2025年5月21日水曜日

途中で約分はできるの?


「長さ3mで重さa㎏の鉄棒があります。1m当たりの重さは何㎏ですか」
と問題を提示します。式は,a÷3になります。

そこで,aにどんな数を入れたら簡単か考えさせます。「3の倍数」と声があがります。わる数が3なので,このような声が生まれてきました。

次に難しい数字を尋ねます。「分数かな」と声があがります。そこで,3/9÷3を計算してみることにしました。

これまでの学習を生かして分子をそのまま割る計算方法と,逆数をかける方法の2つが生まれてきました。さらに,分子をそのまま割る計算方法の途中で,分子の3÷3と分母の9を3で約分する方法が生まれてきました。ところが,途中で約分を行うと答えがそれまでの方法とは異なってしまいます。

分数のかけ算では途中で約分することができました。それと同じ方法を,わり算の途中にも当てはめてみたのです。この考え方自体は価値があります。しかし,答えが異なります。

この結果,分数のわり算では途中で約分を行うと答えを正しく導き出すことができないことは見えてきました。しかし,「なんで?」と疑問があがります。
しかし,この疑問を乗り越えることは難度の高い問題でした。式変形を行ったり,図を使ったりして説明を進めていきました。分数のわり算で約分を行うと,図を使うことで問題場面自体が変わることが見えてきました。この部分は難しかったようです。

分数のわり算の途中で約分したくなる考え方は,分数のかけ算を体験した子どもにとっては当然生まれてくる発想です。この部分をもとに子どもたちと考えた時間でした。