20をこえる数の学習を進めています。子どもたちに,次のように投げかけます。
「10個ずつまとめると,本当に数えやすいのかな?」
多くの子どもは,「10個ずつ」は数えやすいと声を上げます。
「だって,10,20,30となるから数えやすい」
「ぴったりの数だから数えやすい」
「10個ずつだと,十の位だけ数が変わって,一の位は0で変わらないから数えやすい」
「10ずつ増えていくから,数えやすい」
「それに速く数えられるよ」
数が増えていく際の,位ごとの数の変化を分析的に捉えることができました。また,計算のしやすさだけではなく,数える速さの視点も生まれてきました。
一方,「9個ずつ」という声が聞こえてきました。この声に対して,次の声があがります。
「中途半端だから数えにくいよ」
「ぴったりの数じゃないから,面倒だよ」
「9→18→27となるから数えにくい」
「あれ,一の位は9,8,7で1ずつ減って,十の位は1,2で1ずつ増えてる」
「それなら分かりやすいかも・・・」
分かりにくいと声のあがった9個ずつですが,累加のきまりが見えてくることで「分かりやすいかも」と考える子どもも増えてきました。
また,「20個ずつ」という声も聞こえてきました。子どもからは,「実験したら分かる」と声があがります。
そこで,2人で協力してパターンブロックの数を調べます。自分が調べやすい数え方で実験を行います。10個ずつ,9個ずつ,20個ずつと子どもたちは,実験を進めます。
調べ終えたペアから,その数を板書します。最終的には,板書写真のような結果となりました。調べ終えた子どもたちに,感じたことを聞きます。
「10個は速くできた」
「10個は数えやすい」
「10,20,30と数えるから,簡単だった」
「9個は数えにくかった」
「10でぴったりじゃないから,10,20,30と言えないから数えにくい」
「20はいいと思ったけど,ちょっと数えにくかった」
「少し時間がかかった」
これらの声が聞こえてきました。最終的には,「10は便利」という声が子どもたちから聞こえてきました。実際にパターンブロックを数えることで,10個ずつ数えるよさを実感した1時間となりました。