2023年5月19日金曜日

練習問題に仕掛け

 合併場面のたし算の学習を進めています。前半は問題場面を簡略な図や式に表現しました。後半は,たし算の練習問題に取り組みました。

次の問題を順に提示します。

③ 2+2=4

④ 1+4=5

⑤ 3+3=6

⑥ 5+2=7

実は,④や⑤の後で子どもが動き出すことを期待していましたが,ここではまだそれはありませんでした。しかし,⑥の答えが見えた後で,「次は8」と声があがりました。しかし,その声は一部です。

そこで,「次は8」と考えた気持ちを読解していきます。

「4,5,6,7だから次は8」

「4,5,6,7,8になるから」

「時計(文字盤)も同じになっている。4,5,6,7で次は8になってる」

数列の順を根拠に,7の次は8になることを主張することができました。たし算の学習をしているので,「1ずつ増える」という声も生まれることを期待しましたが,ここでは生まれませんでした・・・。数列を根拠とする考えは,子どもにとっては当たり前過ぎるのかもしれません。当たり前過ぎることを別の言葉で表現するのは,1年生には難しいのかもしれませんね。ここはこれから鍛えていきます。

読解後,⑦の問題を板書します。「1+」で板書を止めます。子どもからは「7が出て欲しい」と声があがります。「7なら答えが8になる」とその理由が説明されます。一部の情報から,その先を予想することもよき見方です。

⑦ 1+7=8

「やっぱり」「やったー」と喜びの声があがります。ここまでくると,子どもは一気に動き出します。

「次は9だ」

「その次は10だ」

先の問題を予想する声が続きます。⑧⑨の問題も「たされる数」だけの板書で,出てほしい「たす数」を語る声があがってきました。1年生の子どもは,分刻みで学習したことを着実に活用していくことができますね。素直さと柔軟性がすごいですねえ。

練習問題の答えの構成を意図的に仕掛けを行いました。このような仕掛けを通して,価値ある見方・考え方を少しずつ鍛えています。