2026年5月26日火曜日

20個ってどこ?

 「縦18cm横12cm高さ20cmの直方体の箱があります。深さ16cmまで水を入れました」

この体積は求められます。3456㎤です。

「ふたをして,面Aが底になるように倒すと,水の深さは何cmになりますか」

これは難問でした。立体を90°回転させます。その際の水の深さを求める問題です。

式を板書させ,式の読解を行うことにしました。

3456÷(20×12)=14.4

3456は,箱に入っている水の体積です。

20×12がなにを示すのかが難問でした。底面の体積と考える子どもが多数いました。しかし,この考え方は体積の学習としては妥当ではありません。20×12は面積になってしまいます。面積は平面であり,体積のように立体的にはなりません。

そうなると,この式の最初の20個がなにを指すのかが問題となります。

「高さ1cmの1㎤の箱が20個並んでいる」

「それが12列あるってこと」

「これが何段あるかを考えるから,割り算をする」

全体の体積を底体積でわることで,水の高さが求められます。


2026年5月25日月曜日

式を読解する

 12個の1㎤のブロックを子どもたちに配布します。このブロックを全部使って,次のように問題を提示します。

「12㎤の複合図形を作ります。式と見取り図も作ります」

子どもたちは,様々な複合図形を作っていきます。授業では取り扱っていない形を作る子どももたくさんいました。

その後,ある子どもの式だけを板書します。

「この式からどんな複合図形がイメージできますか?」

このように尋ねます。式を読解する学習です。

子どもたちを悩ませたのが,次の式です。

「1×2×1×6」

3つ目の「×」を書いた瞬間に「えっ?」「さっきは+」などの声があがります。違和感を抱いたのです。それまでの複合図形は,2つの式を「+」や「ー」でつなげていました。しかし,この式は「×」だけで構成されているからです。

この式は,2つに分割することができます。「1×2×1」と「×6」です。この分割の意味が見えてくると,この式から見える図形がイメージ化できます。しかし,この式を読解することは難しかったようです。

板書右の見取り図が描かれると「そういうこと!」という納得の声が聞こえてきました。直方体が6個分あるというイメージです。

この式を考えた子どもの実際の図形は,板書下にある見取り図です。これも「1×2×1×6」となりますね!





2026年5月14日木曜日

「カエカエ」の視点

 子どもたちに,横500cm,縦300cm,高さ400cmの立体の体積を求めるように指示します。見えたままの数値を使うように条件を付けます。

計算途中で聞こえてがきたのが,「面倒」「大変」という声でした。

計算は「300×500×400=60000000(㎤)」となります。ここで,「面倒」「大変」の気持ちを読解していきます。

「0が多すぎる」

「もっと省略したい」

「計算が面倒だ」

「単位を変えたい」

「㎥はないの?」

「㎥」の単位は未習です。しかし,これまでの子どもたちの学習の履歴から考えると,生まれて当然の単位です。

そこで,大変すぎて単位を変えた経験値を訪ねます。

「水のかさ1000mLは1L」

「重さ1000gは1㎏」

「面積10000㎠は1㎡」

水のかさ・重さ・面積の3つの領域で,子どもたちは単位の置き換えを学習してきています。今回もそれと同じ手法で体積の単位も置き換えようとするアイディアです。

算数では,このように繰り返し登場する似たような見方がたくさんあります。それを明確にあぶり出して見える化するのも授業の大切な役割です。


2026年5月12日火曜日

さいころで数値化!

 箱の中身の大きさ比べをしていました。水→砂を入れて数値化を試みますが,いずれも正確に測定することはできませんでした。

そこで生まれてきたのが,ルービックキューブを解体したもの・さいころを入れるという声です。大きさも質も同じものを入れて,その個数を数値化して比べるアイディアです。ここでも数値化の見方が一貫して登場してきます。

そこで,小さいサイコロブロックを子どもたちに配布します。ただし,その個数は少めに配ります。

子どもたちは,箱の中にブロックを詰めていきます。しばらくすると,「たりない」「全然たりないよ」と声があがります。すると,その声を聞いた別の子どもから「1段分が分かればできるよ」と声があがります。

この声の意味を読解していきます。

「1段目に35個入れば,それが上に6段あるから35×6で計算で分かる」

「それなら,縦横でもいける」

「1段目も計算でいける」

「横に並ぶ個数が縦に何列あるか考える」

「横に7個並ぶ。それが5列あれば,7×5で1段目も分かる」

ブロックが不十分であったことで,その総数を計算で求めようとするアイディアを引き出すことへとつながっていきました。この見方は,体積の公式そのものです。教具が不十分な場面に意図的に出合わせることで,計算を行う必要感を引き出していくことができました。


2026年5月9日土曜日

数値化の意味!

 前回作成した箱の中身の大きさを比べる時間です。

「どうやって箱の中身を比べますか?」

このように投げかけます。その時に聞こえてきたのが,「水を入れる」というう呟きです。この声の意味を読解します。

「水を入れて大きさで比べる」

「重さで比べる。gとか」

「水のかさで比べる。Lとか」

「大きさで比べると,数字で比べられる」

見えない箱の中身を数値化する見方は,重さでも水のかさでも共通しています。「数値化」の見方を価値付けます。

「数値化」のアイディアをもとに,水を入れて重さを測る実験を行います。2つの形の違う箱に水を入れます。Aには1dL,Bには1.5dLの水が入りました。しかし,かなりの水が箱の隙間から漏れてしまいました。これでは正確には測定できません。

そこで生まれてきたのが「砂を入れる」考えです。子どもからは「重さで数値化できる」と,つい先ほど使った見方を活用する声が生まれてきました。

グラウンドで砂を箱に入れて重さを測定します。ところが,同じ形の箱なのに重さが異なります。乾いた砂を入れる子どもと,湿った砂を入れる子どもがいたからです。またしても正確には測定ができませんでした。

「まったく同じものを入れたらいい」

このアイディアが生まれてきました。任意単位につながるアイディアです。ここで時間切れとなりました。次回は,任意単位からスタートします。



面積もそうだったよ!

 「周りの辺の長さの合計が同じ四角い立体があります。中身の大きさは同じですか?」

このように投げかけます。その時に聞こえてきたのが,次の声です。

「面積もそうだったよ(だから中身も違う」

この声の意味はすぐには共有されません。この声の意味を読解していきます。

「面積は辺の長さが同じでも面積違った」

「だから,中身も同じとは限らない」

面積での見方を体積に応用しようとする考えです。1年前の学習と関連付けていくよき見方が生まれてきました。

しかし,今回は体積です。辺の長さとの間に関係はないのでしょうか? 一部の子どもたちは「中身は同じ」と考えています。

そこで,一番中身の大きさが大きくなりそうな立体の見取り図をノートに描かせます。

その一部を板書します。見た目も大きさもバラバラです。子どもからは「辺の長さを教えてほしい」と声があがります。

辺の長さの合計は72cmです。その後,このデータをもとにして,自分がノートに作図した立体を実際に作ります。箱を実寸大で制作して,中身の大きさを調べる次時の活動へとつなげていきます。結果はどうなるのでしょうか・・・。



2026年5月2日土曜日

5過ぎたよ!

 「公約数を見つけよう」

このように投げかけ,順次公約数を見つけていきます。5と42の公約数を見つけていたときのことです。代表の子どもが,5の約数1,5を書きます。次に,42の約数を,1,2,3,6と書きました。そのときに聞こえてきたのが,「全部書くの?」「5過ぎたよ」という声です。

そこで,この声の意味を読解していきます。

「5と42の約数だから全部書かなくてもいいよ」

「6より上の約数はいらない」

「5の約数は1と5で,それより大きい約数はないから,42の約数の6より上は必要ない」

「だから,6より上の約数はない」

子どもたちの説明が続いていきました。「あー」「そういうことか」という納得の声があがってきました。

その後,「5過ぎたよ」の声の意味をペア説明とノート記述で再現させました。見方・考え方はアウトプットしないと定着は難しいからです。

この声の意味を活用して,「14と60「6と12」の公約数も探していきました。

子どもの呟きから授業を創り上げる愉しさが実感できた1時間でした。


2026年5月1日金曜日

隙間なく敷き詰めるには?

 「縦12cmと横18cmの長方形の中に,合同な正方形を敷き詰めます。隙間なく敷き詰められるのは,正方形の一辺の長さが何cmのときですか」

問題文から場面がイメージできる子どもと,そうではない子どもがいます。また「1cmならできる」という声もあがります。

そこで,一辺が1cmの正方形が本当に敷き詰められるのか実験します。実寸大で作図する子ども,1/2のサイズで作図する子どもなどがいました。作図中に聞こえてきたのが「大変」「面倒」の声です。

作図を行うと,1cmの正方形が敷き詰められることが確かめられます。ところが「作図はきりがない」という声も聞こえてきます。先ほどの「大変」「面倒」の声とともに,価値ある声が聞こえてきました。

そこで,もっとよい方法はないかを考えます。そこで聞こえてきたのが「約数を使う」「公約数を探す」の声でした。

そこで,公約数を探します。すると,2cm,3cm,6cmの正方形も敷き詰められることが見えてきました。



2026年4月29日水曜日

約数が多い数はどれ?

 「約数が多い数はどれですか?」

このように投げかけ,目を閉じさせます。その後,現れたのが24,48,60,84でした。直感でどの数字の約数が多そうか判断させます。84と予想する子どもが半数近くいました。

そこで「84が一番多いと考えた人の気持ちを予想しよう」と投げかけます。

「84の一番大きい約数は84,一番小さい約数は1」

「1と84の間が一番遠いから,一番多くなる気がする」

「60は一番小さい約数が1,一番大きい約数が60。間が59だから間の数が少ない」

84の約数の数が最大になると考える気持ちを読解しました。答えを見つけることよりも,子どもたちの論理を読解していくことが算数授業では大切なのです。

その後,各約数を書き出して確かめます。結果は,60と84が約数が一番多いことが分かりました。この約数を書き出しているときに,「数字が大きいからと言って,約数が多いとは限らないよ」とつぶやく声が聞こえてきました。後半は,この声の意味を共有していきます。

「例えば83は1と83しかないよ」

具体的な数値例が生まれてきました。83の約数は2つしかありません。数の大きさと約数の数には比例的な関係がないことも見えてきました。


2026年4月26日日曜日

「サバ缶,宇宙へ行く」に見る教師の気づき力

 フジテレビで「サバ缶,宇宙へ行く」というドラマが放映中です。旧・小浜水産高校が宇宙食となるサバ缶を開発するストーリーです。ドラマでは若狭水産高校として描かれています。

先日の放送回の中で,教師の気づき力がていねいに描かれた場面がありました。東京育ちの女生徒が周りの生徒たちから疎まれた存在となっていました。彼女自身も地方での暮らしに嫌悪感を抱ていました。サバ缶開発にも乗り気ではありませんでした。

そんな彼女を変えたのが教師の気づき力でした。HACCPの認証を獲得するために生徒全員でサバ缶製造室の改造に取り組みます。その時の彼女の何気ないHACCP獲得のためのいくつかの動きを見ていたのが担当教師でした。その気づきを彼女だけでなく,周りの生徒にも教師は伝えます。この教師の気づき力が,彼女を,そして周りの生徒たちの彼女への見方も変えていきました。ていねいなドラマ作りに感心してしまいました。

これはドラマの中でのストーリーですが,同様のことは現実の教室でも起こります。授業場面だけでなく,学校生活での何気ない子どもの気配りある動きを教師がいかにキャッチできるかで,授業がクラスが変わっていきます。

先日は私が担当する5年生の算数授業を別教室で行いました。授業が終わった時,一人の女の子が机上の消しゴムカスを手で集めてゴミ箱に捨てる姿が目に入りました。「えらいねえ」と褒めると,ニコッとして教室へと戻っていきました。

新学期が始まって2週間が過ぎました。教師の気づき力をアップして,授業をクラスを変えていきましょう!


2026年4月25日土曜日

子どもが探究していく愉しい算数セミナーのご案内

6月20日(土)大阪府吹田市で算数セミナーを開催します。テーマは,「子どもが探究していく愉しい算数」です。詳細は,以下をご覧ください。 

◆開催日時:2026年6月20日(土) 13:00〜17:00

◆場所:吹田市活動交流館
    (大阪府吹田市岸部中1丁目22番2号)
    阪急バス【吹高口】徒歩3分 JR【岸辺駅】徒歩15分
大会テーマ「子どもが探究していく愉しい算数授業づくり」

スケジュール
12:15 〜 12:45 受付準備
12:45 〜 13:00 受付
13:00 〜 13:05 オープニング
13:05 〜 13:15 基調講演
13:15 〜 13:20 休憩・準備
13:20 〜 13:40 各学年事前研
13:40 〜 13:50 休憩・準備
13:50 〜 14:10 模擬授業①
14:10 〜 14:30 協議会①
14:30 〜 14:40 休憩・準備
14:40 〜 15:00 模擬授業②
15:00 〜 15:20 協議会②
15:20 〜 15:25 休憩・準備
15:25 〜 15:45 各学年事後研
15:45 〜 15:55 休憩・準備
15:55 〜 16:40 講演会 尾﨑正彦先生
16:40 〜 16:45 クロージング

17:30 〜 20:30 懇親会

参加費 2500円
※参加費は当日、現金でのお支払いをお願いいたします。
(懇親会参加費 4000円程度を予定)

お申し込みは以下のアドレスからどうぞ!

2026年4月24日金曜日

ビルを作ろう!

「正方形のタイルをつなげて,四角いビルを作ろう」

このように投げかけます。

タイル1枚なら,ビルは1階建ての1パターンできます。

タイル2枚はどうなるでしょうか。これは1階建てと2階建ての2パターンできます。ここで生まれてきたのが,「次は3つで3パターン」という声です。この声の意味を読解します。

「1つで1パターン,2つで2パターン」

「タイルの数とビルのパターン数が同じだから,3つで3パターン」

タイルの数とビルの種類数に関数的な きまりを見出そうとする姿が生まれてきました。

実験でタイル3枚を確かめます。結果は,1階建て,3階建ての2パターンです。子どもたちが見出し始めた決まりは破綻しました。

しかし,ここで新たなきまりを模索する声が生まれてきます。

「1,2,2,3,3,3,4,4,4,4とパターン数が変わる」

「4つのときは4パターンになる」

多くの子どもは,このきまりに自信を持ち始めています。

そこで,タイルが4枚の場合を実験します。結果は,1階建て・2階建て・4階建ての3パターンできました。新たなきまりは当てはまりそうです。

次はタイル5つを実験します。きまり通りなら,3パターンできます。結果は,1階建てと5階建ての2パターンしかできません。またしても予想したきまりが破綻します。

するとまたまた新しい決まりの予感の声がします。

「例えばタイル4枚なら,4÷1=4,4÷2=2,4÷4=1でわれる」

「われる式の数と,パターン数が同じ」

「???」

「タイル3つもそうだよ。3÷1=3,3÷3=1でわれる式は2つ。パターン数も2つ」

「そうか!わかったぞ」

事例が2パターン取り上げられたことで,一気に理解が深まりました。抽象的な言葉で伝わりにくい内容は,いくつかの具体例で説明することでイメージ化が一気に進みますね。

わりきれる整数の数が,タイル数の約数と同値となっています。約数・素数との出会いの授業でした。


2026年4月22日水曜日

研究主任研修IN帯広

 今日は,北海道帯広市で研究主任研修会に参加しました。市内の小中学校の研究主任の先生方が集まりました。

授業創りの基本コンセプトやその具体例,校内研修の意味やその改善策を先生方にも考えていただきながら演習形式で進めていきました。

校内研修のゴールは自校の子どもたちの学力向上です。そのためにどんな手立てを講じることがベストなのかを考えていけば,自ずから研修方法が見えてくるのではないでしょうか。小中学校の校種をこえて,よい学び合いができました。

2026年4月21日火曜日

6cmと8cmで正方形を作る

 「縦6cm,横8cmの長方形のタイルを隙間なく並べて正方形を作ります。タイルは何枚必要ですか」

この問題文から,すぐに映像が浮かぶ子どもは多くはありません。そこで,どんな映像が浮かんでいるのかをノートに書かせます。

最初にタイル4個を縦・横ともに2個ずつ並べたイメージ図を提示します。「これで正方形が完成したね」と投げかけます。すると,次の声があがります。

「長方形だよ」

「横16cm,縦12cmだから違うよ」

具体的な長さの話題が子どもから生まれてきました。これで,前述の図形が長方形であることが見えてきました。その後,タイルを縦にも横にも伸ばしていきます。すると一辺が24cmの時に正方形になることが見えてきました。これで正方形が完成です。そこで,「図を描けば,正方形が見つけられるんだね」と投げかけます。

すると「そんなことしなくても分るよ。倍数を書いていけばいいよ」と声があがります。24cmを2倍,3倍と計算していくことで,別のサイズの正方形を見つけていくことができるのです。「図を描くよりも,こっち(倍数か書く)の方が簡単」と,倍数を書き出す方法のよさに気づくこともできました。


セットが続く!

 「3拍子と4拍子のリズム打ちをしよう」

このように投げかけ,クラスを半分に分けてそれぞれのリズム打ちを練習します。その後,一緒にリズム打ちを始めます。

すると,ある場所で両者のリズムが揃う瞬間が生まれます。「気のせいだ」「たまたまだ」という私の挑発に対して,「たまたまじゃない」「図で説明ができる」などの声があがります。

××○と×××○の3拍子と4拍子の図や,3,6,9,12や4,8,12の各倍数を書き出していくことで,子どもたちは12回目にリズムが揃うことを発見していきます。

この後,「12回目に揃ったのはたまたまだね」と投げかけます。すると「たまたまじゃないよ」「もっとあるよ」「24,36回目も揃う」と声があがります。しかし,12から先の世界の見え方は一様ではありません。

「12のセットが」

「セット」という素敵な声があがります。この意味を読解します。

「このセットが,もう一つできると24」

「またセットができると36・・・」

12のセットを何回もコピーして公倍数を探るという見方が生まれてきました。公倍数とセットという言葉は,場面をイメージ化するのにとてもよい言葉でした。

倍数・公倍数の導入場面でした。



出雲でビデオ研修!

 昨日は島根県出雲市の校内研修に参加しました。私の算数授業ビデオを上映しながら演習&解説を行う研修です。今回訪問する学校は,数年前から年間2回入っています。少しずつ,しかし着実に先生方の指導力が向上しています。

公立校は新年度になると新しいメンバーが異動してきます。そのフレッシュな先生たちに算数授業の進め方をイメージ化してもらうためにも,4月の早い段階で行うビデオ演習はよい研修方法ですね。

2026年4月17日金曜日

十字架の秘密

 「十字架の中に数を入れて,縦の合計・横の合計が同じになるようにしよう」

このように投げかけます。1・2・3・4・5の数字を1つずつ入れていきます。

先ずは,十字架の真ん中に1を入れたパターンを試します。しばらくすると,「できました」の声がします。問題になったのは,数字の位置を変えたものを,同じと見なすか否かでした。この話題を考えたときに出てきたのは,次の声でした。

「1~5の合計は15」

「真ん中の1を引くと14になる」

「縦・横は(真ん中を除くと)7になる。7になるのは2+5と3+4しかない」

「組み合わせはこれしかないから,場所が変わったものも同じだよ」

その後,真ん中が2の場合を考えます。すると「2は作れない」と声があがります。その理由を,先ほどの声をもとに説明していきます。

「15-2で13」

「13÷2=6あまり1になるから,2つに分けられない」

「(真ん中を除いて)縦の合計が6だと,横の合計は7になるからできない」

さらに,「真ん中が奇数ならできる」という声が続きます。

「奇数-奇数=偶数」

「偶数なら2つに分けられるから,真ん中3は計算できる」

十字架問題を,既習の偶数・奇数とそれらの計算の組み合わせから考えていくことができました。十字架に入れる数値から式化の発想へと広げていける見方が柔軟ですね。


2026年4月15日水曜日

奇数になったら当たり!

長方形が3段積み重なった図形を提示します。

「一番上の□が奇数になったら当たりゲームをしよう」

このように投げかけ,代表の子どもが3枚の数字カードを袋から取り出します。0,14,12のカードが 取り出されます。最下段のどこに並べても,一番上は偶数になってしまいます。

2回戦も同様の結果になりました。すると次の声があがります。

「偶数+偶数は偶数になるからだよ」

「奇数がないとだめだよ」

そこで,3回戦を行います。今度は奇数の1,13,5が取り出されます。ところが1番上は偶数になってしまいました。子どもからは,次の声があがります。

「例えば5+3=8だから,奇数+奇数は偶数になる」

「あまり1+あまり1をするから,あまりが0になる」

さらに,これらの数を図で説明する子どももいました。〇を使って,5と3を表します。あまり1の部分だけ飛び出す図です。この2つを合わせると,長方形になります。

「5は1飛び出している。3も1飛び出している。2つを合わせると,飛び出しがなくなる」

「一人ぼっちの〇と一人ぼっちの〇を合わせるから,2人ぼっちなる」

〇の図を使うことで,奇数・偶数を知らない友達にも奇数と奇数を合わせると偶数になることが分かりました。

その後,偶数と奇数が混ざらないと1段目は奇数にならないことが見えてきました。



2026年4月14日火曜日

あまったら負け!

 「あまった方が負けゲームをしよう」

子どもたちに投げかけます。ルールは次の通りです。

①2人1組でゲーム

②1人2ます交互に印をつける(じゃけんで勝った方が先につける)

③最後に1ますあまった人の負け

封筒に入ったゲーム用紙を順次取り出し,ゲーム開始です。

封筒には4種類のマス目ゲーム用紙が入っています。ゲームが進行すると,「また引き分け」「全部引き分けだ」という声と「4勝0敗」「3勝1敗」という声が聞こえてきました。

しばらくすると「マス目に秘密がある」と声があがります。なにかに気づいたようです。

そこで,全部引き分けチームのマス目は,28,36,32,24マスでした。一方,勝負がついたチームのマス目は,35,21,37,25マスでした。

このマス目数を見た子どもたちが,数を分析します。

「勝負がつくのは,2でわると1余る」

「引き分けは,2でわるとわりきれる」

マス目の数が,チームによって異なっていたのです。つまり,偶数マスだけのチームと,奇数マスだけのチームがあったのです。

偶数・奇数の学習の1コマでした。


2026年4月13日月曜日

出会いの授業

 ようやく今年度初めての出会いの算数授業を行いました。

「次の計算をやってみよう」

このように投げかけ,①21×24 ②12×42と順に問題を提示します。

②の計算を終えた子どもから「答えが同じ」という呟きが聞こえてきます。さらに,計算の式の一の位と十の位が入れ替わっている気づきも生まれてきます。きまりに気づいた声です。一方,「数字は無限にあるからたまたまかもよ」という声も聞こえてきます。すぐにきまりに満足しない態度も大切ですね。

そこで,他の問題で実験です。3・4問目,5・6問目の計算も答えが同じになりました。するとここで,「あっ!」という声があがります。なにかに気づいた声です。

「①の(一の位)は縦に計算すると1×4で4。②も縦に計算すると2×2で4」

これで新しいきまりに共感する声が続きます。

「十の位も縦に計算すると,2×2で4と1×4で4」

「だったら③と④もそうなっている」

「一の位は3×4で12と2×6で12。十の位も2×6で12と3×4で12」

答えが同じになる式に隠れた秘密を見つけることができました。この日は20分授業だったので,ここで時間切れでしたが,授業後「⑤と⑥も同じになっているよ」と,さらに場面を拡張して考える子どもの姿も見られました。子どもの発想は豊かで柔軟ですね。

この教材は,学校図書3年生の教科書にも掲載されている内容です。

今年は5年生3クラスの算数を教えています。勤務校(国立学園小学校)も立場(教頭)も変わりましが,算数授業は引き続き担当しています。




2026年3月29日日曜日

春休みセミナー終わりました!

 昨晩は,オンラインで授業テラス主催の春休みセミナーを行いました。体育の河田先生(東京)とのコラボ企画でした。

私からは,最初の算数授業だけではなく,子どものとの出会い直後に算数ノートを配る場面から仕掛けが始まっていることを話させてもらいました。教師が親切心だと思って行っていた行為が,実は子どもを育てるという視点に立つと逆効果になっていることを提案しました。

算数授業にも学級経営にも,ちょっとした仕掛けと子どもを見る目が必要ですね! みなさん,もうすぐ新年度がスタートします。しっかりと準備を進め,よき出会いを演出しましょう!

2026年3月14日土曜日

佐渡の学校を訪問!

 昨日は故郷・佐渡の小学校を訪問しました。離島留学性が大半を占める学校です。複式2学級を参観しました。離島留学生の子どもたちの素直な反応と適度な距離感を保つ先生方の授業力に感心しました。

訪問した学校はいわゆる僻地複式校でした。しかし,そこで学ぶ子どもの反応に地域差はありませんね。素直な反応が素敵でした。

2025年度の学校訪問は,故郷・佐渡でフィナーレを迎えました。

2026年3月12日木曜日

卒業していきました!

 昨日は,初等部卒業式でした。2年間担任した子どもたちが巣立っていきました。本当にかわいい子どもたちでした。


最後の授業は「夢を叶える法則」でした。算数とは関係ないですけど…。百分率を提示したから,少しは関係あるかな(笑)

明日は,故郷・佐渡の小学校を訪問します。

今日からは,次の出会いに向けた準備を始めます!

2026年3月11日水曜日

「春休み一発目の授業はこれ」セミナー開催のお知らせ

授業テラス主催の以下の講座が3月28日(土)18時30分からオンラインで開催されます。お申し込み,詳細は以下からどうぞ。

https://peatix.com/event/4923894/view?k=ffde67ce05f95c73fbc3d1c4183dffbbc49505f8



2026年3月2日月曜日

学級づくり・授業づくり新刊本のご案内

3月13日,明治図書より「2026年版 学級づくり授業づくりの技術200」が発刊されます。

学級づくり・授業づくりの技を合計200個,全国の先生方に分担していただき完成した本です。お申し込み,詳細は以下からお願いします。

 https://www.amazon.co.jp/dp/4182001265



大阪×和歌山のパワー

 一昨日は,大阪府吹田市で,大阪の若手教師と和歌山県田辺市の若手教師のコラボ研修会が開催されました。

授業動画上映によるパネルディスカッションや,ワークショップなどが開催されました。若手の先生が,緊張しながら自分のワークショップを進める姿が微笑ましかったですね。子どもが発表する時の緊張感も,きっと同じですね。

2つの地域の先生が,発表という形を通して,切磋琢磨する姿が頼もしく見えました。こんな先生が,全国各地にいらっしゃれば,この国の教育も大丈夫です!

2026年2月27日金曜日

美術館の定理!

 今日は6年生最後の参観日でした。美術館の定理を公開しました。

「□角形の美術館があります。最低,何台のカメラがあれば,完璧に監視できますか」

この問題を提示します

。三角形,四角形,五角形は1台で監視できます。とろこが,六角形になると,カメラは最低2台必要になります。ここまでの事実から,「2が3つ」と声があがります。きまりに気づいた声です。

「1台,1台,1台と来たから,次も2台,2台,2台となる」

「九角形になったら3台になる?」

子どもたちから,変化のきまりへの気づきの声が生まれてきました。

その後,七角形,八角形と順次実験します。八角形に3台バージョンがあるのではないかで盛り上がり,九角形までは進めませんでしたが,子どもたちが前のめりになった最後の参観でした。


2026年2月26日木曜日

平方根への道

 

「16個の点があります。点と点を直線でつないで,正方形を作ります」
自由に正方形を作図します。しばらくすると「3つしかない」「4つあるよ」「5つあるよ」と声が聞こえてきます。
簡単に作図できるのは,1辺の長さが1㎝,2㎝,3㎝の正方形です。面積は,それぞれ1×1,2×2,3×3と立式できます。

4つ目の正方形が,板書下段左の図形です。面積は2㎠です。この正方形を,先ほどまでのような1辺×1辺の式にできるのかを考えます。定規で辺の長さを測ると,1.4㎝と1.5㎝の子どもに分かれました。それぞれを計算すると,ぴったり2㎠にはなりません。そこで,1.4㎝と1.5㎝の間の数値を探っていきます。最終的に,1辺が1.4142㎝が近似値になることが分かりました。

次に,5つ目の正方形を考えます。面積は5㎠です。先ほどと同様に,5㎠になる近似値を求めていきます。最終的に,1辺が2.236㎝を見出しました。

中学校数学の平方根につながる授業でした。


2026年2月25日水曜日

どの組み合わせが多く出る?

 ○3個,□2個,△1個が書かれたサイコロを2つ用意します。そして,次のように尋ねます。

「サイコロ2個を同時にふります。どの組み合わせが一番多く出ますか?」

子どもからは「○○に決まっている」と声があがります。なぜなら,「○が一番多いから」です。子どもたちは自信満々です。

そこで,実際にサイコロを振って実験します。1人20回振ります。その後,各組み合わせの数を計算します。

子どもたちが一番多くなると予想した「○○」は148回でした。一方,「○□」は175回です。子どもからは,「なんで?」と大きな?マークが浮かんできます。

しばらくすると,「○□は○□と□○がある」と声があがります。この声で,「あー」という反応と,「どういうこと?」という反応の2つが生まれてきました。この声の意味を時間をかけて読解していきます。

「サイコロに①と②と記号をつけます。①が□で②が○と①が○で②が□は別々になる。でも,カウントは○□に入る」

「○○は①が○,②が○の1つしかないから少ない」

「○と□をつなぐと,○○は3パターン。○と□は6パターンの繋ぎ方がある」

「□○と○□は別々に出るから2倍。でも合計は同じ□○に入る」

少しずつ,この不思議な仕掛けが解明されていきました。最後は,ペア説明とノート記述でこの論理を再現・定着しました。

大人も騙される仕掛けのある授業でした!


2026年2月24日火曜日

授業のどこに注目するのか?

 今週末2月28日(土)に大阪府吹田市で,「子供が愉しむ算数授業研修会」が開催されます。大阪と和歌山の若き算数人が進める研修会です。

同じ授業を見ても,なにかが見える人と見えない人がいます。この背景になるものを,研修会を通して解き明かしていきます!

詳細は,以下のちらしをご覧ください。

申し込みは以下のアドレスからどうぞ!



2026年2月22日日曜日

授業テラスで授業を公開しました!

 昨日は,授業テラスで私のクラスの授業公開を行いました。6年「比」の第1時間目を公開しました。

前半は関数的な見方を引き出す展開です。そこに比の要素はありません。後半にある仕掛けで,一気に子どもたちの見方を転換していきます。そこから,子どもたちから比の見方が生まれてきます。この展開で,教科書2時間分の内容が1時間目に子どもから生まれてきました。

6年生なのに素直な子どもたちの姿に,多くの先生方から称賛の声があがりました!

愉しい算数授業創りのポイントは,教材開発と仕掛け,そして気づき力ですね!

2026年2月19日木曜日

ニュージーランドの学校事情

 ニュージーランドの公立小学校を訪問しました。日本とはかなり異なる部分もありました。

1クラス定員は24名前後です。理想的な人数です。

これまではグループワークで授業展開を進めていたそうですが,数年前から一斉授業も取り入れているようです。一斉授業は,どちかというと教師からの一方的な説明が中心でした。こちらは日本の志の高い先生の授業レベルの方が上ですね。

学校の敷地は,すさまじく広大です。大きな木の上に引っかかったボールを,木の上まで登って取っている子どもがいました。逞しさはニュージーランドの子どもの方が上かもしれませんね。



2026年2月7日土曜日

最後の公開授業!

6年生最後の公開授業研究会が開催されました。
「どこの丸からスタートしたら,一筆書きが完成するかな?」

最初に提示したのは,板書①の図形です。この場面で子どもたちは「真ん中の丸」という共通点に気づきます。

このきまりが一般化できるのかを,②の図形で実験します。この図形も,「真ん中の丸」からスタートすることで完成できました。この共通点は,一般化できそうです。

次に,③の図形で実験します。真ん中には3つに丸があります。左,真ん中は完成できます。一方,左端はできません。M子は何度もその丸から完成できのかを試していました。しかし,それは無理でした。

すると,「丸から3方向」と声があがります。新たなきまりに気づいた声です。
「一筆書きができるのは,上,横,下と3方向に辺がある」
「できないのは,横,下と2方向しかない」
「②の図形も,できるのは3方向」
「①の図形も,できるのは3方向」

③で見つけた新たな共通点を,②①と他の図形にも拡大して考えることができました。
一筆書きの一つの定理を見つけた授業でした。



 

2026年2月6日金曜日

算数授業公開&解説セミナー

 2月28日(土)に授業テラス主催の私の授業公開&解説セミナーが開催されます。6年生「比」の授業を公開します。

詳細,お申し込みは以下からお願いします。

https://peatix.com/event/4854909/view?dlvid=a3fd787c-9793-4875-b215-cb66db4ac2fe&utm_medium=email&utm_campaign=pod-11433527&utm_content=5588415&utm_source=follow-organizer&sltid=0



授業のどこに注目するのか

2月28日(土)に大阪府吹田市で「算数授業のどこに注目するのか」をテーマとして研修会が開催されます。

授業を進める際に,教師はどこを見ているのでしょうか? また,なにを見ているのでしょうか?

授業を見る目の高い先生は,授業力も高い傾向があります。授業ビデオを通して,注目点を明らかにしていきたいと考えています。お申し込み・詳細は以下からお願いします。

https://www.kokuchpro.com/event/c35054767e6e44c46037c0dde6303eb1/



2026年2月5日木曜日

借金はマイナス?

「正の数,負の数を使ってすごろくをしよう」
このように投げかけます。-6から+6までの数字カードを作成します。2人1組でそのカードを1枚ずつ表にしていきます。すごろくには,-12から+12までの数字が順に書かれています。カードをめくって,そこに書かれた数字分だけコマを進めます。+のカードは右方向,+のカードは左方向に進みます。これはそれほど難しい内容ではありません。

次に,ルールを追加します。「+」「-」の演算記号カードを追加します。演算記号カード,数字カードの順にめくっていきます。

代表の子どもが,「-」「-6」のカードを引きました。0-(-6)となります。コマの位置を巡り,ズレが生まれます。「-6だね」「違うよ,+6だよ」という真逆の声です。
「-は借金ってこと。だから借金が増えるんだよ。-6」
「-6の借金が減るってことじゃない。だから,増えるんだよ」
「どういうこと???」

「-」を借金という言葉に置き換えことで,子どもの頭の中はかえって混乱してしまいました。そこで,「借金」という用語を使わず考えていくことにしました。

「+は前に進む。-は反対の左に進む」
「-で左に向く。次の−6で向きを反対に変えて6進む」
「後ろ向きに6進むと考えればいい」
「だから,-で左に向いて,-6は反対だから右に向いて進む」

演算記号の進む向きと,正の数・負の数の進む方向を組み合わせて考えることで,少しずつ「0-(-6)」の動き方が見えてきました。

中学校数学だと,機械的に「-と-は+になる」と教えられることもあるようですが,そこにはこんな意味が隠れているのです。


 

2026年2月3日火曜日

きまりはないの???

「正方形を□個くっつけた形を作ります」
2個つなげた形を作図します。自然と「1種類だ」と数値化の声があがります。それと同時に,「似た勉強したぞ」「No.89でやった」などの声が聞こえてきます。種類数を式化できるのではないかという思いの表出です。

そこで,3個つなげた場合を考えます。結果は3種類。ここから「個数−1」というきまりの声があがります。

そこで実験開始です。結果は5種類です。「個数−1」は当てはまりませんでした。しかし,ここであらたなきまりの声があがります。
「種類数が1から2,2から5と+1,+3となっている」
「だから次は,+5だから10種類」

子どもたちの多くは自信満々です。そこで,実験開始です。結果は,12種類。またまた子どもからうまれたきまりは当てはまりませんでんした。

こんなことを繰り返しながら,6個バージョンへと進んでいきました。


 

お向かいさんは180度?

 円の中に四角形を作図します。底辺の左は90度,右は70度で四角形を作図します。完成した図の上にできる角度は,どの子どもも110度と90度になりました。作図した円の大きさは,四角形の形は異なりますが,角度は全て同じ組み合わせになりました。

「なんで?」

疑問の声があがります。「四角形は角度が360度になるからだよ」と声があがります。しかし,これは正確な理由ではありません。すると今度は,次の声があがります。

「お向かいさんの角度の合計は180度になっている」

「本当だ」

「なんで?」

お向かいさんが180度になるのも,どの子どもたちの図形も一緒でした。この理由が不思議です。そこで,この理由を考えていきます。

しかし,これは難問でした。少しずつヒントを出しながら乗り越えていきました。

「中心から頂点に線を引くと,二等辺三角形ができる」

「だから,そこの角度は同じになる」

「それぞれの角度に印をつけると,合計は360度」

「同じ角度が2セットずつあるから,1セットは180度」

「そうか,お向かいさんの角度も同じセットがある」

時間をかけて,これらの言葉を共有していきました。

最後は,底辺の両端の角度を変えても180度になるのかを実験しました。




2026年1月31日土曜日

今日は関西算数セミナー!

今日は大阪市で関西算数セミナーが開催されます。

関西地区の若手・ベテランの先生方が参加し,授業実践をもとにした提案が行われます。和歌山県田辺市の先生方の提案されます!

会場は大阪市の阿倍野学習センターです。詳細・申し込みは以下からどうぞ!

 https://www.kokuchpro.com/event/bc6458c418863b6b05ee332f4655733a/

2026年1月30日金曜日

2辺増えている!

「周りの長さは何㎝ですか?」
このように投げかけます。正方形を3個横につなげた形が基本です。この場合は,8㎝です。

次に,この長方形の形を変えずに2個つなげた図形を考えます。できた図形は,全部で6種類です。1つずつ,周りの長さを確認します。横長長方形は14㎝です。次に,上下にずれて繋がった図形を考えます。このパターンは,14㎝と12㎝の2種類の長さがありました。
すると,「2辺増えている」と声があがります。周りの長さが減っているのに,「増えている」という声が聞こえてきました。この声の意味を読解します。
「つながっている辺がBは2ヶ所,Aは1ヶ所」
「1ヶ所増えただけだよ?」
「上下だよ」
「上の辺と下の辺で2ヶ所」

2つの長方形がつながる辺を拡大してみると,そこは2本の辺がくっついていることが分かりす。そこから「2辺くっつく場所が増えた」と考えたのです。

この見方を使うと,周りの辺の長さの変化をくっついている辺の数を考えることで見えてきます。2㎝ずつ辺の長さが減っていくことも見えてきました。

その後,長方形を3つつなげた場合を考えます。こちらは一体何種類の図形ができるのかで,子どもたちが悩みました。授業時間では40種類を見つけました!


 

2026年1月29日木曜日

塵も積もれば山となる

 「丸子さんは昨年0.5haの畑を耕しました。今年はさらにその半分の0.25haを耕しました。来年はさらにその半分の広さの0.125ha,再来年はさらにその半分の広さというように,毎年必ず前年の半分ずつさらに広げて耕して畑を広げていきます。丸子さんの畑は,何十年も先にはどのくらいの広さになっていますか」

この問題に出会った子どもから聞こえてきたのは,「大きくなる」「小さくなる」の真逆の声でした。そこで,この声の意味を読解します。

「増える面積はだんだん小さくなる」

「でも,全部の面積は増えていく」

面積の増え方は「小さくなる」けれど,合計の面積は「大きくなる」というのが子どもの思いでした。では,子どもたちは面積の合計値をどのように考えているのでしょうか?

頭の中のイメージをノートに表現してもらいました。その中の典型的な例が,板書中央にある図です。

子どもたちが分かりやすいと考えたのが右端の図でした。その理由を次のように説明しました。

「これは分かりやすい」

「パズルみたいだ」

「隙間に入っていくから分かりやすい」

「無限ループになるね」

「千年後とかに1haを越えるね」

「えー,超えないよ」

合計の面積が1haを超えるのか超えないのか,ズレが生まれてきました。

「増える面積は半分になって小さくなっていくから,1haにはならない」

「どんどん小さくなって,点みたいになるから1haには届かない」

「隙間にどんどん面積が増えていくけど,小さく増えるだけで1haにはならない」

「でもさあ,塵も積もれば山となるって言うから,いつかは1haを超えるよ」

「たしかに・・・」

「塵も積もれば山となる」の諺の登場で,1haを超えないと考えていた子どもの考えに揺れが生まれてきました。ところがここで,新たな声が生まれてきます。

「反比例に似ているよ。反比例のグラフは,0にどんどん近づくけど,0にはくっつかない。これも,1haには近づくけど,1haにはならない」

「残った隙間を見てください。隙間が半分埋まって,そのまた半分と埋まっていく。でも,いつまでたっても隙間は必ず残る」

「そうか。分かりやすい。だから隙間が残るから1haにはならない」

反比例のグラフとの関連付けと,増える面積ではなく残る隙間に視点を置き換えることで,1haを越えることがないことが見えてきました。しかし,「調べてみたい」と声があがります。最後は,ノートに畑を耕す絵を描いて実験します。どれだけ面積を半分ずつ増やしても1haを超えないことが見えてきました。

「塵も積もれば山となる」で盛り上がった1時間でした。



2026年1月22日木曜日

歯車は反比例?

 2つの歯車が噛み合った場合の回転数を考える問題に取り組みました。問題に出会った当初は,比例の問題・反比例の問題とも子どもたちは全く意識をしていませんでした。

問題に取り組む中から,「歯数が増えると,回転数が減る」ことに気づいた子どもから,「反比例っぽい!」と声があがってきました。

難しい問題場面でしたが,歯数と回転数の関係を少しずつ見出していくことができました。

反比例のグラフはどうなるの?

 前回の反比例の学習で,子どもたちから生まれてきた疑問が,「反比例のグラフはどうなるの」でした。今回は,その疑問にチャレンジします。

「面積24㎠の長方形の横x㎝と縦y㎝は反比例しますか」

このように投げかけ,データを整理します。その後,グラフ化します。その前に,子どもたちに予想をさせました。

「絶対に下がるグラフ」

「上がって下がる」

「上がるのと下がるのと2本になる」

様々な予想が生まれます。そこで,実際に作図します。結果は,カーブを描く下り坂になります。問題は,x軸とy軸まで線を伸ばしてもよいのかでした。

「0×24という式はないから,xが0の時の点は存在しない」

「x×y=24の式になるから,xが0になるとあり得ない式になる」

「0.0001㎝や0.00001㎝はあっても,0㎝はない」

究極の世界を具体的にイメージ化することで,0に点は存在しないことが見えてきました。



2026年1月16日金曜日

算数教材研究大全

 授業テラス主催の「算数教材研究大全」が,2月11日(水)19時30分から開催されます。詳細は,以下をご覧ください。


算数の授業いつもその場しのぎの教材研究になってない?

どの学年も毎日ある算数の授業。毎日毎日前日に指導書を見て、教科書通りの授業になってしまう。問題も教科書に書いている物を提示するだけになり。子どもの意欲もあまりない上、主体性がなく、深い学びにつながっていない。そして教え込みの授業になってしまい、テストの点を意識した授業になってしまう。その場しのぎではダメとわかっているから教材研究をしようとするが、時間が膨大にかかってしまう。

算数の教材研究1単元に何時間とかけていませんが?

その場しのぎの教材研究にならないよう、土日や家に帰ってから、放課後などにまとめて単元計画を考えるが、どのような手順で考えたら良いかそもそもわからない。とりあえず、学習指導要領を読んで必要な明確にしたり、教科書の問題のオリジナル問題を考えたり、子供が意欲的になる仕掛けを考えたり、良い実践が他にないかネットや本で調べたり、色々していたら気づいたら5時間ほど経っていませんか?そんなに時間をかけたのに、思い通りに授業がいかないこともある。

そんな先生を救います!

今回は、算数のスペシャリストでもある尾崎先生が質の高い教材研究のやり方を解説してくれます。時短ではありません。効率よく教材研究うれば短時間で主体的、対話的で深い学びを十分に提供できます!

その学年、どの単元でも明日からみなさんの役に立つはずです!

業務の多いこの仕事。毎日ある算数の教材研究を、効率よく深いものにできるようになりましょう!

【日時】

2026年2月11日


【プログラム】

  19:20 受付
  19:30オープニング
  19:40 尾崎先生によるセミナー
  20:20   ブレイクアウトルームで交流
  20:25 交流
 20:30 クロージング

【定員】
オンライン50名(先着順)

https://funsansuu.peatix.com/event/4803622/view?utm_content=5588415&sltid=0&utm_medium=email&dlvid=5f688f35-5f3c-4e27-a035-5812b8dc5287&utm_source=follow-organizer&utm_campaign=pod-11433527

2026年1月15日木曜日

エアーホッケー!

 「円形のエアーホッケー場があります。スタートからゴールまで,何本の直線ができますか」

このように投げかけます。90°でパックを発射すると,反対側のゴールまでにできる直線は1本です。

次に子どもから「45°なら・・・」と自然に声があがります。よい反応です。ところが,45°でできる本数にズレが生まれます。2本と3本です。それぞれの子どもたちのパックの動きのイメージが異なることが原因でした。

そこで,本当は何本か実験します。すると,実験をしても「2本」「3本」と結果にズレが生まれます。その原因は,2本目の直線の発射角度の測定位置にありました。どの位置を45°とするかで,2本目の直線の軌跡が異なるのです。すると,次の声が生まれます。

「1本目の線を描いたら,回転してリセットしたらいい。そうしたら,最初の直線と同じ場所が45°になる」

「リセット」してスタート位置に回転していくことで,45°の位置を1本目と同じ位置にすることが見えてきました。このリセット方式で,再度実験を行います。結果は2本です。

すると,「比例の逆になっている」と声があがります。

「本当だ」

「角度が1/2になると,本数が2倍になっている」

「でも,比例ではないね」

「比例の逆だね」

「30°なら3本になるってことだね」

2種類にデータから,反比例の見方が生まれてきました。この見方が正しければ,30°は3本になるはずです。そこで,実験で確かめます。

結果は,予想通りの3本になりました。この見方を活用すれば,15°の場合は6本になります。この本数も実験で確かめます。

これは作図に苦労をしました。角度が少しズレると,本数が増減してしまうからです。正確に分度器を使いこなすことで,6本になることが見えてきました。

反比例の導入場面です。



2026年1月14日水曜日

8年後の答え合わせ!

 すぐに成果が見えないのが,教育という仕事の特性です。

先日,本校初等部卒業生の成人式が開催されました。初等部を卒業して8年後の子どもたちは,いや子どもではなくもう大人ですね。とても凛々しいい姿でした。

さて,彼らと話をしていて聞こえてきたのは,「小学校時代に尾﨑先生から算数を好きにさせてもらえたおかげで,高校の数Ⅲまで数学を楽しく学べました」という多くの声でした。

初等部の算数では知識・技能面だけではなく,思考力を愉しい授業を通して高めていくことをめざしていました。「すばらしいマークをもらえたことがうれしかった」という声もありました。これも,思考力が発揮された場面で与えたマークです。

初等部で学んだ学び方が,その後の子どもたちの学の姿につながっていったことを知ることができました。成人した子どもたちは,どの子もきらきらしていました!

面積はどう変わる?

次のように子どもたちに投げかけます。
「長方形の中に,三角形が入っています。長方形の横の長さと,底辺の長さは同じです。残りの三角形の頂点が,長方形の辺上を移動する時,三角形の面積はどのように変化しますか。」
長文の問題です。この問題文を読解します。頭の中のイメージにズレが生まれました。

その後,問題文と図を対応させていきます。
「面積は変わらない」
「だって,底辺と高さは同じだから」
「横に頂点が動いても,高さは変わらないから」
「底辺×高さ÷2だから,面積は同じだ」

多くの子どもが安定しています。ところがここで「変わるよ」という声が聞こえてきます。この声をきっかけに,図形を見直します。何人かの子どもたちが「変わるよ」と考えを変え始めます。
「辺上を移動すると問題文にあるから,横の辺のところ動く」
「横に行ったら,面積は小さくなる」
「高さが小さくなるから,面積も小さくなる」

ところが「辺上」の言葉を,「上の方の辺」と捉える子どもがいました。この捉えだと,長方形の上の横の辺だけを移動することになります。
「辺上」の言葉の捉えをめぐり,議論が進みます。最後は,国語辞典を使って「辺上」の意味を探っていくことで,横の辺の真上も頂点が移動していくことが見えてきました。この捉えで考えると,面積は次第に大きくなり,その後は同じ面積を維持し,再び小さくなることが見えてきました。


 

2026年1月10日土曜日

初夏に新刊本が出ます!

 今年の初夏に,明治図書から新刊が出ます。タイトルは『算数授業者に必須の技術,1冊にまとめてみた』です。昨日,最終原稿が仕上がりました。冬休みは原稿執筆と校正に費やされました・・・。いや,結構のんびりしていましたけどね。

8つの視点から,授業の必須の技術をまとめています。1年生~6年生の実践を基に解説していますので,若い先生からベテランの先生までお役に立てるのではないかと考えています。

初夏の発刊をお楽しみに!

2026年1月8日木曜日

授業のどこに注目していますか?

 2月28日(土)に大阪府吹田市で,「子供が愉しむ算数授業研修会」が開催されます。大阪と和歌山の若き算数人が進める研修会です。詳細は,以下のちらしをご覧ください。

明日,1月9日(金)18時から申し込み開始です!





1月11日は全国算数授業研究会新潟大会です!

 今週末1月11日(日)は,新潟市立日和山小学校を会場にした,全国算数授業研究会新潟大会が開催されます。寒くなる天気予報ですが,きっと会場では熱気あふれる授業やワークショップが展開されることでしょう!

お申し込みがまだの方は,以下からお願いします。

https://zensankenniigata.peatix.com/

1月11日(日)

 8:00〜      受付開始

 8:30〜 8:45 開会式

 9:00〜 9:45 授業①

10:00〜10:45 授業②

11:00〜12:00 ワークショップ

13:00〜13:50 授業①の協議会

14:00〜14:50 授業②の協議会

15:10〜16:00 鼎談(私はここで登壇します)

16:00〜16:15 閉会式