2022年4月9日土曜日

こんなときどうする?

今年は6年生を担任しています。子どもたちとの出会いの日,次のようなゲームを行いました。これは,春休みの講座で田中博史先生から教えていただいたものです。


子どもたちと自己紹介ゲームです。自分の名前ではなく,「太郎」「ジュリー」など新たな名前でゲームを行います。集まった子どもたちで,「私は太郎です」→「私は太郎の隣のジュリーです」→「私は太郎の隣のジュリーの隣の花子です」のように自己紹介を行い,最初の子どもまで戻ったら終わりというゲームです。

 先ずはグループ作りを行います。私がタンバリンを4回叩きます。30人クラスですから,あふれる子どもが生まれます。意図的に4回叩いたのです。子どもたちに,このような場面に出合ったらどうするのかを考えさせるためです。

 6人の子どもが残り,どうしたらよいのか悩んでいました。そのとき,「だったら3人で座ればいいじゃん」という優しい声が聞こえてきました。よい考えです。

 

 ところが,「それって不公平だ」と声が続きます。4人チームと3人チームが混在しています。このままでは,3人チームが有利です。


 すると今度は,「だったら,3人チームは誰かがもう1回言ったらいいじゃん」と新たな解決のアイディアが生まれてきました。これも素敵な考えです。これで一件落着ですよね・・・。


 しかし,ここで子どもが気付きます。

「やっぱりだめだよ。3人の最後に言う人は名前を知っているから,もう1回同じ名前を言うだけだから有利」

 

 この論理分かりますか? 子どもはすごいですね。1人がダブって言っても不公平になることに気付いたのです。だって同じことを繰り返すだけですから,新たに覚える名前はないのです。


 すると今度は,「だったら最後に言う人が,最初とは別の名前を言ったらいいんだ」と公平にするアイディアが生まれてきました。つまり2人分の名前を考えておくということです。なるほどよいアイディアです。


 簡単なゲームですが,6年生で学習する「場合の数」にもつながる見方が生まれてきた瞬間でした。いろいろな面で,子どもたちの素晴らしさを実感したゲームでした。