2026年6月4日木曜日

50に近い方が勝ちゲーム

 「50に近い方が勝ちゲームをしよう」

このように投げかけます。十の位~1/100の位の空欄に,封筒から数字カードを順に取り出し,50に近い数字になるように入れていきます。

数字カードが引かれる度に,教室は賑やかになりました。例えば,最初に「9」を引いたチームは,一の位にそれを置きました。そこで,「一の位に9を置いた気持ちは分かるかな」と問いかけます。

「十の位に4が来てほしいから」

「4が来ると49になって,50に近くなるから」

50に近い数字を作るための背後にある論理をあぶり出していきました。

残った数字カードの種類も考えながら,子どもたちはどの位に数字カードを置いたらいいのかを推測していきました。

49.□□□になったチームが,次に引いたのは「6」でした。この「6」を1/1000の位に置きました。「49.876なら勝てる」と,残りの数字カードをもとに考えたのです。

ところが,ゲームを進めるとこのチームは「49.176」となり相手に負けてしまいました。

「49.876にしたら勝てたのに」

カードを置く位置を変えることで,勝利を掴むことができたという声があがります。次のカードを予測しながら展開するゲームの面白さですね。





2026年6月2日火曜日

じゃんけんアップダウンゲーム!

 「じゃんけんアップダウンゲームをしよう」

子どもたちに投げかけます。クラスを2チームに分けた対抗戦です。代表がじゃんけんを行い,その結果によって,最初の得点がアップダウンします。

5回ゲームを進めました。どうしたことか,片方のチームだけが一方的に得点が増え続ける結果となりました。

さて,ここまでのデータから「小数点の位置が変わっていない」という声があがります。一方,その声に対して「えっ?」という疑問の声も聞こえてきました。

先ずは,「小数点の位置が変わっていない」という声の意味を読解します。各回の得点を縦に見ていくと,小数点の位置が固定されていることが分かります。

次に,「えっ?」という声の意味を読解します。「小数点が違う位置にある」と声があがります。この声をヒントに,「小数点が1/10になると左に1個動く」という小数点の位置の変化へとつなげることができました。この視点に立つと,勝ち続けた場合は,小数点の位置の動き方が先ほどとは反対になるこが分かります。

10倍,100倍,1/10倍,1/100倍したときの小数点の動きを,ゲームを通して学習した1時間でした。




2026年6月1日月曜日

違いに気づく目

 「内のりが縦20cm,横25cm,深さ15cmの直方体の水槽があります。8cmまで水が入っています。この中に,縦横10cm,高さ30cmの直方体を水槽の底に着くまで入れます」

この問題を見た子どもから,「昨日と同じ」「でも,大きさは違う」と声があがります。また,この声を聞いて,昨日のノートを見返す姿も見えてきました。

問題場面に出会ったとき,既習と比較することや違いを見つめる視点をもつことが大切です。前日に取り組んだ問題の類題でした。

違いに気づくことで,解決の糸口の一つが見えてきます。難しい問題でしたが,既習との関連付けや,式の読解を進めることで解決を進めることができました。


2026年5月26日火曜日

20個ってどこ?

 「縦18cm横12cm高さ20cmの直方体の箱があります。深さ16cmまで水を入れました」

この体積は求められます。3456㎤です。

「ふたをして,面Aが底になるように倒すと,水の深さは何cmになりますか」

これは難問でした。立体を90°回転させます。その際の水の深さを求める問題です。

式を板書させ,式の読解を行うことにしました。

3456÷(20×12)=14.4

3456は,箱に入っている水の体積です。

20×12がなにを示すのかが難問でした。底面の体積と考える子どもが多数いました。しかし,この考え方は体積の学習としては妥当ではありません。20×12は面積になってしまいます。面積は平面であり,体積のように立体的にはなりません。

そうなると,この式の最初の20個がなにを指すのかが問題となります。

「高さ1cmの1㎤の箱が20個並んでいる」

「それが12列あるってこと」

「これが何段あるかを考えるから,割り算をする」

全体の体積を底体積でわることで,水の高さが求められます。


2026年5月25日月曜日

式を読解する

 12個の1㎤のブロックを子どもたちに配布します。このブロックを全部使って,次のように問題を提示します。

「12㎤の複合図形を作ります。式と見取り図も作ります」

子どもたちは,様々な複合図形を作っていきます。授業では取り扱っていない形を作る子どももたくさんいました。

その後,ある子どもの式だけを板書します。

「この式からどんな複合図形がイメージできますか?」

このように尋ねます。式を読解する学習です。

子どもたちを悩ませたのが,次の式です。

「1×2×1×6」

3つ目の「×」を書いた瞬間に「えっ?」「さっきは+」などの声があがります。違和感を抱いたのです。それまでの複合図形は,2つの式を「+」や「ー」でつなげていました。しかし,この式は「×」だけで構成されているからです。

この式は,2つに分割することができます。「1×2×1」と「×6」です。この分割の意味が見えてくると,この式から見える図形がイメージ化できます。しかし,この式を読解することは難しかったようです。

板書右の見取り図が描かれると「そういうこと!」という納得の声が聞こえてきました。直方体が6個分あるというイメージです。

この式を考えた子どもの実際の図形は,板書下にある見取り図です。これも「1×2×1×6」となりますね!





2026年5月14日木曜日

「カエカエ」の視点

 子どもたちに,横500cm,縦300cm,高さ400cmの立体の体積を求めるように指示します。見えたままの数値を使うように条件を付けます。

計算途中で聞こえてがきたのが,「面倒」「大変」という声でした。

計算は「300×500×400=60000000(㎤)」となります。ここで,「面倒」「大変」の気持ちを読解していきます。

「0が多すぎる」

「もっと省略したい」

「計算が面倒だ」

「単位を変えたい」

「㎥はないの?」

「㎥」の単位は未習です。しかし,これまでの子どもたちの学習の履歴から考えると,生まれて当然の単位です。

そこで,大変すぎて単位を変えた経験値を訪ねます。

「水のかさ1000mLは1L」

「重さ1000gは1㎏」

「面積10000㎠は1㎡」

水のかさ・重さ・面積の3つの領域で,子どもたちは単位の置き換えを学習してきています。今回もそれと同じ手法で体積の単位も置き換えようとするアイディアです。

算数では,このように繰り返し登場する似たような見方がたくさんあります。それを明確にあぶり出して見える化するのも授業の大切な役割です。


2026年5月12日火曜日

さいころで数値化!

 箱の中身の大きさ比べをしていました。水→砂を入れて数値化を試みますが,いずれも正確に測定することはできませんでした。

そこで生まれてきたのが,ルービックキューブを解体したもの・さいころを入れるという声です。大きさも質も同じものを入れて,その個数を数値化して比べるアイディアです。ここでも数値化の見方が一貫して登場してきます。

そこで,小さいサイコロブロックを子どもたちに配布します。ただし,その個数は少めに配ります。

子どもたちは,箱の中にブロックを詰めていきます。しばらくすると,「たりない」「全然たりないよ」と声があがります。すると,その声を聞いた別の子どもから「1段分が分かればできるよ」と声があがります。

この声の意味を読解していきます。

「1段目に35個入れば,それが上に6段あるから35×6で計算で分かる」

「それなら,縦横でもいける」

「1段目も計算でいける」

「横に並ぶ個数が縦に何列あるか考える」

「横に7個並ぶ。それが5列あれば,7×5で1段目も分かる」

ブロックが不十分であったことで,その総数を計算で求めようとするアイディアを引き出すことへとつながっていきました。この見方は,体積の公式そのものです。教具が不十分な場面に意図的に出合わせることで,計算を行う必要感を引き出していくことができました。