「グラウンドトラックの1m外側を走ったら,内側よりも何m長く走ったことになりますか」
このように尋ねます。子どもから,グラウンドの「直径の長さを知りたい」と声があがります。そこで,直径が20mであることを教えます。
計算の結果,外側を走る人は6.28m長く走ることが分かりました。
次に,地球の表面と1m外側を走った場合の差を考えます。「グラウンドよりも長くなる」と考える子どもも多くいました。
計算の結果は,この場合も差は6.28mとなりました。この結果を見た子どもから,声があがります。
「さっきと同じだ」
「やり方が同じだ」
「+2が同じだ」
子どもたちは,グラウンドと地球の差を求める式を比べたのです。結果は,グラウンドの20mと地球の1280000mの数字が異なるだけで,残りの式は同じ構造になっていることに気がつきました。すると,「文字式にできる」「変わったところを文字にしたらいい」と声があがってきます。
そこで,2つの式を文字式に変身してみます。結果は,次のようになりました。
(x+2)×3.14−x×3.14=(X+2−x)×3.1=2×3.14
文字式に置き換えることで,直径がどんな長さでも答えはいつでも6.28mになることが見えてきました。
子どもたちが運動会で行う徒競走でも内側と外側の差を考慮してスタートラインがずれています。そこで,その実際の長さを確認すると,「そんなに離れていない」と声があがります。最終的には,1人のレーンの横幅は「1mもないよ」と声があがります。0.5mなら,今回学習した長さのズレの半分になります。最後は体育場面と関連させて考えることができました。