2022年12月27日火曜日

2023年3月 GAKUTOセミナーのご案内

お待たせしました。2023年3月4日(土)に京都で開催されるGAKUTOセミナーの申し込みが,12月28日12時から開催されます。私の師匠・田中博史先生や,熱き算数人・志田倫明先生・樋口万太郎先生とのジョイント企画です。是非,ご参加ください。

定員は先着80名です。今回は対面のみの開催予定です。

お申し込みは以下のアドレスからお願いします。

https://gakuto-sansu-seminar2023kyoto.peatix.com/



2022年12月23日金曜日

1年間お疲れ様でした。そして広島でお会いしましょう!

今日が2学期最終日の学校が多いのではないでしょうか。本校は,すでに冬休みですが・・・。

この冬休みは依頼されている原稿の執筆を進めます。これがなかなか大変な作業です。終わりが見えない果てしない作業です。冬休みは原稿執筆に明け暮れそうです。

さて,新年1月21日(土)には,広島県三原市で全国算数授業研究会広島大会が開催されます。3年ぶりの地方大会です。 コロナ感染拡大で延期が続き,ようやく開催にたどり着いた大会です。公開授業も14本予定されています。「授業を見て語り合う」という本研究会の趣旨にふさわしい大会が3年ぶりに開催されます。是非,多くの先生にご参加いただき,忌憚のないご意見を頂戴したいと考えています。

私は最後のシンポジウムに参加します。こちらは「見つめ直す私の授業」というテーマで話をします。私の場合は,毎日見つめ直しているので,この見つめ直しに終わりはないのですけどね・・・。

参加される先生は,以下のQRコードよりお申し込み下さい。

2022年12月21日水曜日

柏崎・長岡の子どもたち、頑張って下さい!

 今年の夏、公開授業で訪問した新潟県柏崎市。秋に講演で訪問した新潟県長岡市。いずれも今回の豪雪で大きく交通機関に影響があった地です。私も長岡地区には6年住み、雪の大変さは知っていますが、一気に降り積もると大変です。

雪の中でも、きっと子どもたちはたくましく学校生活を送っていることと思いますが・・・。冬休み前のあと一息、頑張って学校生活を送ってもらいたいなあと考えています。柏崎・長岡の子どもたち、頑張れ!

2022年12月18日日曜日

今年もあと2週間!

今年もあと2週間となりました。外部研修は,オンライン講座の1つを残すのみとなりました。飛び込み授業は,先日の大阪の6年生が今年最後の授業となりました。

冬休みは,依頼されている原稿作成に取り組みますが,ゆっくりと体も休めたいと考えています。充電の冬休みにしたいと考えています。

年が明けると,また外部の仕事も始まります。島根県での飛び込み授業も予定されています。こちらが学校改革・授業改革に燃える校長先生からのご依頼です。熱い校長先生がいるところはいいですねえ。

2022年12月13日火曜日

データの活用で大切なこと

 大阪吹田の公開授業は、データの活用領域でした。この領域の授業で大切なことはなんでしょうか。

「最大値」「最頻値」「中央値」「平均値」などは、データの見方です。

「ドットプロット」「柱状グラフ」「度数分布表」などは、データの表現方法です。

以上の2つの分野がデータの活用にはあることを、先ずはしっかりと踏まえます。その上で、これらの2つの分野につながるアイディアを子どもから引き出す授業展開を行うことが大切なのです。

教師から、「○○のデータをドットプロットにしてみましょう」「○○のデータの最大値はなんですか」と尋ねるのではないのです。これでは、子どもはデータを教師から指示された視点で強制的に見させられているだけなのです。そうではなく、授業を通して「自分のクラスが勝つためには、最大のデータで比べたらいいんだ」「(ドットプロットにつながるアイディアで)データを整理するとわかりやすくなる」などのように、子どもがそれを使いたくなるように授業を構成することが大切なのです。このあたりの詳細については、昨日の授業後の講演会で話させていただきました。

データの活用領域は、今回の学習指導要領から新設された分野です。日本の子どもは、データ活用領域が国際比較で低いことが明確になったことなどが、その要因となっています。

データは、教師が視点を与えて見させるのではなく、子どもがその視点で見たくなるように授業展開を工夫することが大切なのです。


2022年12月12日月曜日

クラス対抗ジャンケン大会IN大阪吹田

 今日は大阪の6年生に授業を行いました。会場校の玄関には,授業クラスの子どもたちが手書きをしてくれた私の似顔絵入りの横断幕が迎えてくれました。

授業は体育館で150名の先生の前で行いました。クラス対抗でじゃんけんの強さを比べる授業を展開しました。「こんな声が聞こえたらいいなあ」と事前に私が思い描いていた声が,次々と聞こえてきました。素直で素敵な子どもたちでした。そんな声が生まれてきたので,授業後半は指導案とは異なる展開になりました。授業で子どもから引き出したいと考え板「最大値」「最小値」の見方は,子どもの中から自然に生まれてきました。

本当に素直でかわいい子どもたちでした。担任の先生が,4月から上手に育てられてきたことがよくわかる1時間でした。

そういえば,このクラスではジャンケンの掛け声が「さいしょはワクワクジャンケンポン」でした。これを両腕を曲げ,上下に動かし踊りながらジャンケンを行うのです。こんな姿もかわいかったですね。私も一緒に踊りました!






6年生に公開授業

 今日の午後は,大阪の6年生と公開授業を行います。データの活用領域の授業です。私のクラスの6年生の反応と比較しながら,子どもたちと授業を進めたいと考えています。さて,どんな子どもたちの反応が返ってくるのでしょうか。子どもの反応によって,授業展開を大きく変えたいと考えています。こちらも私はワクワクしています。

2022年12月9日金曜日

「算数授業の当たり前を『子どもの姿』から問い直す」3刷り決定!

明治図書からこの春発刊された「算数授業の当たり前を『子どもの姿』から問い直す」が,好評により3刷りが決定しました! お買い求めの先生方,ありがとうございました。

本書は,「めあて」「まとめ」「ふりかえり」などの指導が本当に必要なのかなどを具体的実践例をもとに問い直す本です。私の師匠である田中博史先生との共著です。是非,まだお読みでない先生方は,お求め下さい。詳細は,以下のアドレスからお願いします。

https://www.meijitosho.co.jp/detail/4-18-266542-4


2022年12月7日水曜日

円形のエアーホッケー

 ゲームセンターにあるエアーホッケーをもとに、次のように子どもたちに投げかけます。

「45°でパックを発射します。ゴールに入るまで何本の線ができますか」

入射角と反射角の関係やスタートとゴールの位置,ゲーム版は円形であることなどを確認します。45°の場合は、多くの子どもたちが、ゴールに入る線は2本だと予想しました。

そこで、本当に2本なのかを実験します。これは作図も簡単でした。子どもたちの予想通りの2本となりました。この時点で、「だったら90°なら1本になる」と声があがります。これはすぐにイメージができます。この段階で、きまりに気づく声も聞こえてきましたが、ここはまだ早いと考え、次の問題場面へと移動します。

「30°になったら、何本の線ができるでしょう」

ほとんどの子どもが3本とイメージします。しかし、その軌跡のイメージが違いました。半円の右半分に沿った動きのイメージの子どもと、円全体をジグザクに動くイメージの子どもです。予想段階で、後者が多くを占めました。

果たして、パックの動きはどのようになるのでしょうか。実験の結果、パックの軌跡は前者の動きであることが見えてきました。軌跡の本数は3本です。

この段階で「きまりがある」という声が多く聞こえてきました。

「90÷xで本数が分かる」

「90°は1本だから,90÷90で1本。45°は90÷45で2本。30°は90÷30で3本と式で本数が分かる」

「表にすると,もっと分かりやすくなる。本数が2倍・3倍になると,角度は1/2倍・1/3倍になっている」

「これは面積が20㎠の長方形の縦の長さと横の長さの変わり方と同じです」

90°〜30°の3つの情報から,子どもたちはきまりの存在に気がついてきました。これは反比例の見方につながるものです。表に整理するアイディアや文字式を使うアイディアが子どもから生まれてきたことも,素晴らしい子どもたちの発想力でした。

さて,これらの見方を使えば15°の発射角も計算で軌跡の本数が求められます。90÷15の答えなので6本の軌跡ができます。その後,実験で確かめます。この作図は苦労しました。かなりの精度が求められるからです。30°の発射角を描いてから,それを二分割することで6本の軌跡があることを簡単に求められることを発見した子どももいました。

反比例の見方を,エアーホッケーから引き出した授業でした。


2022年12月6日火曜日

比例のグラフを疑う・・・

 子どもたちに次の問題を提示します。

「植木鉢を1個・2個・3個・・・と積み重ねていきます。植木鉢の個数x個と高さy㎝はどのような関係になりますか」

当初は「比例のやつだ」と,問題場面を比例と認識する声が聞こえてきました。ところが,それからしばらくすると「向きいっしょ?」という声が聞こえてきます。「向き」を考えることに,なにか意味はあるのでしょうか?

そこで,「『向き』と言っている人がいるけど,気持ちは分かる?」と尋ねます。

「植木鉢の向きを上下にしたら,比例になる」

「もし高さが5㎝なら,5㎝・10㎝・15㎝となって比例になる」

植木鉢を上下向きを交互にして積み重ねたら,比例関係になるといのです。比例関係を作るために,植木鉢の向きが関係があったというわけです。

一方,「同じ向きなら比例にならない」という声も聞こえてきました。そこで,「同じ向きに重ねるとはどういうこと?」と,その積み重ね方を尋ねます。

「植木鉢の中に植木鉢が入っていく」

「植木鉢の頭のところだけが増える」

「もし,頭が1㎝なら1㎝ずつ増える」

子どもたちは,同じ向きに植木鉢を重ねると,増え方が先ほどとは異なると考えたのです。この場合は,積む個数が2倍・3倍となっても,高さは2倍・3倍にはなりません。積み方によって,比例にはならない場合があることが見えてきました。それと同時に,次の声が聞こえてきました。

「紙コップも同じ増え方だ」

「水筒や宿題を入れるかごも同じだ」

「お皿もそうだ」

「給食で出たゼリーカップもそうだ」

同じ向きで植木鉢を積み重ねるのと同じ増え方をする例を,子どもたちが見つけてきました。場面を拡張して考える姿勢は,すばらしいものがあります。

さて,このあとこれらの2つの変化の関係をグラフに表現しました。子どもたちは,「1個で5㎝,2個で10㎝。3個で15㎝・・・」などと点を打ち,その後,それらを直線でつないでいきました。2つ目の表も同様にして,グラフ化しました。子どもたちは,ここで完全に安定しています。ここで,このグラフへの違和感を抱く子どもが現れることを期待しましたが,子どもたちは全く安定しています。

そこで,「もう一度問題を読んでみよう」と揺さぶりをかけます。しばらくすると,「前の勉強でリボン1mの値段が150円のとき,2mでは,3mではという勉強をしました」と既習とつなげた考えが生まれてきました。これをきっかけに,子どもが気付き始めます。

「間がないんだ」

「植木鉢2.5個とかないんだ」

「2個の次は3個だ」

「リボンはつながるから小数があるけど,植木鉢はつながらないから小数はない」

「水の量はつながるけど,人はつながらない」

植木鉢の高さは分離量です。子どもたちの比例のグラフに対するイメージは,単なる一直線です。連続量が対象の場合は当てはまりますが,分離量では当てはまりません。この思い込みが,植木鉢のグラフを疑うことを避ける原因になったのです。

 この場合のグラフは,単に点が連続するだけなのです。子どもたちが獲得した学びの当たり前に揺さぶりをかけた1時間となりました。



2022年12月4日日曜日

田中先生の対面算数講座に参加!

 昨日は京都で開催された私の師匠である田中博史先生の算数講座に参加しました。田中先生の講座は,何回参加しても新しい発見があります。今回は中学数学の話題から,演算記号と式の意味について深く考えました。中学数学の内容ですが,小学校6年生にも授業できないかなあと考えながら,講座に参加しました。

対面講座は適度な緊張感もあり,学びの深度がオンラインよりも明らかに異なりますね。自分が参加者役になって,より一層対面のよさを実感しました。

この講座では,懐かしい先生方との再会もありました。東京,名古屋,和歌山,宮崎と遠方から参加された先生との再会が可能のも対面のよさですね。本当に充実した時間を過ごせました。

2023年3月4日(土)には,京都で師匠・田中博史先生と私のジョイント講座が開催されます。詳細が決まりましたら,お知らせします。会場は京都御所の近くです。もう少しだけお待ちください。