2026年4月29日水曜日

約数が多い数はどれ?

 「約数が多い数はどれですか?」

このように投げかけ,目を閉じさせます。その後,現れたのが24,48,60,84でした。直感でどの数字の約数が多そうか判断させます。84と予想する子どもが半数近くいました。

そこで「84が一番多いと考えた人の気持ちを予想しよう」と投げかけます。

「84の一番大きい約数は84,一番小さい約数は1」

「1と84の間が一番遠いから,一番多くなる気がする」

「60は一番小さい約数が1,一番大きい約数が60。間が59だから間の数が少ない」

84の約数の数が最大になると考える気持ちを読解しました。答えを見つけることよりも,子どもたちの論理を読解していくことが算数授業では大切なのです。

その後,各約数を書き出して確かめます。結果は,60と84が約数が一番多いことが分かりました。この約数を書き出しているときに,「数字が大きいからと言って,約数が多いとは限らないよ」とつぶやく声が聞こえてきました。後半は,この声の意味を共有していきます。

「例えば83は1と83しかないよ」

具体的な数値例が生まれてきました。83の約数は2つしかありません。数の大きさと約数の数には比例的な関係がないことも見えてきました。


2026年4月26日日曜日

「サバ缶,宇宙へ行く」に見る教師の気づき力

 フジテレビで「サバ缶,宇宙へ行く」というドラマが放映中です。旧・小浜水産高校が宇宙食となるサバ缶を開発するストーリーです。ドラマでは若狭水産高校として描かれています。

先日の放送回の中で,教師の気づき力がていねいに描かれた場面がありました。東京育ちの女生徒が周りの生徒たちから疎まれた存在となっていました。彼女自身も地方での暮らしに嫌悪感を抱ていました。サバ缶開発にも乗り気ではありませんでした。

そんな彼女を変えたのが教師の気づき力でした。HACCPの認証を獲得するために生徒全員でサバ缶製造室の改造に取り組みます。その時の彼女の何気ないHACCP獲得のためのいくつかの動きを見ていたのが担当教師でした。その気づきを彼女だけでなく,周りの生徒にも教師は伝えます。この教師の気づき力が,彼女を,そして周りの生徒たちの彼女への見方も変えていきました。ていねいなドラマ作りに感心してしまいました。

これはドラマの中でのストーリーですが,同様のことは現実の教室でも起こります。授業場面だけでなく,学校生活での何気ない子どもの気配りある動きを教師がいかにキャッチできるかで,授業がクラスが変わっていきます。

先日は私が担当する5年生の算数授業を別教室で行いました。授業が終わった時,一人の女の子が机上の消しゴムカスを手で集めてゴミ箱に捨てる姿が目に入りました。「えらいねえ」と褒めると,ニコッとして教室へと戻っていきました。

新学期が始まって2週間が過ぎました。教師の気づき力をアップして,授業をクラスを変えていきましょう!


2026年4月25日土曜日

子どもが探究していく愉しい算数セミナーのご案内

6月20日(土)大阪府吹田市で算数セミナーを開催します。テーマは,「子どもが探究していく愉しい算数」です。詳細は,以下をご覧ください。 

◆開催日時:2026年6月20日(土) 13:00〜17:00

◆場所:吹田市活動交流館
    (大阪府吹田市岸部中1丁目22番2号)
    阪急バス【吹高口】徒歩3分 JR【岸辺駅】徒歩15分
大会テーマ「子どもが探究していく愉しい算数授業づくり」

スケジュール
12:15 〜 12:45 受付準備
12:45 〜 13:00 受付
13:00 〜 13:05 オープニング
13:05 〜 13:15 基調講演
13:15 〜 13:20 休憩・準備
13:20 〜 13:40 各学年事前研
13:40 〜 13:50 休憩・準備
13:50 〜 14:10 模擬授業①
14:10 〜 14:30 協議会①
14:30 〜 14:40 休憩・準備
14:40 〜 15:00 模擬授業②
15:00 〜 15:20 協議会②
15:20 〜 15:25 休憩・準備
15:25 〜 15:45 各学年事後研
15:45 〜 15:55 休憩・準備
15:55 〜 16:40 講演会 尾﨑正彦先生
16:40 〜 16:45 クロージング

17:30 〜 20:30 懇親会

参加費 2500円
※参加費は当日、現金でのお支払いをお願いいたします。
(懇親会参加費 4000円程度を予定)

お申し込みは以下のアドレスからどうぞ!

2026年4月24日金曜日

ビルを作ろう!

「正方形のタイルをつなげて,四角いビルを作ろう」

このように投げかけます。

タイル1枚なら,ビルは1階建ての1パターンできます。

タイル2枚はどうなるでしょうか。これは1階建てと2階建ての2パターンできます。ここで生まれてきたのが,「次は3つで3パターン」という声です。この声の意味を読解します。

「1つで1パターン,2つで2パターン」

「タイルの数とビルのパターン数が同じだから,3つで3パターン」

タイルの数とビルの種類数に関数的な きまりを見出そうとする姿が生まれてきました。

実験でタイル3枚を確かめます。結果は,1階建て,3階建ての2パターンです。子どもたちが見出し始めた決まりは破綻しました。

しかし,ここで新たなきまりを模索する声が生まれてきます。

「1,2,2,3,3,3,4,4,4,4とパターン数が変わる」

「4つのときは4パターンになる」

多くの子どもは,このきまりに自信を持ち始めています。

そこで,タイルが4枚の場合を実験します。結果は,1階建て・2階建て・4階建ての3パターンできました。新たなきまりは当てはまりそうです。

次はタイル5つを実験します。きまり通りなら,3パターンできます。結果は,1階建てと5階建ての2パターンしかできません。またしても予想したきまりが破綻します。

するとまたまた新しい決まりの予感の声がします。

「例えばタイル4枚なら,4÷1=4,4÷2=2,4÷4=1でわれる」

「われる式の数と,パターン数が同じ」

「???」

「タイル3つもそうだよ。3÷1=3,3÷3=1でわれる式は2つ。パターン数も2つ」

「そうか!わかったぞ」

事例が2パターン取り上げられたことで,一気に理解が深まりました。抽象的な言葉で伝わりにくい内容は,いくつかの具体例で説明することでイメージ化が一気に進みますね。

わりきれる整数の数が,タイル数の約数と同値となっています。約数・素数との出会いの授業でした。


2026年4月22日水曜日

研究主任研修IN帯広

 今日は,北海道帯広市で研究主任研修会に参加しました。市内の小中学校の研究主任の先生方が集まりました。

授業創りの基本コンセプトやその具体例,校内研修の意味やその改善策を先生方にも考えていただきながら演習形式で進めていきました。

校内研修のゴールは自校の子どもたちの学力向上です。そのためにどんな手立てを講じることがベストなのかを考えていけば,自ずから研修方法が見えてくるのではないでしょうか。小中学校の校種をこえて,よい学び合いができました。

2026年4月21日火曜日

6cmと8cmで正方形を作る

 「縦6cm,横8cmの長方形のタイルを隙間なく並べて正方形を作ります。タイルは何枚必要ですか」

この問題文から,すぐに映像が浮かぶ子どもは多くはありません。そこで,どんな映像が浮かんでいるのかをノートに書かせます。

最初にタイル4個を縦・横ともに2個ずつ並べたイメージ図を提示します。「これで正方形が完成したね」と投げかけます。すると,次の声があがります。

「長方形だよ」

「横16cm,縦12cmだから違うよ」

具体的な長さの話題が子どもから生まれてきました。これで,前述の図形が長方形であることが見えてきました。その後,タイルを縦にも横にも伸ばしていきます。すると一辺が24cmの時に正方形になることが見えてきました。これで正方形が完成です。そこで,「図を描けば,正方形が見つけられるんだね」と投げかけます。

すると「そんなことしなくても分るよ。倍数を書いていけばいいよ」と声があがります。24cmを2倍,3倍と計算していくことで,別のサイズの正方形を見つけていくことができるのです。「図を描くよりも,こっち(倍数か書く)の方が簡単」と,倍数を書き出す方法のよさに気づくこともできました。


セットが続く!

 「3拍子と4拍子のリズム打ちをしよう」

このように投げかけ,クラスを半分に分けてそれぞれのリズム打ちを練習します。その後,一緒にリズム打ちを始めます。

すると,ある場所で両者のリズムが揃う瞬間が生まれます。「気のせいだ」「たまたまだ」という私の挑発に対して,「たまたまじゃない」「図で説明ができる」などの声があがります。

××○と×××○の3拍子と4拍子の図や,3,6,9,12や4,8,12の各倍数を書き出していくことで,子どもたちは12回目にリズムが揃うことを発見していきます。

この後,「12回目に揃ったのはたまたまだね」と投げかけます。すると「たまたまじゃないよ」「もっとあるよ」「24,36回目も揃う」と声があがります。しかし,12から先の世界の見え方は一様ではありません。

「12のセットが」

「セット」という素敵な声があがります。この意味を読解します。

「このセットが,もう一つできると24」

「またセットができると36・・・」

12のセットを何回もコピーして公倍数を探るという見方が生まれてきました。公倍数とセットという言葉は,場面をイメージ化するのにとてもよい言葉でした。

倍数・公倍数の導入場面でした。



出雲でビデオ研修!

 昨日は島根県出雲市の校内研修に参加しました。私の算数授業ビデオを上映しながら演習&解説を行う研修です。今回訪問する学校は,数年前から年間2回入っています。少しずつ,しかし着実に先生方の指導力が向上しています。

公立校は新年度になると新しいメンバーが異動してきます。そのフレッシュな先生たちに算数授業の進め方をイメージ化してもらうためにも,4月の早い段階で行うビデオ演習はよい研修方法ですね。

2026年4月17日金曜日

十字架の秘密

 「十字架の中に数を入れて,縦の合計・横の合計が同じになるようにしよう」

このように投げかけます。1・2・3・4・5の数字を1つずつ入れていきます。

先ずは,十字架の真ん中に1を入れたパターンを試します。しばらくすると,「できました」の声がします。問題になったのは,数字の位置を変えたものを,同じと見なすか否かでした。この話題を考えたときに出てきたのは,次の声でした。

「1~5の合計は15」

「真ん中の1を引くと14になる」

「縦・横は(真ん中を除くと)7になる。7になるのは2+5と3+4しかない」

「組み合わせはこれしかないから,場所が変わったものも同じだよ」

その後,真ん中が2の場合を考えます。すると「2は作れない」と声があがります。その理由を,先ほどの声をもとに説明していきます。

「15-2で13」

「13÷2=6あまり1になるから,2つに分けられない」

「(真ん中を除いて)縦の合計が6だと,横の合計は7になるからできない」

さらに,「真ん中が奇数ならできる」という声が続きます。

「奇数-奇数=偶数」

「偶数なら2つに分けられるから,真ん中3は計算できる」

十字架問題を,既習の偶数・奇数とそれらの計算の組み合わせから考えていくことができました。十字架に入れる数値から式化の発想へと広げていける見方が柔軟ですね。


2026年4月15日水曜日

奇数になったら当たり!

長方形が3段積み重なった図形を提示します。

「一番上の□が奇数になったら当たりゲームをしよう」

このように投げかけ,代表の子どもが3枚の数字カードを袋から取り出します。0,14,12のカードが 取り出されます。最下段のどこに並べても,一番上は偶数になってしまいます。

2回戦も同様の結果になりました。すると次の声があがります。

「偶数+偶数は偶数になるからだよ」

「奇数がないとだめだよ」

そこで,3回戦を行います。今度は奇数の1,13,5が取り出されます。ところが1番上は偶数になってしまいました。子どもからは,次の声があがります。

「例えば5+3=8だから,奇数+奇数は偶数になる」

「あまり1+あまり1をするから,あまりが0になる」

さらに,これらの数を図で説明する子どももいました。〇を使って,5と3を表します。あまり1の部分だけ飛び出す図です。この2つを合わせると,長方形になります。

「5は1飛び出している。3も1飛び出している。2つを合わせると,飛び出しがなくなる」

「一人ぼっちの〇と一人ぼっちの〇を合わせるから,2人ぼっちなる」

〇の図を使うことで,奇数・偶数を知らない友達にも奇数と奇数を合わせると偶数になることが分かりました。

その後,偶数と奇数が混ざらないと1段目は奇数にならないことが見えてきました。



2026年4月14日火曜日

あまったら負け!

 「あまった方が負けゲームをしよう」

子どもたちに投げかけます。ルールは次の通りです。

①2人1組でゲーム

②1人2ます交互に印をつける(じゃけんで勝った方が先につける)

③最後に1ますあまった人の負け

封筒に入ったゲーム用紙を順次取り出し,ゲーム開始です。

封筒には4種類のマス目ゲーム用紙が入っています。ゲームが進行すると,「また引き分け」「全部引き分けだ」という声と「4勝0敗」「3勝1敗」という声が聞こえてきました。

しばらくすると「マス目に秘密がある」と声があがります。なにかに気づいたようです。

そこで,全部引き分けチームのマス目は,28,36,32,24マスでした。一方,勝負がついたチームのマス目は,35,21,37,25マスでした。

このマス目数を見た子どもたちが,数を分析します。

「勝負がつくのは,2でわると1余る」

「引き分けは,2でわるとわりきれる」

マス目の数が,チームによって異なっていたのです。つまり,偶数マスだけのチームと,奇数マスだけのチームがあったのです。

偶数・奇数の学習の1コマでした。


2026年4月13日月曜日

出会いの授業

 ようやく今年度初めての出会いの算数授業を行いました。

「次の計算をやってみよう」

このように投げかけ,①21×24 ②12×42と順に問題を提示します。

②の計算を終えた子どもから「答えが同じ」という呟きが聞こえてきます。さらに,計算の式の一の位と十の位が入れ替わっている気づきも生まれてきます。きまりに気づいた声です。一方,「数字は無限にあるからたまたまかもよ」という声も聞こえてきます。すぐにきまりに満足しない態度も大切ですね。

そこで,他の問題で実験です。3・4問目,5・6問目の計算も答えが同じになりました。するとここで,「あっ!」という声があがります。なにかに気づいた声です。

「①の(一の位)は縦に計算すると1×4で4。②も縦に計算すると2×2で4」

これで新しいきまりに共感する声が続きます。

「十の位も縦に計算すると,2×2で4と1×4で4」

「だったら③と④もそうなっている」

「一の位は3×4で12と2×6で12。十の位も2×6で12と3×4で12」

答えが同じになる式に隠れた秘密を見つけることができました。この日は20分授業だったので,ここで時間切れでしたが,授業後「⑤と⑥も同じになっているよ」と,さらに場面を拡張して考える子どもの姿も見られました。子どもの発想は豊かで柔軟ですね。

この教材は,学校図書3年生の教科書にも掲載されている内容です。

今年は5年生3クラスの算数を教えています。勤務校(国立学園小学校)も立場(教頭)も変わりましが,算数授業は引き続き担当しています。