2022年4月11日月曜日

全体を見渡す眼を育てる

ある日の朝のことです。その日は封筒を提出することになっていました。子どもたちがどのように封筒を提出するのか,見ていました。

最初の子どもが,封筒を裏向きで提出しました。すると,それを見ていたある男の子の顔が怪訝な表情に変わりました。すかさず「なにかを思ったんだね?」と尋ねます。すると,「うん」と返事を返してくれました。やはり何かを感じたようです。そこで,「あなたが思ったことをやってごらん」と投げかけます。

さて,この男の子はなにをしたと思いますか。その子は裏返しに出された封筒を表向きに変えてくれました。封筒の表には,子どもたちの名前が書かれています。そのため封筒の上下も見ただけですぐに分かります。表向きで封筒を出すよさは,ここにあります。その後,他の子どもたちも封筒を提出にきました。その際にも,その男の子は封筒の向きが揃うように声掛けをしてくれました。

 

提出物の向きを揃えて出すことは,全体のことが見えていないとできません。自分の封筒のことだけしか考えていないとできないのです。全体を見渡す目を持つことも,社会人として必要な力です。現在の仕事に必要な力の一つに「チーム力」がると言われています。チーム力の根底には全体を見渡す眼が必要です。

実は封筒の向きを揃えることができな子どもは,テストなどでのケアレスミスが多いという共通点もあります。

 

この日は,別のカードも提出することにもなっていました。そのカードが提出された場所では,別の子が「番号順に並べた方がいいよね」と言って,出席番号順にカードを並べ直してくれていました。これもすばらしい心です。

 子どもたちのこれらの行動に価値があることは,大人が教え,価値付け,褒めることが必要です。子どもはどんな行動に価値があるのかが,まだ十分には分かっていないからです。

 このような価値付けを行っていくと,はこの行動が他の子どもたちにも広がっていきます。めざすべき「最高クラス」に向けて子どもたちの心がランクアップしています。