2024年4月27日土曜日

家庭科&算数

 体積学習が進んできました。家庭科では整理整頓の学習を進めています。学校では机の中のお道具箱の中の整理整頓に取り組んでいます。そこで,算数学習もこの家庭科学習とコラボすることにしました。

「1000㎤のお道具箱ボックスを作ろう」

この投げかけに,「ボックスも箱ですよ」と鋭い突っ込みが入りました。言葉に厳しい子どもたちです。

その後,お道具箱の3辺の長さを基準に整理ボックスの長さを決める必要があることが,話し合いで明らかになります。

見取り図で自分の整理ボックスイメージができた子どもから,作成開始! 最後は素敵な整理ボックスができて大喜びの子どもたちでした!






2024年4月25日木曜日

容積のイメージは難しい?

容積の問題を提示しました。

「箱の穴の中に水は何㎤入りますか?」

自分が考えた式で計算を進めてもらいます。その後,答えを確認するとなんと9種類も発生!同じ箱なのに・・・。

箱の厚みの1㎝分が1カ所なのか2カ所なのかで式が変わってきました。この部分が,大人には簡単ですが,子どもには難しいようです。

その後,厚みの意味を共有しながら,正しい求め方を探っていきました。 

2024年4月24日水曜日

明治図書から発刊される新刊本「小学校算数『きまり発見』の授業のつくり方」の購入網シミが始まりました。お求めは,以下のアドレスからお願いします。




 

単位を置き換える

 次の問題を子どもに提示します。

「次の立体の体積は何㎤ですか?」

縦300㎝・横500㎝・高さ400㎝の立方体の体積です。この長さを見ただけで「えー」と悲鳴があがります。「0」が多くなりすぎる予感がするためです。

この予感から,「だったらmにしたらいいよ」と声があがります。しかし,「問題には㎤と書いてあるから,㎝で計算しないとだめだよ」と声があがりました。従って,単位を変更することはできません。

㎝の単位のままで計算します。

500×300×400=60000000(㎤)と答えは出ました。しかし,計算途中から「0がやばい」「0が多すぎる」と声があがります。計算前の予想通りの結果となりました。

この結果から,子どもたちは「問題文を㎥に変えたら簡単になる」と考えます。長さの単位を㎝からmに変えて計算します。

5×3×4=60(㎥)とシンプルな数字に置き換わりました。「0が7個から1個に減った」という0の数の変化に着目した声も聞こえてきました。

ここで,新しい単位である「㎥」の意味を教えます。

次に,1㎥は何㎤になるのかを尋ねます。ここで聞こえてきたのは,「100」と「1000000」の2つの数値でした。そこで,「100と考えた人の気持ちは分かるかな?」と尋ねます。

「1mは100㎝だから,100と考えたんだと思う」

この読解活動は簡単でした。しかし,この読解に対して声があがります。

「1mの箱の中に,1㎤が100個しか入らないなんておかしいよ」

教室にある大きめの机の中に,1㎤のブロック100個セットを入れて説明してきます。この実物を使った説明に,子どもたちも「100はおかしい」と納得です。

では,一体何個の1㎤の立体が入るのでしょうか。

「さっきの計算で,0が7個から1個に減った。0が6個分減ったから,1㎥メートルは0が6個つく1000000㎤になる」

「1㎥は1m×1m×1m。㎝に直すと,100㎝×100㎝×100㎝になる。1mと100㎝は同じ意味だから,計算すると1000000㎤になる」

いずれの説明も既習を使った論理的な内容です。子どもたちも納得でした。

最後は,1m定規を組み合わせて1㎥の立方体を作成して,1㎤が1000000個入るイメージを実感させました。この活動も盛り上がりました!


2024年4月22日月曜日

12㎤を作る!

1㎤のブロックを1人に12個配布します。そして「体積12㎤になる形を作ろう」と投げかけます。
立体を作ること自体は簡単です。作成した立体の見取り図をノートに作図します。さらに体積を求めるための式と答えをノートに描きます。式を作る段階で,問いを感じる子どもが現れてきます。直方体・立方体以外の複合図形を作った子どもたちです。これらの声は,その後の展開で活用していきます。

さて,子どもたちが作成した立体は,写真に撮影させました。作成した立体の中で,自分のお薦めの形の写真1枚を提出させました。
私は,それらの中で子どもたちが問いを感じた立体の式だけを提示します。

「3×3×1」の式を提示します。すると「たりない」と声があがります。12個の立体を使っています。前述の式では9個分しか使っていないことになります。すると,「分かった,上に3個あるんだ」と,その先を予想する声が聞こえてきます。
式の続きを提示します。「+3×1×1」です。これで「やっぱり上に載るんだ」と具体的な図形をイメージする声があがります。

次に「4×2×2」の式を提示ます。「えっ?」「どういうこと?」と声があがります。答えが12を超えるからです。しばらくすると「減らすってこと?」とその先の式を予想する声がします。そこで,先の式を提示ます。「-2×2×1」の式です。この式から,「4個取るんだ」「4パターンあるぞ」などの声があがります。実際の自分が持っているブロックで,式に当てはまる立体を組み立てます。子どもによってイメージが異なることが見えてきました。

複合図形の体積を求める授業では,図から式の順が展開が多くあります。今回はその部分を逆に提示してみました。

 

2024年4月19日金曜日

ブロックを入れる!

 周りの辺の長さの合計が72㎝の箱の中身の大きさ比べの続編です。水→砂と入れてみましたが,正確には測定ができませんでした。

次に考えついたのは,ブロックを入れるという考えです。ただし,入れる形に子どもたちはこだわりを持ちました。

「三角はだめだよ」

「五角形や六角形もだめだよ」

「四角を入れたらいいよ」

立方体を入れれば隙間なく調べられそうだと子どもたちは考えました。そこで,自分の立体の中に1㎤のブロックを入れてみることにしました。

この作業が始まってしばらくすると,「ブロックがたりません」と声が聞こえてきます。1人に25個のブロックを配っていますが,それではたりないようです。子どもたちは,隣の友だちと協力してブロックを入れますが,それでもたりません。

すると今度は,「計算で分かる」と声があがります。この声の意味を共有していきます。

「立方体の1段目が36個なら,高さが6㎝だから6倍する」

「1段目が50個で3段の箱なら,50×3で求められる」

すると今度は,「ブロックなくても分かるよ」と声があがります。今度はその声を共有していきます。

「もし,箱を上から見て縦が7㎝,横が3㎝だとします」

「縦にブロック7個並ぶ。それが3列あるから7×3で21個と分かる」

「3段あったら,21×3で63個と分かる」

体積の公式につながる考え方が生まれてきました。困る状況に出合ったことが,新しい計算のアイディアの表出につながったのです。








2024年4月18日木曜日

箱の中身を比べる

 周りの辺の長さが72㎝の箱を作りました。見た目では,中身の大きさが同じなのか違うのかはっきりとしません。

そこで,「どうやって中身の大きさを比べますか」と尋ねます。

子どもからあがってきたのは,「水を入れる」というアイディアです。このアイディアを巡る子どもたちのやりとりです。

「紙がやぶけちゃうよ」

「それならラップをしたらいいよ」

「でもさあ,隙間から水が漏れるよ」

「紙テープで補強したらいい」

こんなやりとりをしている間に,既に箱を補強し始める子どもたちが何人も現れます。水にやる気満々のようですが・・・。

ここで子どもたちに,「水を入れてどうするの?」と尋ねます。

「ますに入れて,目盛りを読む」

「目盛りを読んだら,何mLで比べられる」

水を入れることで,箱の中身の大きさを数値化で見える化できることが分かりました。

子どもたちの思いは,どんどん水実験に傾いていきます。そこで,水を入れて実験することにしました。ところが,隙間から水がもれたり,うまく水を入れられなかったりして正確には測定ができません。

そこで,「もっと正確に調べる方法はないかな?」と尋ねます。子どもたちが声をあげます。

「プラスチックで箱を作ったら,水は漏れない」

「金属でもいいねえ」

「それはできないよ」

「砂を入れるのはどうかな」

水から砂へと箱に入れるものが変化していきました。ここで,「砂を入れてどうするの?」と尋ねます。すると,「重さで比べる」と声があがります。重さであれば,見えない箱の中身の大きさを見える化できます。

そこで,砂場に行って砂を入れて重さを測定することにしました。結果は,箱の種類によりかなりの重さの幅があることが分かりました。立方体の重さが最大になりました。従って,立方体の中身が最大と言えそうです。ところが,立方体の重さにズレが生まれます。

「261g」

「290g」

「340g」

「360g」

「375g」

100g以上のズレが生まれました。この結果を見た子どもからは,「なんで?」「正確じゃない」と声があがります。正確に調べられると考えいた砂でしたが,うまくいきませんでした。

ここで聞こえてきたのが,「ブロックを入れる」という声でした。しかし,この日はここで時間切れ。続きは明日行います!


2024年4月17日水曜日

一番大きな箱を作る

子どもたちに「周りの辺の長さの合計が同じ四角い立体があります。立体の中身の大きさは同じかな?」と尋ねます。
ここで面積の学習を想起する声があがります。
「面積はそうじゃなかったよ」
「でも,それは面積でしょ。今日のは面積じゃないよ」
「面積も箱も(考え方は)同じだよ」
「粘土で四角い形作っても,丸い形作っても,粘土は変わらないよ。だから箱も同じだよ」
「でも,辺の長さは違うよ・・・」

同じ派,違う派,両者の意見が乱れ飛びます。子どもの考えにズレが生まれます。そこで,自分が中身が大きいと考える箱の見取り図をノートに描かせます。曖昧なイメージを明確にするためです。
子どもたちが作図した見取り図は,実に様々でした。立方体もあれば様々は形の直方体もありました。その後,辺の長さの合計が72㎝と決め,展開図作りを進めました。最後は,蓋なしの立体を組み立てました。果たして,箱の中身は同じなのでしょうか・・・。
結果は次回の算数で追求します。


 

2024年4月16日火曜日

じゃんけんアップダウンゲームⅡ

 小数学習の集大成として,じゃんけんアップダウンゲームⅡを行いました。類似のゲームは少し前にもしていますが,今回はルールが少し変わります。

勝ったじゃんけんの種類によって,持ち点がアップダウンします。

グーで勝つ 2倍(1/2倍)→( )内は負けた相手の得点変化

チョキで勝つ 10倍(1/10)

パーで勝つ 100倍(1/100)

このルールを聞いて,「だったら,ずーっとパーを出したらいい」という声があがります。ところが,その声に対して「だったらチョキを出したらいいよ」という声が続きます。相手の心理の裏を読み取ろうとする作戦です。結局,「普通にじゃんけんした方がいいんじゃないの」と声があがります。

最初の持ち点は,今日の日付から16点に設定しました。一斉にじゃけんを始めます。小数の集大成ですので,1/10や1/100倍の際の小数点の変化をていねいに確認します。

最終的に,勝負は大差がつきました。25分ほどのゲームでの小数復習授業でした。



2024年4月15日月曜日

本当に0.09㎜?

 子どもたちに,次のように投げかけます。

「コピー用紙の厚さは0.09㎜です」

ここまで問題文を板書したところで,「それって本当?」という疑いの声が聞こえてきました。そこで,問題文に続けて,次の言葉を付け足します。

「これって本当?」

子どもからは聞こえてきたのは,次の声です。

「測れないよ」

「薄いけどできるよ」

「定規の目盛りは1㎜までしかないよ」

「でも,1/10くらいは測れるよ」

子どもたちが持っている定規で,0.09㎜を測れるのかが話題となりましたが,なんとかできるのではないかとの声も聞こえてきます。そこで,コピー用紙1枚に定規を当てて測定してみることにしました。

結果は・・・,測れません。すると子どもたちは紙を折り始めます。折ることで定規で測れるようにしようと考えたのです。しかし,これでもズレがうまれてうまくいきませんでした。

そこで「100枚ならできる」と声があがります。この声の意味を共有していきます。

「1枚は0.09㎜だと測れない。だから,100枚にする」

「100枚なら,0.09㎜の100倍だから9㎜になる」

「9㎜なら定規で測れる」

100倍すると,小数点が右に2個移動します。0.09㎜が9㎜に変化します。これなら定規で紙厚を測れます。

そこでコピー用紙100枚の厚さをチームごとに測定することにしました。しばらくすると,「本当に9㎜だ!」という感動の声が聞こえてきました。

100枚で9㎜ということは,1枚なら9㎜を1/100にするので小数点が左に2個動きます。結果は,0.09㎜となります。コピー用紙会社の説明通りの結果となりました。

100倍・1/10倍と小数点の移動の関係を使って,コピー用紙の紙厚を調べていきました。



2024年4月13日土曜日

『小学校算数「きまり発見」の授業のつくり方』5月24日刊行!

算数授業で最もよく聞こえてくるのが「きまりがあります」という声です。この声は1年生でも自然に発する声です。このきまり発見をベースに,類推・一般化・演繹など様々な数学的な考え方へと子どもたちの数学的な考え方を培っていくことができます。

きまり発見をベースにした数学的な考え方を培う授業のつくり方に焦点を当てた本が,いよいよ5月24日に明治図書から刊行されます。刊行迄,もう少しお待ちください!


 

2024年4月11日木曜日

50に近い方が勝ち!

子どもたちに「50に近い方が勝ちゲームをしよう」と投げかけます。
十の位〜小数第3位までの空欄がある数を設定します。その中に,裏返された数字カードから1枚を開き好きな位に入れていきます。数字カードは,0〜9の10枚です。同じ数字は1枚しかありません。
このルールを説明しただけで,子どもが話し合いを始めます。
「それなら十の位に4か5を入れたらいい」
「5なら一の位は0か1」
「4なら一の位は9か8」
「4か5が出ても,その後の数もあるから,4・5だけでは勝負は決まらない」
「例えば59になったらアウト」
具体的な数字を例に出しながら,説明を進めることができました。このように具体例を提示して話を進めると,50に近い数のイメージが持てます。

その後,ゲームを進めます。1回戦は,29.601対53.478という結果となりました。
続いて2回戦を行います。「4□□□」対「2.□□□」(グラウンドチーム)までカードが引かれました。グラウンドチームが2のカードを一の位に入れましたが,このままではグラウンドチームは負けてしまいそうです。
こんな状況で聞こえてきたのが,次の声です。
「次は5が出てほしい」
「5は1/7で出る」
突然,分数の話題が生まれてきました。そこで,この意味を読解します。
「残りのカードは8枚。相手が次に引くから,5が出るのは1/8」
「もし相手が5を引かなければ,グラウンドチームが5のカードを引くのは1/7になる」
「5じゃないカードが出るのは6/7」
子どもたちは,分数を使うことで,5とそれ以外の数字が出るリスクを確率的に考えていったのです。5年生は割合の学習を行いますが,そこにつながる見方が生まれてきました。
最終的に,41.635対92.078という結果になりました。出てほしいと願った5を出すことは,グラウンドチームはできませんでした・・・。
小数の学習を通して,割合の見方につながる考えが生まれてきた1時間となりました。


 

2024年4月10日水曜日

じゃんけんアップダウンゲーム!


子どもたちに「じゃんけんアップダウンゲームをしよう」と投げかけます。
クラスを2チームに分けます。最初の持ち点は両者123点です。代表がじゃんけんを行い,勝ったら得点が10倍,負けたら得点は1/10になるルールです。
このルールを聞いた子どもから,声があがります。
「1/10だとわれないんじゃない?」
「えっ,われるよ」
「負け続けると,小数になるよ」
「もし1点なら,負けたら0.1点になるよ」
「たくさん負けたら,小数になるんだよ」

負け続けると,小数に数値が変化していく見通しが生まれてきました。
さて,この見通しは本当でしょうか? 持ち点123点でスタートします。
ゲームが進んで,両者の得点が「1.23」対「12300」という大差になりました。ここで生まれてきたのが,次の声です。
「100倍したら同点になる」
「小数点が2個動く」
倍数と小数点の動きに関係性があることを指摘する声です。しかし,この声はすぐには共有されません。なぜなら,かなり抽象度の高い説明になっているからです。

そこで,この声の意味を考えていきます。
「1を10倍すると10になって,小数点が1個右に行く。もう1回10倍すると,また小数点が1個右に行く」
「10倍,10倍で100倍だから,小数点は右に2個動く」
「小数も同じで,1.23を10倍したら12.3になって,小数点が右に1個動く。12.3を10倍したら,また小数点が1個右に動く。100倍したら,2個右に動く」
「だから,整数と小数は100倍したら同じように小数点が動く」

整数値を10倍,100倍した見方を,小数の世界にも当てはめていく見方が生まれてきました。見方が適用できる範囲を拡張した説明です。このような見方で対象を見つめていくことは,算数では大変に価値のあることです。よい見方が生まれてきました。
この説明で,全員が倍数と小数点の動きを納得することができました。

その後もゲームを続け,最後は両者仲良く引き分けという結果で終わりました。

 

2024年4月9日火曜日

カードで勝負をつけまショー!(5年「小数と整数」)


5年生「小数と整数」の1時間目です。子どもたちに次のように投げかけます。
「カードで勝負をつけまショー!」
クラスを2つに分けます。□.□□□の中に裏返されたカードをめくって数字を入れていきます。最後に大きな数字が完成した方が勝ちです。
ただし,カードは2種類あります。最初のカードは,1〜3の数字が書かれたトランプがあります。その中から1枚選択します。その時点で,どの位に数字を入れるか決めます。その後,運命の2回目のカード選択があります。2回目のカードは,0〜3の4種類の数字で構成されています。ここで引かれた数字を,1回目に引かれた数字とかけ算を行います。従って,0を選択すると,トランプで3を引いても得点は0になります。
ゲームを進めていき,「6.0□□.02□」になった時点で,「いい勝負」という声が聞こえてきました。この声の意味を読解していきます。
「まだここでは決まらない」
「もしグラウンドチームが一の位が6になったら,6.000対6.029になるかもしれない。そうなったらいい勝負になる」
まだ引かれていない位に数字を仮定で入れることで,よい勝負結果になりそうだという声が聞こえてきました。よき見方が生まれてきました。

その後,ゲームを続けていきます。グラウンドチームの一の位が3になりました。その瞬間「負けた」「勝った」の声が聞こえてきました。この声の意味を読解します。
「だって,一の位で勝負が決まる。一の位は6と3だから,廊下チームがもう勝ちだ」

小数の大小判断を決める位の目の付け所が生まれてきました。
その後もゲームを続けていきます。最終的には,6.021対3.02の結果となりました。両者の差は,3.001になることも子どもから生まれてきました。

算数授業第1時間目は25分ほどでしたが,ゲームを通して小数の数の構成を考えていくことができました。



 

2024年4月4日木曜日

新年度の教材研究にも使えるスタディーサプリ算数講座!

いよいよ新年度が始まります。「教材研究はどうやってやればいいですか?」という質問を受けることがあります。先ずは自校の教科書と他社の教科書を比較します。さらに,東洋館出版社が出している「板書シリーズ」も合わせて比較します。板書シリーズは全時間の授業が掲載されています。

ここまでの方法は文書を読んで教材研究を進めます。もっとお薦めなのが,授業ビデオを見て教材研究を行うことです。私が講師を務めるスタディーサプリ小学校算数基礎講座小学校4~6年生は,全単元の授業をビデオで公開しています。教室での算数授業をイメージして撮影を行っています。先生方から「授業構想作成の参考になる」という声を多数いただいています。スタディーサプリは子ども向けだけではなく,先生向けにも活用できます。是非,参考にされてください!

お申し込みは以下のアドレスからお願いします!

https://studysapuri.jp/course/elementary/

今年も開催!淡路楽しmath講座

 今年も淡路島で算数講座を開催します。

開催日 7月28日(日)

会場  洲本市民交流センター

昨年に引き続き,淡路島の子どもたちを集めた公開授業を行います。昨年は4学年ミックス授業でした。さて,今年はどうなりますやら…。

申し込み・お問い合わせは植松大輔先生までお願いします。     

Eメール daisukeuematu78@yahoo.co.jp





2024年3月28日木曜日

サプライズ福島訪問!

私の同志、福島の小松信哉先生をサプライズ訪問しました❗️百戦錬磨の小松先生も驚いてました。サプライズ大成功‼️
しばし今の算数教育の現状や課題を交流しました。どこにいても瞬時に算数の話題で盛り上がれるのが算数同志のいいところですね。
短い時間でしたが、ふかーい話で盛り上がりました❗️

2024年3月27日水曜日

田中先生とのジョイント講座終了!

 昨日,新装なった吹田市教育センターのこけら落としイベントとして,私の師匠・田中博史先生と私でジョイント講座を開催しました。朝から夕方までの丸1日の講座でしたが,熱心な先生方のおかげで楽しみながらあっという間に終わりました。

あと10日ほどで新年度がスタートします。今回の学びを,新年度のクラス作り・授業作りに生かしていただけたらと考えています!

2024年3月23日土曜日

今日は大阪で授業テラス対面講座!

 今日は,大阪市で授業テラス主催の対面講座に参加します。

授業テラスでは,これまでオンラインでの私の授業を配信した講座を開催してきました。今回は初の対面講座です。これまで画面越しでしか会えなかった先生方と,対面でお会いできることを楽しみにしています!

既に春休みの学校が多いのではないでしょうか。4月からの新年度スタートにふさわしい内容にしていきます。お楽しみに!

2024年3月20日水曜日

今週末は授業テラス対面講座!

 今週末の3月23日(土)は大阪市にあるエル大阪会場での授業テラス対面講座です。

当日は私の講座の他にも,大阪府内の先生方による1年生と3年生の模擬授業もあります。こちらも楽しみですね!

すでに定員は満たされているようですが,若干名なら追加募集できるようです。まだお申し込みでない方は,是非ご参加ください。お申し込みは以下からどうぞ!

https://peatix.com/event/3835145/view?k=9650b54e251f3e1a6d1584a0c1840c2de4d30baf



盛り上がりました!箕面の会

 先週末,大阪府箕面市の先生方との研修会に参加しました。50名を超える先生方が参加してくださいました。どの先生も熱心に耳を傾け,頭を使って考えてくださいました。やる気のある先生と一緒に研修すると,こちらもパアーがみなぎってきます!

さて,箕面の研修会はなんと「第1回」だったようです…。早速「第2回」の計画が動いています。次回は7月か8月になるうようです。箕面の先生方,次回は夏にお会いしましょう!

2024年3月16日土曜日

箕面の先生方との勉強会

 今日は午後から大阪府箕面市の先生方との勉強会です。学級経営と算数授業の作り方についての学習会です。会場はショッピングセンターの会議室です。最近は,ショッピングセンターに会議室があるんですねえ。びっくりです!

2024年3月15日金曜日

間と周りの関係

前回の続きです。正方形をつなげた形の周りの長さを考える問題を続きです。
「間の数が多いと周りが少なくて,間が少ないと周りが多いのは本当かな」
このように子どもたちに投げかけます。前回発見したきまりが一般化できるのかを検証していきます。多くの子どもは,一般化できると考えていました。一方,「それは怪しい」と考える子どももいました。
前回は正方形が4個つながった場合を考えました。間が3個の場合の周りは10本,4個の場合は8本でした。果たして正方形5個の場合はどうなるのでしょうか。

5個を実験します。結果は,間が4個の場合は周りが12本,間が5個の場合は周りが10本でした。前回のきまりがここでも当てはまりました。

続いて正方形6個を実験します。間が5本の場合は周りは14本,間が6本の場合は周りは12本,間が7本の場合は周りは10本という結果になりました。ここでも子どもたちが見つけたきまりは当てはまります。

すると今度は「なんで10本しかないか分かった」と声があがります。
「10本の真ん中の真四角は3つ隣とつながっている。真四角5個で周りが10本しかない真ん中の真四角も3つ隣とつながっている」
隣と接する辺の数が多い正方形の数が多いほど,できる周りの長さは少なくなるという発見です。基準となる正方形には4本の辺があります。これがつながっていく辺の数が多いほど周りの辺の本数は結果的に減っていきます。その発見が生まれてきました。大発見ですが,1年生なので「お隣3つシリーズが多いと周りの長さは少なくなる」と簡単な言葉に置き換えました。

それにしても演繹的に事象を捉える1年生にびっくりです!


 

2024年3月14日木曜日

形と関数的見方

 田中博史先生と盛山隆雄先生の共著「子どものためにきょうしができること」の本に,田中先生が4年生に実施した面積の授業が掲載されていました。その教材をアレンジして,1年生に授業をしてみました。

次のように投げかけます。

「真四角を6つつなげます。周りの長さが長いのは,どれかな?」

田中先生は正方形4つをつなげていましたが,私は6つの場合で試そうと考えました。ところが・・・。

問題文を提示すると同時に聞こえきたのが「同じだよ」という呟きです。そこで,この意味を読解するところからスタートします。

「真四角2個なら,周りは6本でしょ」

問題文は真四角6個ですが,例示として真四角2個の考えが生まれてきました。そこで,2個の場合の周りの場所を確認することにしました。周りの意味の共通認識が必要だからです。

2個の周りを確認すると,今度は次の声が聞こえてきました。

「1個なら周りは4本だね」

「あ!2個ずつ増える」

「1個は4本,2個は6本で2本増えてる。だから,真四角3個も2本増える」

「2ずつ増えるから,真四角3個は8本,4個は10本,5個は12本,6個は14本になる」

正方形2個,1個と例示が生まれてきたことで,子どもたちはそこに関数的な関係性を見出していきました。すると子どもたちの関心は,正方形が3個つながった形の周りの長さに向かいます。私が問題文で提示した正方形6個の場面は,この瞬間どこかに行ってしまいました・・・。

3個の場合を実験する前に聞こえてきたのが,「つなげ方で違うんじゃない」という声です。正方形1個・2個でできる形は1通りです。しかし,3個は1通りではありません。このイメージが子どもにもあるのでしょう。そこから生まれてきた声です。この声の誕生で,子どもたちも不安になります。

そこで,3個を実験します。ところが,つなげ方を変えても,周りの長さは8本でした。

「だったら,4個は10本だ」

この声が当然のように生まれてきます。今度は子どもは自信満々です。そこで,早速実験開始です。ところが,しばらくすると聞こえてきたのが,「あれ,8個ある」「10個できた」「12個もある」の声でした。そこで,できた図形を板書します。

完成したのは10本と8本の2種類です。子どもからは「なんで8本?」と疑問の声が聞こえてきます。10本は予想通りですが,8本は予想外の結果です。予想とのズレとの出合いです。

するとここで,「秘密が分かった」の声があがります。

「8本は間が4本ある。10本は間が3本しかない」

「間が多いと周りが少なくて,間が少ないと周りが多くなるんだよ」

正方形2個が接することでできるのが図形に内包された部分の線です。その数と外部の辺の数に関係性を見出したのです。この声に「本当だ!」「びっくり」と声があがります。しかし,この見方は一般化できるのでしょうか。ほとんどの子どもたちは,この関係性の発見に自信満々です。しかし,授業はここで時間切れでした。

私の当初に用意した問題場面に入ることはできませんでしたが,私がねらっていた見方・考え方は想定以上に引き出すことができました。賢いこどもたちです!

2024年3月8日金曜日

5枚・6枚なら・・・

前回の学習の続きです。子どもたちに次のように尋ねます。
「5枚の三角は4個しかできないのかな?」
前回の学習では,パターンブロック5枚で4つの形が作れることが確認できました。しかし,時間が十分になかったために,本当に4つしか形がないのかどうかは確認できませんでした。
そこで,パターンブロック5枚を使って,前時とは異なる図形作りに挑戦します。

「できました」の声が聞こえましたが,それは回転すると同じ形でした。回転する・裏返す動作で同じ形を見つけていくことが,1年生はまだまだ難しいことが分かります。だからこそ,実際に形を触って試行錯誤することに意味があるのです。
最終的に,三角5枚では4つの形ができることが分かりました。

すると,子どもたちが再び動き出します。
「6枚なら4つだ」
「1つ,1つ,3つ,4つ,3つが繰り返すんじゃないかな」
「6つかもしれないよ」
「(増え方が)+2,+1,+2を繰り返すんじゃないかな」
子どもたちは,対象範囲を6枚に拡張して考えを主張してきました。三角形でできる図形パターンに比例的なきまりはありません。しかし,子どもたちはそこになんとかきまりを見出そうとしています。この前向きな姿勢がいいですね。

実際はいくつの図形パターンができるのかを実験します。裏返しや回転で同じ図形を,別図形だと認識する姿がここでも見られました。一方,形が似ているために「くるりんぱしたら同じ形」と早々に判断した図形が,実は別の図形だったパターンもありました。

最終的には12種類の図形ができることが分かりました。三角5枚で4種類の場合よりも,一気に8種類も増えたことになります。子どもたちは,この結果を見て次のように声をあげます。
「普通はきまりがあるのに・・・」
「これはきまりがないねえ」
「すごくとんだよ」
「なんで8つもとぶんだろうね」

これまでの学習では,比例的なきまりを多く体験しています。それと比較した視点が生まれてきたのは,1年生でもびっくりの声でした。



 

2024年3月7日木曜日

「子どもが夢中で学ぶ尾﨑学級のひみつ」対面講座 満席&緊急増席!

 3月23日(土)に大阪市エル・大阪を会場に開催される対面講座「子どもが夢中で学ぶ尾﨑学級のひみつ」が満席になりました。お申し込みいただいた先生方,ありがとうございます。

現在,緊急増席中です。何名の追加が可能かは分かりませんが,参加をご希望の方はお早めのお申し込みをお願いします。以下のアドレスからお申し込み下さい。

先生方と愉しい新年度のスタートが切れる学びある会にしたいと考えています。

https://peatix.com/event/3835145/view?k=9650b54e251f3e1a6d1584a0c1840c2de4d30baf



三角の変化のきまり

子どもたちに次のように投げかけます。
「パターンブロックの三角(正三角形)で,どんな形ができるかな」
先ずは,2枚使った場合を考えます。すかさず「1つしかできない」と声が聞こえてきます。頭の中で,すでに図形を組み合わせているようです。さらに「くるりんぱシリーズがあるから1個しかない」という声も聞こえてきます。これまでの図形学習で学んだ回転・ずらすなどで合同になる形は同じとみなす視点が,ここで生まれてきました。既習が着実に蓄積していることを実感できました。
多くの子どもが「1つしかできない」と念頭操作で自信を持ち始めたとき,「3枚になると,できる数が増える」と対象を拡張した場面を想定した声も生まれてきました。
先ずは,2枚の場合を実験します。2枚は,子どもたちの予想通り1つしか図形はできませんでした。
次に,子どもたちが数が増えると予想して3枚の組み合わせを考えます。すると,次の声が聞こえてきました。
「3枚は2個できるよ」
「1個ずつ増えるんだよ」
「2枚で1個,3枚で2個,4枚で3個になるんだよ」
「12月11日に同じ図があるよ」
「2枚で3つ,3枚で4つ,4枚で5つの図と同じ」
「12月は細長三角。今日はきれいな三角。形が違うから数も違うんだよ」
12月は二等辺三角形を組み合わせる学習を行い,そこに関数的なきまりを見出す学習を行いました。その学習と,本時の問題場面が似ているという指摘です。しかし,そこでできる形の総数は異なります。その原因を,使用する三角形の種類にあると子どもたちは考えたのです。子どもたちの手で,学びを深めていることが分かります。鋭い指摘です。

多くの子どもは,3枚なら2個できると予想しました。では,本当は何個できるのでしょうか。早速,3枚の正三角形で実験を行います。
結果は1つしかできませんでした。多くの子どもたちの予想とは異なる結果となりました。すると,この結果を見た子どもから,次の声があがります。
「だったら,全部1つかもしれない」
「えー,4枚なら2個はできるよ」
「全部1つ」の声は,それまでの2つの結果から導き出されたものです。

三角4枚の場合は,一体何個できるのでしょうか。実験を行います。
結果は3個になりました。すると,今度は次の声が生まれてきます。
「1・2枚が同じだったから,3・4枚も同じじゃないかな」
三角の数が2枚増える毎に,できる形の種類数が変化するのではないかという声です。この予想通りだとすれば,5枚なら3個できることになります。しかし,この予想には半数ほどの子どもが,疑問を抱いていました。
早速実験です。しばらくすると「3個できた」「4個できた」「5個できた」という声が聞こえてきました。できた形をホワイトボードに作らせていきます。最初の4個までは順調でした。しかし,その後作成された図形に対しては,「裏返したら同じだよ」「くるりんぱシリーズだよ」と声があがりました。この時間で見つかった三角5枚の場合は,4個はできました。4枚と同じ数にはならなことが,この時点ではっきりとしました。
この日はここで時間切れとなりました。子どもからは「まだあります」「もうないです」と,両方の声が聞こえてきました。果たして,5枚は何個できるのでしょうか。
既習の関数的な考え方を関連付けながら,学びを深めた1時間となりました。


 

2024年3月5日火曜日

三角ブロックでシルエットクイズ作り!

シルエットクイズ作りに挑戦しました。パターンブロックを使います。様々な形がある中で,正三角形のブロックを12個使います。この12個を辺同士がぴたっと重なるようにしてつなげていきます。
以前も,三角形をつなげる問題に取り組みましたが,その際は直角二等辺三角形でした。今回は正三角形を使用しました。形が異なると,出来上がる図形にも変化がうまれてくるからです。
子どもたちは,「ロケットができた」「カタツムリができた」「猫ができた」などと言いながら,様々な個性溢れる形を作っていきました。

完成した図形は,写真で撮影します。その写真の図形の輪郭部をペンや指でなぞります。最後に,輪郭以外の部分を削除します。これでシルエットクイズが完成します。

授業では,友だちのシルエットクイズ画面の上に,パターンブロックを置いて,元の状態に戻す学習に取り組みました。「難しい!」と思っていた問題に対しても,あっという間に「できました」という声が聞こえてきました。

シルエットからその内部を構成する三角形の組み合わせ方を考えていくことは,この時期の子どもたちに育てたい大切な図形感覚です。「できました」の声は,その感覚が育っていることを意味しているのかもしれませんね。



 

2024年3月4日月曜日

授業テラス「算数授業公開&解説セミナー」満員御礼&増員のご案内 

 3月9日(土)に授業テラス・オンライン講座で開催される私のクラス(1年生)の「算数授業公開&解説セミナー」がおかげさまで満員御礼となりました。お申し込みいただいた先生方,ありがとうございます。

定員は満員となりましたが,現在増員しているようです。まだお申し込みでない方は,以下からお申し込みください。

https://ozakisansuu0309.peatix.com/



ごちゃごちゃする・・・

 子どもたちに,次の問題を提示します。

「りんごとイチゴとキウイがあります。りんごはイチゴより3個多い8個です。キウイはイチゴより4個少ない1個です。イチゴは何個ですか。」

この問題文を書いている途中から,様々な声が聞こえてきました。

「ごちゃごちゃする・・・」

「『おおい』と『すくない』だ」

「2つやり方がある?」

「?????」

3種類の果物が登場し,しかも問題文も長文です。多くの子どもたちの頭には「?」マークが浮かんでいました。

そんな混乱の中で聞こえてきたのが「イチゴは真ん中の数だ」という声です。そこで,この声の意味を読解していきます。

「問題に『りんごはイチゴより3個多い8個』と書いてあるから,りんごが一番多い」

「問題に『キウイはイチゴより4個少ない1個」と書いてあるから,キウイが一番少ない」

「だから,イチゴはりんごとキウイの間の数」

問題文を少しずつ分解することで,3種類の果物の数の大小関係が見えてきました。この関係性が見えてくると,果物相互の数の関係も見えてきます。

「りんごは8個でしょ」

「2月26日は『多い』でひきざんだったから,今日は『多い」だからひきざん」

「たしざんすると,イチゴの数がりんごより多くなるからひきざん」

「『より』と問題にあるからひきざんだよ」

「りんごはイチゴより多いんだからひきざんだ」

問題文中の「より」に着目することで,イチゴはりんごよりも3個少ないという関係が見えました。ここが分かると,式も見えてきます。

すると今度は「キウイからもできる」と声があがります。これが授業冒頭の「2つやり方がある」につながる考えです。

「キウイは1個でしょ」

「キウイはイチゴより4個少ないんだから,1個より4個多い」

「だから,1+4で5個」

キウイを基準にしてもイチゴの数を求めることができることが分かりました。

その後,図でもイチゴの数を確認していきます。

問題場面に登場する対象を意図的に増やすとともに,その関係性も複雑にした問題を提示しました。情報を少しずつ読解・共有していくことで,問題場面を解決していくことができました。


2024年2月29日木曜日

「少ない」なのに「たしざん」?

 子どもたちに、次の問題を提示します。

「イチゴが何個かあります。キウイはイチゴより2個少ない10個です。イチゴは何個ありますか」

問題文を板書している途中で聞こえてきたのは,「『すくない』はできない」「前は「5個多い」だった」「『多い』と『少ない」だから反対になっている」の声です。前回の問題と比較して,その違いを鋭く指摘してきました。

「『すくない』からできない」という声が聞こえてきたので,「この問題はできないね」と子どもたちに投げ返します。すると今度は,次の声が聞こえてきます。

「図を描いたら分かるよ」

「図を描けば,次に式も分かるよ」

そこで,ノートに自分がイメージする図を描かせます。ホワイトボードには,キウイが10個ある図だけを板書させます。1年生にとって,多くの情報を一度に読解するのはハードルが高いからです。

先ずは,丸10個の図が,キウイの数であることを確認します。その後,「次はどうしたらいいのかな」と尋ねます。すると,「2個少ないから」と言いながら,キウイの7個目と8個目の間に線を引きました。「少ない」のですから,2個少ない位置に線を引いたのです。ところが,この行動に対して「そうじゃない」という声があがります。

「少なくしたらダメだよ」

「2月26日は『多い』でひきざんだった。だから今日は,『少ない』でたしざんだよ」

前回の学習から導き出された考えです。一見もっともそうですが・・・。何人かの子どもは,首をひねっています。「少ない」=「たしざん」の論理構成が理解できないからです。

子どもたちの説明が続きます。

「イチゴより2個少ない10個だからたしざんだよ」

「???」

「10+2で12個だよ」

「???」

「2個少なくて10個がキウイでしょ。だから,10個に2個たしたら元にもどるんだよ」

「!!!」

最後の説明で,首をひねっていた子どもたちの顔が笑顔に変わっていきました。しかし,すぐにではありません。この場面はゆっくりと展開しました。1年生の理解には時間がかかります。

今回の問題は,「少ない」と書いてあるにもかかわらず「たしざん」でした。そこで,この逆である「少ない」で「ひきざん」の問題文を考えさせました。

「イチゴが3個あります。1個食べたら少なくなりました。残りは何個でしょう」

この問題文なら,「3−1」のひきざんになります。

「少ない」なのに「ひきざん」「たしざん」,「多い」なのに「たしざん」「ひきざん」の両方の式が導きされることがあることが分かりました。子どもからは,「だから図で確かめたらいいんだ」と声があがります。これこそまさに,本時で培いたい見方です。問題文のキーワードだけで,単純に立式を行うのではなく,問題場面を読解し図に表現していくことが算数学習の第一歩であることに,子どもたちは気付いていきました。


2024年2月27日火曜日

子どもたち大混乱!

 子どもたちに「りんごが何個かあります。みかんはりんごより5個多い8個です。りんごは何個ありますか」と問題を提示します。この問題を見た子どもから,次の声が聞こえてきます。

「前は『りんごが3個あります』だった。でも今日は,何個か分からない」

「分からないからできないんじゃないかな」

「今までの問題と違うよ」

「図をかけば分かるよ」

「『多いが8個』ってなに?」

問題文に未知の部分があるため,子どもたちの頭には?マークが浮かんでいます。

ここまでの段階で,自分の考えをノートのまとめさせました。式を描く子ども,図を描く子どもがいました。ほとんどの子どもたちは,「3個」「8−5」と描いていました。一方,「8+5」の式も見られました。

そこで,「8+5」の式の意味を読解します。

「『おおい』と問題にあるからたしざんにした」

「前に『みかんはりんごより5個多い』と『多い」でも引き算があったから,引き算もある」

「『鳩が9羽,雀が16羽,どちらが何羽多いですか』の問題では,『おおい』ってあるけどひきざんだったよ。だからたしざんとは言えない」

一部の子どもたちの頭が,混乱状態になってきました。「どっちなの?」という「?」が頭に充満しています。この後も,「ひきざんだ」と考える子どもの説明が続きます。

「りんごから見たら,5個少ない。みかんから見たら,5個多い」

視点を変える説明でしたが,かえって「?」が増えてしまいました。ここで生まれてたのが「図を描いたらいいんじゃない」の声でした。

そこで,図で問題場面を確認します。その結果,多いのはみかんの数。りんごは,みかんよりも5個少なくなっているという図の構造が見えてきました。図が見えると,式も見えてきます。「りんごは,みかんより5個少ない」図のなので,式は「8−5」と確定します。

混乱の中から,図の有用性を実感できた時間となりました。


2024年2月22日木曜日

コピー用紙100枚の厚さは?

子どもたちに,次のように投げかけます。
「コピー用紙100枚の厚さは,何ますくらいの厚さかな?」
問題場面がイメージできる子,そうではない子に分かれました。そこで,問題文の意味を共有していきます。
「もし国語辞典なら,ノートに載せて何ますあるか調べるってことだよ」
「もし」という例示の考え方を使うことで,問題文のイメージが子どもたちに一気に伝わりました。

すると今度は,副教材の算数の力の頁を開いている子どもの姿が目に入りました。そこで,この姿の意味を全員で読解します。
「算数の力が何頁あるのかを調べている」
「51頁あった。だから2冊だとだいたい100頁。2冊合わせたのと,同じくらいの厚さになるんじゃない」

コピー用紙が目の前にはないので,それに代えて算数の力を活用しようと考えたのです。置き換えの考え方です。この考え方も,素晴らしいですね。
ここで,コピー用紙100枚の厚さを予想させました。子どもたちは,算数の力や国語辞典,アイテムなどを使って100枚の厚さを予想していきました。
算数の力を基準にした子どもは,1ますの半分と予想しました。アイテムを基準にした子どもは,1ますと予想しました。この違いの原因は,2つの副教材の紙の厚さの違いです。

ここで,授業の冒頭で聞こえてきた「コピー用紙1枚の厚さが分かったらいいのに」という声を紹介します。すると「コピー用紙1枚が分かれば,100枚の厚さも分かる」と声があがります。ここまでの場面では,子どもたちはコピー用紙を手にしていません。そこで,1人1枚のコピー用紙を子どもたちに配ります。
コピー用紙1枚を手にした子どもたちは,どんな行動をとるでしょうか。多くの子どもたちは,コピー用紙1枚と算数の力や国語辞典の紙1枚の厚さを比べ始めました。まだ長さを知らない1年生らしい行動です。

子どもたちの調査の結果,コピー用紙1枚の厚さは国語辞典・算数の力1枚と同じであることが分かりました,この結果から,子どもたちは次のように考えます。
「算数の力は51ページだから,2冊の厚さと同じ」
そこで,算数の力2冊を重ねて,ノートのマス目の上に置いてみます。結果は,ノート1ますの半分の大きさであることが分かりました。これが子どもたちの予想になります。

その後,4人1チームでコピー用紙100枚を数えます。この数え方もチームによって様々でした。1年生は本当におもしろい!

100枚数えたところで,紙をノートのマス目に当ててみます。結果は,多くのチームがノート1ます分でした。予想の約2倍でした。この原因に気付くのは,1年生にはハードルが高いようでしたが,気付いた子どもたちもいました。
「算数の力は,1ページの後ろが2ページ」
「だから,算数の力4個分で100枚になるんだ」

基準量の意識や置き換え・例示の考え方などが次々と発揮されたコピー用紙100枚の厚さ調べの学習となりました。


 

田中博史先生とのジョイント講座開催!

 3月26日(火)大阪府吹田市で,私の師匠・田中博史先生とのジョイント講座を開催します。こちらは吹田市の先生方対象の講座です。

今回は,なんと国語の模擬授業もしてみようかなと考えています。実は私,国語の授業も得意なんです。なんったて,かつての国語と算数のジョイント研究会・基幹学力研究大会では,国語の先生をぶった切った?!経験がありますので・・・。

吹田の先生方,お楽しみに!




2024年2月19日月曜日

1〜100を見つけよう!

 子どもたちに「1〜100の数を見つけよう」と投げかけます。数表をノートに書かせたあと,それに当てはまる数を教室から探させました。

「1年生の1」

「2組の2」

「時間割の数字1〜6」

「今日の日にちは19日」

「カレンダーは1〜31日」

「算数ノートは17ます」

これらの声から見つかった数字を,赤で囲んでいきます。しばらくすると,次の声が聞こえてきました。

「算数の力は1〜48ページ」

「それならアイテムは1〜120ページ」

アイテムに書かれているページ数の発見で,一気に1〜100までの数字が見つかりました。想定以上の早さにびっくりでした!



2024年2月18日日曜日

オナジン発見!

 子どもたちに次のように投げかけます。

「折り紙が50枚あります。20枚」

問題文をここで止めます。これを見た子どもから,次々と声があがります。

「問題作りだ!」

「このあとも続くから,『。』がないんだ」

「これって,2月9日の『25枚あります』の問題と似ている」

今回の問題場面と,2月9日の問題場面が似ていることをノートを検索していくことで,子どもたちは見つけてきました。

その後,続きの問題文とそれに当てはまる式と答えをノートに書かせます。それらの中のいくつかを,板書させました。

板書した問題文を,全員で考えて式化していきます。いくつかの問題を解き終えた時です。子どもから次の声があがってきました。

「50+20+100+11と50+20は最初の式が同じだ」

「オナジンだ」

「50+20ー10と50+20も最初が同じだから,オナジンだ」

算数の学習では共通点に気付くことは大切な数学的な見方・考え方の一つです。「オナジン」というキーワードを使いながら,子どもたちは共通点を進んで見つけていくことができました。

本問題は「板書シリーズ1年下」(東洋館出版社)を参照しています。また「オナジンン」は,私が編集している学校図書の算数教科書に登場する数学的な見方・考え方を象徴するキャラクターです。


2024年2月15日木曜日

見方・考え方はつながる!

 今日は,本校高等部の卒業式でした。初等部3~6年生時代を担任した子どもたちが,卒業していきました。卒業式の答辞では,初等部出身の教え子が会場全体を涙に包む感動の言葉をドラマチックに語ってくれました。すごすぎでした。

放課後,卒業生の多くの子が初等部を訪ねてくれました。多くの子どもたちが語ってくれたのは,次のことでした。

「尾﨑先生の算数のおかげで数学が今でも得意です」

「初等部の時に,『基準が』『4ます関係表が』と言うと,すばらCマークがもらえたよねえ(笑)」

「俺は先生のすばらCマークを4回もらった」

「超すばらCマークは1回だけだった」

 算数授業談義が次々と生まれてきました。算数の見方・考え方の基本となる「基準」「4ます関係表」(→つまり比例関係)などが現在も彼らの頭にしっかりと学習の痕跡として残っていることにうれしくなりました。また,私が見方・考え方を活用した際の価値付けとして使った「すばらCマーク」をもらった個数を具体的に彼らが覚えていたことにも感動しました。

その後は,彼らが手にした卒業アルバムに「超すばらCマーク」を次々とサインするサイン会の時間となりました。それを大喜びする子どもたちの姿は,初等部時代と変わらずかわいかったですねえ。皆さん大学生活も楽しんでくださいね!

反対シリーズを探る

前回の授業で,12個のりんごを人で分ける問題に取り組みました。そのときに生まれてきたのが,「反対になる」組み合わせがあるという発見でした。「2人に6個」ずつ分けるパターンと,「6人の2個」ずつ分けるパターンの数字の組み合わせが反対になっているという発見です。

この気付きを,本時でさらに膨らませてみることにしました。子どもたちに「りんごの数が変わっても,反対シリーズはあるのかな」と投げかけます。子どもからは,次の声が聞こえてきました。

「反対がないのもある」

「どんな数でもいいんじゃない」

「15個は無理かなあ・・・」

「16はできるかなあ・・・」

「16はできないよ」

これらのやりとりの中で,「15」はできないという声が多くを占めました。すると,「15ができない理由が分かった」と声があがります。

「だって,昨日は5人では分けられなかった。だから15も5がつくからできないんだよ」

「一の位に5がつくとできないんだよ」

前日の学習で,12個のりんごを5人で分ける実験を行いました。この場合は,うまく分けられませんでした。この結果を基にして,15個は分けられないとその根拠を考えたのです。1年生にしては,目を見張る論理構成です。この考え方の登場で,多くの子どもは15個に反対シリーズはできないと考え始めました。

そこで,15個のリンゴを3人で分ける場合を実験します。結果は,1人に5個ずつ配れることが分かります。すると,またまた素敵な声が聞こえてきました。

「反対があるなら,5人で3個になるはずだ」

反対シリーズの存在を確かめるためには,この仮定の考え方なら一気に実験ができます。そこで,5人で分ける場合を実験します。結果は,1人に3個ずつ分けられました。つまり,15個のりんごでも,反対シリーズは存在することが確かめられました。

この結果を見た子どもたちから,今度は次の声が挙がります。

「でも,16個は無理だよ。1人増えるから,うまく分けられないんじゃないかな」

「そうかなあ,できるよ」

りんごの個数を拡張した声が生まれてきました。子どもの予想は,半信半疑です。そこで,2人で分ける場合を実験します。結果は,2人では8個ずつ配れることが分かります。すると,「だったら,反対は8人で2個になる」と声があがります。そこで,8人で分ける場合を考えます。結果は,8人では1人分が2個ずつ配れることが見えてきました。つまり,16個のりんごの場合にも反対シリーズができることが見えてきました。

このあと,次の声が聞こえてきました。

「20までなら,全部反対シリーズはできるんじゃないかな」

「そうかなあ。7はできないんじゃないかな」

場面をどんどん拡張していく声です。反対シリーズの存在を確かめるという目的意識を持たせることで,子どもたちの追求は続いていきました。


 

2024年2月14日水曜日

反対になってる!

 子どもたちに,次のように投げかけます。

「りんごが12個あります。人で同じ数ずつ分けます。1人何個もらえますか?」

子どもからは「3個」という声も聞こえてきますが,「が分からないとできない」との声が続きます。

そこで,の数が2の場合を考えることにしました。子どもからは,「図を描けば分かる」と声が挙がります。そこで,図で確かめることにします。

答えの個数が6個と見えている子は,一気に1人分の6個を丸く囲みます。しかし,これは答えが見えているからできることです。2人の子どもが,それとは異なる分け方をしていました。そこで,その図を少しだけ提示します。12個の丸の両端の1個ずつを赤と青の丸で囲みます。それを見た子どもから,「そういうことか」と声が聞こえてきます。2人の気持ちが見えてきた子どもたちが説明します。

「1個ずつまず配るんだよ」

「そして,また1個ずつ配るんだよ」

この配り方で,残りの図を完成させます。すると1人分が6個になることが分かります。ところが,「それだと時間がかかる」「面倒」という声が聞こえてきます。一気に6個を図で囲んでいた子どもたちです。そこで,「なぜ,時間がかかる方法で図を描いたのかなあ。気持ちは分かる?」と尋ねてみます。

「一気にやるとわかなくなるから」

「一気に配ると,最初7個配って,次に5個配るかもしれないから」

「1個ずつ配ると間違えない」

「トランプも同じだ」

1人分の個数が見えていないときには,トランプ配りと同じように1個ずつ先ずは配っていく方法が妥当であることが見えてきました。

そこで,この方法で3人の場合を実験します。子どもからは,「1人増えたから,もらえる数が減りそう」と声があがります。よい予想の声です。早速,図で実験を行います。結果は4個もらえることが分かりました。

続いて,同様に4人を実験します。1人分は3個になります。6人の場合は,1人分は2個なりました。

するとここで,新たな発見の声が生まれてきます。

「反対になってる。今の6人は2個でしょ。最初のは2人で6個だから,数が反対になっている」

「それなら,3人で4個と,4人で3個も反対になっている」

かけ算の交換法則につながる見方が生まれてきました。わり算の見方の素地を培うことを目的として授業でしたが,情報の交換法則の見方も生まれてきた1時間でした。


2024年2月9日金曜日

問題作り!

 子どもたちに次の問題を提示します。

「おりがみが25枚あります。3枚」

ここで問題を書き終えます。子どもから,次の声があがります。

「3枚をどうするの?」

「例えば,3枚使った。残りは何枚ですかとなっていないとできないよ」

問題に不備があることを指摘することができました。中でも,「例えば」という例示の言葉を使って,その後の問題文を説明できたことはすばらしいですね。

そこで,「3まい」からあとの部分は,子どもたちに考えさせることにしました。

ノートに問題文の続きと式・答えを書かせます。それができた子どもの代表に,板書してもらいました。板書された問題を,授業後半は全員で取り組む問題としていきました。計算内容自体は2年生で学習するものもありますが,立式だけならできます。

立式後の計算の仕方は,じっくりと時間をかけて進めました。

本実践は,東洋館出版社「板書シリーズ1年下」を参照しています。


2024年2月6日火曜日

□の数はなにかな?

子どもたちに,次のように投げかけます。
の中に1〜9の数が1つずつ隠れています。どこになにの数が隠れていますか。」
白い9枚の紙を貼ります。その裏に隠れた数を考える問題です。
多くの子どもたちは,そこに順序性があると考えました。
「上から順に1,2,3・・・8,9となっている」
「縦に1,2,3・・・8,9となっているかもしれないよ」
数字の並びはランダムではなく,順序性があると子どもたちは考えたいようでした。そこで,真ん中を数を確認します。子どもたちの順序性の考えが正しければ「5」になります。

白を裏返します。書かれていたのは「5」です。子どもたちは,順序性に自信満々になっています。そこで,5の左下を確認します。横の並びなら「7」,縦の並びなら「3」になります。実際は「4」が書かれていました。先ほどまでの順序性は当てはまりません。しかし,子どもたちは新たな順序性を見出します。
「斜めに4,5,6となっているんだよ」
右上がりの斜め線上に4,5,6が並ぶと考えました。そこで,5の右上を確認します。結果は「6」となり,斜めの順序性がありそうです。すると,新たなきまりを見出す声が聞こえてきます。
「4,5,6と1飛びになっている」
「でも,それってたまたまかも」

1ずつ数が増えるというきまりを見出してきました。しかし,それは偶然ではないのかという一般化を疑う声も聞こえてきました。
この声から,次に確認したい場所を訪ねます。当然ですが,左上がりの斜めを見たくなります。その場所は「2」「8」があることが分かります。

すると,また新たなきまりを見出してきます。
「3飛びになっている」
「右斜めは4+6+5で10。左斜めも8+2+5で15になっている」
「だったら,縦も6+2だから7が入って15になる」
「横も15になるんじゃないかな」
斜めの線上の数字の合計数を比較する考えた生まれてきました。そこから,線の向きを縦方向・横方向へと拡張する考え方へと発展していきました。
さて,子どもたちの発想は正しいのでしょうか。その他の数を確認します。結果は,いずれの線上の合計数も15となりました。
この結果に子どもたちも大興奮となりました。魔方陣の中にきまりを見出した1時間となりました。

本素材は,「アイテム算数1年生」を参照しています。



2024年2月5日月曜日

連続講座最終回!

 本日の午後は,大阪府内のある市で行っている連続5回講座の最終回です。同じメンバーで5回連続の算数講座を開催してきました。その中の2回は,私の公開授業でした。今日は私の講座のメンバーの代表授業を全員で斬り合い?ます。この代表授業も代表授業者を決める選手権を行い,先生方の投票で第一位に選ばれた方が行います。「厳しい!」と思われるかもしれませんが,一般企業ではこれが当たり前です。社員の提案に価値がなければ採用されませんからねえ。

対面講座「子どもが夢中で学ぶ尾﨑学級のひみつ~算数で主体的な学習集団をつくるには~」申し込みスタート

 3月23日(土)13時30分~,大阪市のエル大阪で開催される対面講座子どもが夢中で学ぶ尾﨑学級のひみつ~算数で主体的な学習集団をつくるには~」の申し込みが始まりました。

学級経営と算数の両方を語っていきます。先日の本校の研究発表会では,私と1年生の子どもたちとの関係性に大いに刺激を受けられた方が多くいらっしゃいました。昨年度は6年生担任,そして今年度は1年生担任をしています。入口と出口を担任することで新たに見える景色があります。この点についても語っていきたいなあと考えています。

定員はなんと30名限定です。すでに半数近くが埋まっています。ご興味のある方は,以下のアドレスよりお申し込み下さい。

https://peatix.com/event/3835145/view?k=9650b54e251f3e1a6d1584a0c1840c2de4d30baf



2024年2月3日土曜日

どうぶつの赤ちゃんプラス+で国語と算数の合体!

 国語×算数の授業公開が終わりました。子どもたちに,次のように投げかけます。

「人間の赤ちゃんは,ライオンとしまうまの赤ちゃんのどちらに近いですか。」

最初の判断は,全員がライオンでした。ここは私の想定とは異なりましが,理由を子どもたちが説明していきます。

「しまうまは『目もあいて耳も立っている』けど,人間は目は見えないし耳も聞こえないからライオンに近い」

「ライオンは『目や耳は閉じたまま』と書いてあるから,人と同じ」

「『よわよわしくて』と書いてある。人も弱いからライオンに近い」

「ライオンは『歩くことはできません』と書いてあるけど,しまうまは『三十分もたたないうちに立ち上がる』と書いてある。人間はお母さんに抱っこされないとだめだから,ライオンに近い」

「ライオンは『おちちは2か月くらい』と書いてある。しまうまは「7日くらい」と書いてあるから,人間はライオンに近い」

「でも,しまうまはおちちも草も7日目から食べる。人間もお乳を飲んだ後でお粥を食べることがあるから,しまうまに近いかも」

子どもたちは,教材文を根拠にライオンとしまうまのどちらに近いのかを考えてきました。この時点では,しまうまに近いと考える子どもたちが3人いました。最初とは異なる様相となりました。考えのズレがここで顕在化しました。

そこで,私から別の資料を提示します。それぞれの生き物の寿命のグラフです。ライオンとしまうまの寿命は20年を仮定したグラフを提示します。グラフの左端には赤い部分があります。これは赤ちゃん時代です。これを見た子どもから,「しまうまの赤ちゃん時代はちょっとしかない」と,ライオンと比較した見方が生まれてきました。よき気付きです。

次に,寿命を80年と仮定した人間のグラフを提示します。当然ですが,先ほどよりも長いグラフになります。しばらくすると,4本指を挙げる子どもの姿が見えました。そこで,この気持ちを読解します。

「人間のテープの中に,ライオンが4つ分入る」

4倍の関係を見出したのです。そこで,ライオンのテープを合計4本並べてみます。すると,確かに4倍になっていることが分かります。ここで,子どもたちから次の声が挙がってきます。

「赤ちゃんがバラバラになっていて変だよ」

「赤ちゃんが多すぎるよ」

「だったら赤ちゃんを切って集めたらいいよ」

提示したライオンの4本のテープには,いずれも左端に赤い部分があります。子どもたちはそこに違和感を抱いたのです。その解決策として,4つの赤を切り離して集めたらいいと考えたのです。

そこで,赤を切り離して左端に集めます。すると,赤の長さは伸びて人間の赤の長さに近づきました。4つの赤を集めたテープを見た子どもから,素敵な声があがります。

「人とライオンの赤ちゃんは同じだ」

国語的にも算数的にも,人間の赤ちゃんはライオンの赤ちゃんに近いことが見えた研究会の1時間でした。



2024年2月2日金曜日

明日は国語×算数の公開授業

 明日は本校の研究発表会です。私は国語×算数の公開授業を行います。説明文「どうぶつの赤ちゃん」を発展させていきます。

北は北海道から南は熊本まで,総勢120名を超える先生方にご参加いただけるようです。元気な子どもたちの活躍にご期待下さい!


縦に見ると・・・

子どもたちに次にように投げかけます。
の位がの数は,1〜100の中に何個ありますか。」
この問題文を見た子どもから,次の声があがります。
「□がなにか分からないと,問題はできません」
「最初のは一か十だね」
「あとのは0〜9だね」
 条件不足の問題であることを,子どもたちが指摘してきます。そこで,最初のには「一」を,あとのには「9」を入れることにしました。
「一の位が9になる数」を考えます。子どもからは「9個ある」「10個ある」と2つの声が聞こえてきました。考えにズレが生まれました。果たして,どちらが正しいのでしょうか。
子どもたちが過去のノートを検索し始めました。
「1月15日を見たら分かるよ。」
そこには,1〜100までの数表が書かれていました。そこを見たら一目瞭然だという考えです。既習とつなげるよき見方が生まれてきました。
そこで,「一の位が9」になる数をノートに書かせました。発表場面では「順番に言った方が分かりやすい」と声があがります。
「9,19,29,39・・・99」
このように数の小さい順に一の位が9の数を見つけることができました。結果は10個の数があることが分かりました。
次に,「一の位が8」の場合を考えます。子どもからは「9個」「10個」と2つの考えが生まれてきます。
そこで,「9個」と考えた気持ちを読解させます。
「一の位が9のときは10個だから1増えた。だから,一の位が8のときも1増えて9個になると考えた」
関数的な関係性を見出した説明です。納得できる論理構成です。ところが,「ちがう」という声が聞こえてきます。
「数には列がある。8を縦に見ると,8,18,28・・・と続くから10個ある」
「一の位が9の時も,縦に見たら9,19,29・・・と10個あったから,8も同じように10個ある」
「それなら一の位が7も縦に見たら10個になる」
「だったら一の位がなんでも10個できるね」
「横に見たら,十の位が8も10個になる」

1月15日の学習を想起することで,数表の中の数の位置づけの特殊性も見えてきた1時間となりました。


 

5とびすごろくで遊びました

 子どもたちが作成した「5とびすごろく」で遊びました。ルールは板書の通りですが,子どもたちは遊びながら,5とびの数え方や0〜120までの数の順序性や大小,5の倍数の加減計算などを練習していることになります。楽しみながら知らず知らずの内に,数の感覚を磨くことも大切ですね。



2024年1月30日火曜日

5とびすごろくを作ろう!

 子どもたちに,「5とびすごろくを作ろう」と投げかけます。既に100を超える数の学習は終わっています。そんな子どもたちに,0からスタートして120がゴールになる5とびのすごろく作りに取り組ませました。

5,10,15,20,25・・・の5とびの数の感覚や,5ずつ数が大きくなるに従って数値がどのように変化していくのかを実感させる目的があります。

数字には「やったね10すすむ」「ざんねん5もどる」などの,5を単位としたジャンプメッセージを追加することも可能としました。これにより,子どもたちは喜びながらすごろくを作成していました。ジャンプメッセージは単に指示を書くだけでなく,それに相応しい「弟におもちゃをあげた」「先生怒られた」などの文脈が併記されていました。子どもらしいすごろくができました。

この日は,すごろく作りで時間切れとなりました。次回は,これを使って遊びます!



2024年1月29日月曜日

学級経営&算数講座 対面開催!

3月23日(土)13時15分〜17時の時間帯で,学級経営&算数の講座を開催します。
会場は大阪市のエル大阪です。
主催は授業テラスです。30人の限定講座です。

私の講座の他に,授業テラスメンバーの模擬授業も開催されます。こちらも楽しみですねえ。

 申し込みは開始は2月上旬を予定しています。ご興味のある方は,日程を開けておいて下さいね!








2024年1月28日日曜日

算数授業公開セミナー申し込み開始

お待たせしました。授業テラス主催の我がクラスの授業を公開するオンラインセミナーの申し込みが、本日9時から始まります。
申し込みは以下のアドレスからお願いします。申し込み

2024年1月26日金曜日

ひくひくがひくたす?

1年生の復習を行いました。その中で,「15−8−7」の問題を提示しました。前から順に計算することで,0という答えを導き出すことができます。
一方,「8+7をして15で,15−15をすれば簡単」という声が聞こえてきました。確かにこの方法なら計算は簡単にできます。ところが,「なんでたすの?」「わけワカメ〜」と声があがります。式表記は「8−7」の引き算なのに,なぜ「8+7」とたしざんに変換するのでしょうか。先の声は,1年生の素直な疑問です。

この疑問を乗り越えることは,1年生にはハードルが高すぎました。簡単に計算できる理由は説明できましたが,たしざんに変換する理由は生まれませんでした。

そこで,「この式をお話にしたら,どんなお話ができるかな?」と投げかけます。抽象の世界を具体の世界に置き換えることにしたのです。
「みかんが15個ありました。次に日に8個食べました。その次の日に7個食べました。残りは何個ですか。」
問題文が完成しました。ここから生まれる式は,先ほどと同じ「15−8−7」です。「お話を見て,8+7になる理由が見えるかな?」と投げかけます。しばらくすると,子どもたちが動き出します。
「食べた数が15個だ」
「次の日が8個でその次の日が7個だから,食べたのは15個」
「最初のみかんの数から,食べた15個をひくんだ」
問題文を通して,ひきざんがたしざんに置き換えられる理由を説明していくことができました。

私の経験では,同じ場面を4年生に提示すると,具体的な問題事例が子どもから生まれてきます。こちらの事例は,この夏?発刊予定の「きまり本」(明治図書)に詳細が掲載されます。

1年生の場合は,問題場面に置き換えることを教師側から提案することで,乗り越えられそうだということが見えてきました。


 

2024年1月25日木曜日

アップ・ダウンゲーム

 「アップ・ダウンじゃんけんゲームをしよう」

子どもたちに投げかけます。クラスを2チームに分けます。代表が前に出て,じゃんけんを行います。パーだと10点,チョキだと5点,グーだと1点が増えるか減るかします。

1回戦はアップゲームです。両チーム20点からスタートします。じゃんけんで勝ったチームの得点がアップしていきます。ゲームの途中で両チームの得点が,30対31になる場面がありました。ここで自然に子どもから声があがります。

「1点差になった」

「十の位は同じだから,一の位で比べたらいい」

「一の位は,1と0だから1点差だ」

得点差を比べることは,自然に引き算練習をしていることになります。ここでの声は,引き算の計算の仕方を説明していることにもつながります。

2回戦はダウンゲームです。両チーム100点からスタートします。じゃんけんで勝ったチームの得点がダウンしていきます。ゲームの途中で,95点から10点減る場面がありました。すぐに「85点」と声があがりました。そこで,計算の速さの理由を尋ねます。

「5と0がないと思って,9から1を引いて8」

「十の位の90から10を引いて80」

「一の位はそのまま5」

「5−0をして5だから,90と5で95」

2年生の加減の計算につながる見方が生まれてきました。

ゲームをしながらたくさんの計算練習を進めた時間でした。


2024年1月23日火曜日

1月20日(土)から算数授業公開セミナー申し込み開始!

 1月20日(土)から,授業テラス主催の算数授業公開セミナー申し込みが始まります。我がクラスの図形の授業を公開します。

先着70名です。もう少しだけ,お待ちくださいね!



大きい方が勝つ数字作り!

 「大きい方が勝つ数字を作ろう」

子どもたちに投げかけます。クラスを2チームに分けます。代表が前に出てきて,裏向きの数字カードを1枚ずつ表にしていきます。その数字カードを,その都度,一の位か十の位に置きます。置く位置を変更することは,途中でできません。合計2枚のカードを表にして,数字が大きい方が勝ちというルールです。

1回戦では,ホワイトタイガーチームが,「7」を引きました。このカードを見た相手チームから「やばい」と声があがります。

そこで,この「やばい」と声をあげた気持ちを読解します。

「100の半分の50よりも大きい数だから」

「(相手チームが)勝つには,80か90を出すしかないから」

子どもたちは,「7」を十の位に置くという前提で説明を行いました。この説明を通して,十の位で数の大小判断ができることも徐々に明らかになってきました。

相手チームのドジャースチームが引いたカードは「2」でした。当然ですが,これは一の位に置きます。その後,2枚目のカードを引きます。最終的に,ホワイトタイガーチーム「73」,ドジャースチーム「52」の数字が完成しました。この結果を見た子どもたちが,話し始めます。

「十の位も一の位も,ホワイトタイガーが大きい」

「十の位は20違うね」

「でも,十の位を見たら勝負が決まるよ」

「もし73と72なら十の位は同点。そういうときは,一の位を見たらどちらが大きいか分かる」

「ホワイトタイガーが73じゃなくて,37と数字カードを置いてくれたら,ドジャースは勝てたよ」

ゲームを通して,数の大小比較を進める位取りの見方を,子どもたちが例示を行うことで明らかにしていくことができた1時間でした。




2024年1月22日月曜日

ニコちゃんマークの裏はいくつ?

 子どもたちに,次のように投げかけます。

「ニコちゃんマークの裏の数字はいくつかな?」

1〜100の数表に描かれたニコちゃんマークの裏の数字を考える問題です。最初に提示したのは,右の問題です。子どもたちは,この数字を44だと断定しました。そこで,その見つけ方を尋ねます。

「41の横は,42,43・・・と1ずつ増えるから,44になる」

「縦に見ると,4,14,24・・・と10ずつ増える。一の位は全部4だから,ニコちゃんマークは44になる」

「31のところも,横が同じようになっている。31,32,33・・・と1ずつ増えている」

縦の見方・横の見方が生まれてきました。

2問目は,右の問題です。この問題は,1問目と同じように横や縦の見方を使えば,ニコちゃんマークの裏の数が分かります。一方,「もっと,わかりやすい方法がある」という声も聞こえてきました。

「斜めを見ると,1,12,23,34と一の位が1,2,3・・・と1ずつ増えるから,ニコちゃんマークの裏は78」

「十の位も,同じように1,2,3・・・と変わっている」

斜めの見方が,新たに生まれてきました。

数表に隠れた数を考えることで,一の位や十の位の変化や,数表に隠れた数の変化のきまりにも気付いていくことができた時間となりました。