「じゃんけんおはじきゲットゲームをしよう」
このように子どもたちに投げかけます。クラスを2チームに分けます。代表の子どもが,順にじゃんけんをします。パーで勝つと3個,チョキで勝つと2個,グーで勝つと1個のおはじきをゲットできるゲームです。
1組目の代表の子どもが,じゃんけんをします。月チームがパーで勝ちました。おはじき3個ゲットです。私は,勝った子どもが3個のおはじきをどのように並べるのかを見ていました。その子は,横に3個並べました。そこで,次のように尋ねます。
「横に並べた気持ちは分かる?」
子どもたちが答えます。
「わかりやすいから」
「縦もあるけど,横がわかりやすい」
「次も勝ったとき,その下に横に貼っていくとわかりやすい」
子どもの中から,2回目以降のじゃんけんの話題が出てきました。場面を拡張する見方が,1年生のこの段階でも生まれてきたことにびっくりでした。そこで,2回目以降のおはじきを貼る位置を,改めて子どもたちに尋ねます。
「何回勝ったかわかりやすい」
「なに(じゃんけん)で勝ったかわかる」
下に並べていくことのメリットを捉えているようでした。
その後,じゃんけんを続けます。子どもたちは,前述の話題の通り,勝つ度に下に下にとおはじきを分けて貼っていきました。
1回戦終了時点では,板書を見るだけで星チーム2勝,月チーム8勝ということが一目瞭然となりました。
この授業では,使えるおはじきがなくなった時点で,その数を「0」と教えることが目的の一つでしたが,子どもたちはそれを上回る数の並べ方についても発想を広げていくことができました。