子どもたちに次の問題を提示します。
「花瓶に花が3本入っています。あとから2本の花を入れました。花は合わせて何本でしょう」
問題を書き終えると同時に,「(今までと)違う」という声が聞こえてきました。問題文の違いに気付いた声です。ところが,今度は「同じだよ」という声も聞こえてきました。
「同じ」だと考える子どもは,「だって,問題に『合わせて』と書いてあるから同じだよ」と主張します。「合わせて」の部分は,合併も増加も同じ投げかけです。
そこで,「『合わせて』と書いてあるから,前と同じなんだね」と投げかけます。すると,「同じじゃないよ」という声があがります。
「だって,『あとから』って書いてあるから違うよ」
「3本に2本があとから来たから違うよ」
増加の問題文であることを,的確に指摘した発言です。しかし,1年生とっては合併と増加の違いを明確に理解することは難しいのです。すぐには違いを理解することはできませんでした。そこで,もう1つの問題文を提示します。
「花瓶に花が3本入っています。別の花瓶に花が2本入っています。花は合わせて何本でしょう」
この問題の花瓶の数を尋ねます。上記の合併の問題では,花瓶は2本です。一方,最初に提示した問題の花瓶の数は1本です。2つの問題文を比較し,花瓶の数を考えることで,合併と増加の違いを子どもたちは理解することができました。
その後,3+2と式を作り,答えを見つけていきます。子どもたちは,ノートに丸の図を描いて合計数を求めていきます。ところが,ほとんど子どもが作図したのは,合併の図でした。

子どもたちは増加の図について,次のように説明してきます。
「こっち(右)から家族になるから,こういう図(左向き矢印)になる」
「右の赤丸2個が,左の丸3個に引っ越してくるからこういう(左向き矢印)になる」
「家族になる」「引っ越す」という言葉を使って,必死に説明する姿が1年生らしさを物語っています。これらの言葉で,増加の意味も図の意味も理解していくことができました。