楽しい」「愉しい」の違いはなにか,またそれを授業レベルで考えたら具体的にどういうことなのかを座談会で語り合いました。
メンバーは私の他は筑波大学附属小の盛山先生(会長),大野先生,青山先生です。4人での座談会の内容は今夏発刊される企画本に掲載されます。お楽しみに!
2025年5月12日月曜日
周りの長さは?
グラウンドのセパレートコースは合ってる?
「グラウンドトラックの1m外側を走ったら,内側よりも何m長く走ったことになりますか」
このように尋ねます。子どもから,グラウンドの「直径の長さを知りたい」と声があがります。そこで,直径が20mであることを教えます。
計算の結果,外側を走る人は6.28m長く走ることが分かりました。
次に,地球の表面と1m外側を走った場合の差を考えます。「グラウンドよりも長くなる」と考える子どもも多くいました。
計算の結果は,この場合も差は6.28mとなりました。この結果を見た子どもから,声があがります。
「さっきと同じだ」
「やり方が同じだ」
「+2が同じだ」
子どもたちは,グラウンドと地球の差を求める式を比べたのです。結果は,グラウンドの20mと地球の1280000mの数字が異なるだけで,残りの式は同じ構造になっていることに気がつきました。すると,「文字式にできる」「変わったところを文字にしたらいい」と声があがってきます。
そこで,2つの式を文字式に変身してみます。結果は,次のようになりました。
(x+2)×3.14−x×3.14=(X+2−x)×3.1=2×3.14
文字式に置き換えることで,直径がどんな長さでも答えはいつでも6.28mになることが見えてきました。
子どもたちが運動会で行う徒競走でも内側と外側の差を考慮してスタートラインがずれています。そこで,その実際の長さを確認すると,「そんなに離れていない」と声があがります。最終的には,1人のレーンの横幅は「1mもないよ」と声があがります。0.5mなら,今回学習した長さのズレの半分になります。最後は体育場面と関連させて考えることができました。
切手を切る
2025年5月8日木曜日
何を表している?
2025年5月7日水曜日
必ずしもそうではない!?
「X+7=35の式に当てはまる問題文を作りましょう」
このように投げかけます。問題文作り自体は簡単です。その後,Xの値も求めます。この文字式では,35-7=28と引き算でXの値を求めることができます。
そこで,「たしざんの式になる場合はXに当てはまる数は,その逆の引き算で求められます」とここまでのことをまとめました。すると,この言葉をきっかけに,子どもたちが動き出します。
「だったら,わり算だったらかけ算だね」
「待って,必ずしもそうではないかも」
「わり算でもわり算かも・・・」
「かけ算ならわり算だよ」
「引き算ならたし算だよ」
「これも違うのあるかも?」
子どもたちは,Xを求めるためには必ずしも逆算にはならない場合があるかもしれないと考えました。
そこで,絶対に逆算になると子どもたちが自信があるかけ算の場合を考えます。
「8×X=20」
この場合は,わり算でXの値が求められます。すると,「(Xの位置が)逆なら?」と声があがります。そこで,「X×4=32」を実験します。この場合も,逆算のわり算でXの値を求めることができました。
次に,「必ずしもそうではないかも」と声のあがった,引き算とわり算を実験します。
「X−6=15」→足し算
「15−X=1」→引き算
「X÷4=8」→かけ算
「45÷X=15」→わり算
子どもたちの予想通り,必ずしも逆算ではない式もあることが見えてきました。
子どもの声で次の問題場面が生まれてきた1時間でした。逆算でない式は小学校では扱わないことになっていますが,子どもの思いはそれを超えていきます。
2025年5月5日月曜日
今年も淡路楽しmath講座開催です!
毎年恒例の兵庫県淡路島で開催の淡路楽しmath講座が開催されます。
日時:7月27日(日)13時30分~16時30分
会場:兵庫県洲本市洲本市民交流センター
今年も私の公開授業と講演があります。授業は異学年混合で行います。複式×2のような学級編成ですが,毎年盛り上がっています。淡路島観光を兼ねてお出でください!
お申し込みは,以下のアドレスからどうぞ!
2025年5月2日金曜日
丸は全部で何個?
2025年5月1日木曜日
□番目は誰?
「こぶた・たぬき・きつね・ねこの□番目は,誰ですか」
このように子どもたちに問いかけます。この問題文を見ただけで,子どもたちは「しりとり歌」を歌い始めました。お馴染みの歌ですからね・・・。
最初は「14番目は?」と尋ねます。「1,2,3,4,5,6・・・」と順に数える子どもたちの姿も見られました。一方,式で答えを見つけようとする子どももいました。
式を使う場合は,「14÷4=3あまり2」となります。この式の意味を全員で読解していきます。あまりの数によって,どの動物が□番目になるのかを決定できることが見えてきました。
その後,25番目,400場面の動物を考えます。400番目はあまりはありません。この場合は,「あまり0」「あまり4」と考えることで,「ねこ」になることが見えてきます。
次に問いかけたのは,「□番目と聞かれたら,どんな式を作りますか」です。子どもたちは,これまでに学習した記号を活用して,「□÷4=○あまり△」と式を作りました。的確に記号を使うことができました。
その後,□をxに,○をyに,△をaに置き換えます。文字式との出合いです。文字式を見た子どもからは,「スキッリする」「かっこいい」などの肯定的な声が聞こえてきました。
難しいイメージのある文字式ですが,子どもの身近な題材から導入することで文字式へのハードルを下げることができました。