2022年7月27日水曜日

8月は淡路島と新潟で授業!

 もうすぐ8月ですね。8月は淡路島と新潟県柏崎市で授業を行います。淡路島は校内研修,柏崎は市の全体研修です。淡路島は5年生,柏崎は3年生の子どもたちとの授業です。さて,どんな子どもたちとの出会いが待っているのでしょうか。楽しみです!

2022年7月26日火曜日

オンデマンド教育の時代到来

 多くの学校が夏休みに入ったのではないでしょうか。

さて,先日スタディサプリ関係者による感謝祭が東京で開催されました。その中で,スタディサプリが順調に視聴者数を伸ばしていることが報告されました。神授業の講師陣による授業のオンデマンド配信がこれからに時代のニーズに合致していることを証明するデータだと考えられます。

今回の感謝祭の中では,ある高校でのスタディサプリ活用の取り組みが紹介されました。その高校では,スタディサプリ動画視聴を授業に取り入れていることや,夏休みや週末の課題としてスタディサプリを使って予習や復習に活用することが教師から提示されている事例が報告されました。

スタディサプリというと,家庭で学校の授業の予習・復習用に取り組むというイメージがあるかもしれません。しかし,高校では授業時間帯や教師からの宿題としてスタディサプリが活用されているのです。この波は,いずれ義務教育である小中学校にも波及してくるのではないでしょうか。小中学校ではすでに1人1台のタブレットが完備されています。環境面の整備は十分にできています。あとはタブレットでどんなコンテンツを活用することが,子どもの学力を高める上で最も効果的かを考える時期です。

これまではタブレットを使っていればよかったのかもしれません。子どもはタブレットを触ることが「好き」ですから。しかし,その「好き」は残念ながら授業内容に対する「好き」ではありません。そろそろ「好き」の中身を教師がしっかりと考え,授業内容の充実へとシフトを変える時期です。その意味では,スタディサプリは有効なコンテンツとして活用できるのではないでしょうか。

前述の高校では,スタディサプリ動画を視聴したことで,歴史に対する興味が向上し,それが模擬テストの得点向上にもつながり,最終的には希望した以上の大学に合格したという実績が報告されていました。

タブレットを活用するのであれば,授業内容を「好き」になり,さらに学力も向上するというコンセプトで授業デザインを行うことが必要ですね。


2022年7月19日火曜日

円はどうやって面積を求めるの?

正多角形の面積の面積を求めてきました。辺の数が増えると,面積も大きくなりました。この事実から多くの子どもたちは,円の面積が最大になると予想しました。しかし,正多角形とは異なり,円には「底辺がないから,どうやって面積を求めるの?」と子どもたちは問いを持ちました。

そこで生まれてきたアイディアが,円を1/4の扇形に切ってその部分の面積を先ずは求めようとするものでした。

「扇形の中に,三角形をたくさん描いていきます。そうすると,底辺の当たる部分はほぼ直線に見えます」

「切った三角形を横に並べます。高さは同じだから,(上の頂点を)くっつけたら1つの三角形になる」

「底辺の演習が32㎝だから,それを4でわって8㎝」

「高さは半径になる」

「1/4じゃなくて,円全部の中の三角形を互い違いにくっつけたら,長方形みたいになる」

「そうしたら面積は,半径(高さ)×(円周÷2)になるね」

「円周は,半径×2×3.14だから,さっきの式は,半径×半径×2×3.14÷2=半径×半径×3.14になる」

子どもの中には,三角形に分割して並べ替えると長方形になるということは,イメージとしては理解ができても,実際には底辺が凸凹になると考える子どももいました。

そこで,実際に円の折り紙を折り込んでから切り分け,並べてみました。すると,「あれ,長方形に見える」「以外に長方形」と驚きの声があがりました。

長方形や三角形に置き換えることで,円も概算ではありますが面積を求められることが分かった時間でした。

 


2022年7月16日土曜日

辺の数と面積の関係

 前回の授業の最後の問いを子どもたちに投げかけます。

「辺の数が増えると,面積も増えるのでしょうか」

これまでの結果から,この問いについては子どもたちも面積は増えると考えています。しかし,この考えから「だったら,円の面積が最大になる」という前時にも生まれた反応についての考えには,ズレが生まれました。

「もし正五角形なら,それは円の中に入って隙間ができるから,円の方が面積が大きいよ」

「周りの長さはどちらも同じだから,円と正五角形は中に入る場所と飛び出す場所がある。だから,隙間が埋まったり逆になったりするから面積は同じになるかも」(K男)

「そうかあ,それなら円が最大とは言えないかも」

K男の考えで,子どもの考えは面積は同じに揺れ始めます。おもしろくなってきました。

先ずは,正多角形と面積の関係を確かめていきます。

正八角形の面積は76.8㎠,正十六角形の面積は80㎠,正三十二角形の面積は81.6㎠と増えていきました。この結果から,子どもたちは次のように考えました。

「面積は増えてきたね。でも,増え方は減ってきたね」

「でも,円で面積が減るということはなさそうだね」

「やっぱり円が最大になりそうだね」

「極限まで角が増えたら,円に近づきそうだね」

「円の面積はどうやって求めたらいいんだろうね」

「円を無理矢理三角形に分けたらいいのかなあ」

円の面積が最大になりそうだということは,見えてきました。しかし,その面積をどのように求めたらいいのかが問いとなりました。三角形に分割するアイディアが生まれてきました。ここで時間切れとなりました。次回は,ここからスタートです。



円と正多角形の面積の関係

子どもたちに次のように投げかけます。

「周りの辺の長さが同じ正三角形と正方形,面積が大きいのはどちらでしょうか」

具体的な長さは,この時点では意図的に提示しません。すると子どもたちが話を始めます。

「辺の数が多いから正方形の方が面積が大きいよ」

「でも,三角形の方が辺の長さは長いから,そうとは言えない」

「三角形の面積は底辺×高さ÷2。三角形の高さは一辺の長さよりも短くなるから,三角形の面積は小さくなる」

具体的な数値がなくても,このように子どもたちは論理を深めていくことができるのです。

さて,子どもたちの予想が正しいのか実際の長さを提示し,計算をしていきます。周りの辺の長さの合計は32㎝です。計算を行うと,三角形は49.752㎠,正方形は64㎠となり正方形が圧倒的に大きいことが分かりました。

続いて,「正方形と正五角形では,どちらの面積が大きいかな」と尋ねます。すると今度は,先ほどとは異なる反応が生まれてきました。

「辺の数が増えていくと,角の大きさがとれていくみたいになるから,小さくなるんじゃないかな」

「円に近くなるね。だから,円に近くなると面積大きくなるんじゃないかな」

「えっ,そうかな。円に近づくと小さくなるんじゃないの」

「円の中に正五角形と正六角形が入るとすると,正五角形は隙間が大きいけど,隙間の数は少ない。正六角形は隙間が小さいけど,隙間の数は多い。だから面積はどこかで同じになる?」

円という同じ図形をイメージしているのに,面積のイメージは真逆の反応が生まれてきました。想定外の反応でしたが,子どもの考えはおもしいですねえ。さて,これらの話し合いを受けて,子どもの考えは面積は同じに揺れ始めます。おもしろくなってきました。

そこで,正五角形の面積を求めます。結果は,70.4㎠となります。子どもからは「えー」「なんでえ」という声もあがってきました。予想とのズレに出会った声です。

今度は,この結果から新たな考えが生まれてきます。

「だったら,正〇角形の角の数が増えたら面積も増えるんじゃないかな?」

よい予想が生まれてきました。しかし,ここで時間切れとなりましたが,よい考え方が生まれてきた1時間でした。







 

2022年7月11日月曜日

北海道帯広の小学生と授業をしました

 今週は北海道帯広の小学生と授業を行いました。円の導入場面です。3年生の素直でかわいい子どもたちでした。

想定外の反応がありましたが,しばらくすると子どもから「あれ,なんか変!」と声があがり,想定外の場面を乗り越えることができました。正直あせった場面でしたが,こちらに子どもを待つ姿勢があれば,解決策は子どもから生まれてくることを実感した瞬間でした。

普段はあまり活躍しない子どもたちが,大活躍をしてくれたようです。「いままで一番楽しい算数だった」とうれしい声が最後に聞こえてきました。この一言が聞こえるだけで授業をした甲斐があったなあとうれしくなります。

2022年7月8日金曜日

2学期スタートダッシュセミナー開催

 8月28日(日)に兵庫県で「2学期スタートダッシュセミナー」を開催します。

会場は,西宮市立生活文化会館です。12時30分〜の開催です。

兵庫県の算数大好き先生と私のコラボ企画です。詳細は,以下のチラシをご覧下さい。申し込みも,以下のQRコードからお願いします。



2022年7月7日木曜日

50年後を予想しよう!

 子どもたちに,次のように投げかけます。

「グラフの50年後を予想しよう」

この時点では,まだグラフは提示していません。それにもかかわらず,子どもたちは次々と話し合いを進めていきます。

「どんなグラフか分からないと予想できない」

「どうやって予想したらいいの?」

「例えば,1年前が32mで,今が35mだとします。3mずつ増えたから,1年後は38mと予想ができる」

「でも,32mから35mに増えたとしても,次は違う増え方かもしれないから,もっとデータがほしい」

「1,3,5,8みたいな変わり方もあるからデータは多く欲しい」

「円安・円高みたいに同じきまりで変わらないものもあるよ」

これらの話し合いから,先を予測するためにのデータ数は多いほどいいということが見えてきました。

ここで,データを提示します。人口ピラミッドの1950年のものです。社会科でも目にした子どもがたくさんいました。

「子どもが多い」

「だいたいピラミッドみたいになっている」

「線対称みたい」

これらの気付きが生まれてきました。

次に,2000年のデータを提示します。

「子どもが減った」

「大人が増えた」

「1950年の時に子どもだった人が,50歳位になっているから50歳当たりが多い」

「それなら,また50年後は50歳位の大人がそのまま上に行くということだね」

1950年,2000年の2つの年代のグラフを提示することで,自然と子どもからさらに50年後を予測する声が生まれきました。

そこで,白紙の人口ピラミッド用紙を使って2050年の人口ピラミッドを予測しました。多くの子どもは,老人の人口が多くなってました。「医療が発達するから,亡くなる人は少なくなる」と老人が増える理由を予測する子どもたちもいました。

データをもとに根拠を明確にし,その先の未来を予測する学習に取り組みました。子どもたちが予想したデータの答え合わせは,28年後にできます・・・。



2022年7月5日火曜日

体力は落ちているのか?

 子どもたちに次のように投げかけます。

「今の子どもは昔に比べると体力が落ちていると言われています。本当でしょうか」

子どもたちは,この問いかけに次のように考えました。

「お母さんが,子どもの頃は外で遊んでいたと言ってたから本当」

「昔はゲームがなかったから,外で遊んだから本当」

これらの指摘は最もです。しかし,これで本当に体力は落ちたと断言できるのでしょうか。すると,子どもからは「データがほしい」と声があがってきます。そこで,子どもたちに右のデータを提示します。これは,学校図書の教科書に掲載されている「今と15年前の6年1組のソフトボール投げ」の記録です。

このデータをどのように分析するのかは,子どもに任せました。ただし,3つの視点で分析し,自分なりの結論を出すことを条件として提示しました。

子どもたちは,これまでに学習した「平均」「ドットプロット」「度数分布表」などを作成し,さらに「最頻値」「中央値」「最大値」などの視点でデータに向き合っていきました。2時間,子どもたちはじっくりとデータに向き合い,自分の結論をノートにまとめていくことができました。多くの子どもは,ノート2ページに渡り考えをまとめていきました。

その後,子ども同士でノートを交換し,お互いの分析結果を読解する時間を設定しました。交換後は,友だちのノートに刺激を受けて自分の分析レポートを修正する姿も見られました。こんな前向きな姿勢も素敵ですね。