2022年4月9日土曜日

「おもてなし」の心 その2

 6年生スタートの2日目の朝のことです。封筒を提出することになっていました。その様子を観察します。

最初の子どもが,封筒を裏向きで提出しました。すると,それを見ていたH君が怪訝な表情に変わりました。すかさず「H君,なにかを思ったんだね」と尋ねます。すると,「うん」と言います。やはり何かを感じたのです。そこで,「H君が思ったことをやってごらん」と投げかけます。

さて,H君はなにをしたと思いますか。H君は裏返しに出された封筒を表向きに変えてくれました。封筒の表には,子どもたちの名前が書かれています。そのため封筒の上下も見ただけですぐに分かります。表向きで封筒を出すよさは,ここにあります。

その後,他の子どもたち封筒を提出にきました。その際にも,H君は封筒の向きが揃うように声掛けをしてくれました。

提出物の向きを揃えて出すことは,全体のことが見えていないとできません。自分の封筒のことだけしか考えていないとできないのです。全体を見渡す目を持つことも,社会人として必要な力であり,「おもてなし」の心の基本でもあります。

実は封筒の向きを揃えることができな子どもは,テストなどでのケアレスミスが多いという共通点もあります。

この日は,別のカードも提出することにもなっていました。そのカードが提出された場所では,K子さんが「番号順に並べた方がいいよね」と言って,出席番号順にカードを並べ直してくれていました。これもすばらしい「おもてなし」の心です。

子どもたちのこれらの行動を,すべて価値付け褒めていきました。すると,今度はこの行動が他の子どもたちにも広がっていきます。めざすべき「最高クラス」に向けて「おもてなし」の心もランクアップしています。