2024年1月26日金曜日

ひくひくがひくたす?

1年生の復習を行いました。その中で,「15−8−7」の問題を提示しました。前から順に計算することで,0という答えを導き出すことができます。
一方,「8+7をして15で,15−15をすれば簡単」という声が聞こえてきました。確かにこの方法なら計算は簡単にできます。ところが,「なんでたすの?」「わけワカメ〜」と声があがります。式表記は「8−7」の引き算なのに,なぜ「8+7」とたしざんに変換するのでしょうか。先の声は,1年生の素直な疑問です。

この疑問を乗り越えることは,1年生にはハードルが高すぎました。簡単に計算できる理由は説明できましたが,たしざんに変換する理由は生まれませんでした。

そこで,「この式をお話にしたら,どんなお話ができるかな?」と投げかけます。抽象の世界を具体の世界に置き換えることにしたのです。
「みかんが15個ありました。次に日に8個食べました。その次の日に7個食べました。残りは何個ですか。」
問題文が完成しました。ここから生まれる式は,先ほどと同じ「15−8−7」です。「お話を見て,8+7になる理由が見えるかな?」と投げかけます。しばらくすると,子どもたちが動き出します。
「食べた数が15個だ」
「次の日が8個でその次の日が7個だから,食べたのは15個」
「最初のみかんの数から,食べた15個をひくんだ」
問題文を通して,ひきざんがたしざんに置き換えられる理由を説明していくことができました。

私の経験では,同じ場面を4年生に提示すると,具体的な問題事例が子どもから生まれてきます。こちらの事例は,この夏?発刊予定の「きまり本」(明治図書)に詳細が掲載されます。

1年生の場合は,問題場面に置き換えることを教師側から提案することで,乗り越えられそうだということが見えてきました。