子どもたちに,「音だけで形を当てよう」と投げかけます。直方体・六角柱・円柱・球の立体を提示し,この中のどれか1つを箱の中で転がすことを告げます。転がったときの音で,箱の中の立体を当てるゲームです。
1問目,立体を転がします。円柱・球と考える子どももいましたが,直方体・六角柱と考える子どももいました。
「ポンポンと音がしたからほそまる」
「どんという壁にぶつかる音がしたからほそまる」
「ぼんぼんという音だから,ながしかくだよ」
子どもたちの聞こえた音が,人様々でした。この時点では,子どもの考えはズレが起きたままでした。そこで,作戦変更。第2問を先に行うことにしました。
2問目の立体を転がします。これには「ながしかくだ」という声が多数聞こえてきました。理由を尋ねます。
「ドンが聞こえたから」
「ドンが4回聞こえたよ」
「角が4個あるから,どんが4回聞こえる」
「角は上と下にある」
「ろっかくだったら,角が6個だからドンは6回聞こえる」
「ろっかくは平らが6個あるから,6回ドンが聞こえる」
「ながしかくは,平らが4個。ドンが4回だから,ながしかく」
子どもたちは,音が聞こえた回数と角(頂点・辺)・面の数を対応させて考えることができました。
この後,もう一度箱の中の立体を転がします。「ドン」が4回聞こえます。従って,箱の中にあったのは直方体(ながしかく)であることが分かりました。
その後,1問目に戻ります。再度,立体を転がします。すると今度は「ほそまるだ」という声が一斉に聞こえてきます。
「すー,どんと聞こえた」
「すーは,ほそまるの丸いところが転がる音」
「丸いからすべる」
「ボールは軽いから軽い音になる」
「ドンは壁にぶつかる音」
子どもたちの予想通り,箱の中にあったのは円柱(ほそまる)です。
音をたよりに,立体の構成要素とその数に着目していく1年生の授業風景でした。