2024年4月24日水曜日

単位を置き換える

 次の問題を子どもに提示します。

「次の立体の体積は何㎤ですか?」

縦300㎝・横500㎝・高さ400㎝の立方体の体積です。この長さを見ただけで「えー」と悲鳴があがります。「0」が多くなりすぎる予感がするためです。

この予感から,「だったらmにしたらいいよ」と声があがります。しかし,「問題には㎤と書いてあるから,㎝で計算しないとだめだよ」と声があがりました。従って,単位を変更することはできません。

㎝の単位のままで計算します。

500×300×400=60000000(㎤)と答えは出ました。しかし,計算途中から「0がやばい」「0が多すぎる」と声があがります。計算前の予想通りの結果となりました。

この結果から,子どもたちは「問題文を㎥に変えたら簡単になる」と考えます。長さの単位を㎝からmに変えて計算します。

5×3×4=60(㎥)とシンプルな数字に置き換わりました。「0が7個から1個に減った」という0の数の変化に着目した声も聞こえてきました。

ここで,新しい単位である「㎥」の意味を教えます。

次に,1㎥は何㎤になるのかを尋ねます。ここで聞こえてきたのは,「100」と「1000000」の2つの数値でした。そこで,「100と考えた人の気持ちは分かるかな?」と尋ねます。

「1mは100㎝だから,100と考えたんだと思う」

この読解活動は簡単でした。しかし,この読解に対して声があがります。

「1mの箱の中に,1㎤が100個しか入らないなんておかしいよ」

教室にある大きめの机の中に,1㎤のブロック100個セットを入れて説明してきます。この実物を使った説明に,子どもたちも「100はおかしい」と納得です。

では,一体何個の1㎤の立体が入るのでしょうか。

「さっきの計算で,0が7個から1個に減った。0が6個分減ったから,1㎥メートルは0が6個つく1000000㎤になる」

「1㎥は1m×1m×1m。㎝に直すと,100㎝×100㎝×100㎝になる。1mと100㎝は同じ意味だから,計算すると1000000㎤になる」

いずれの説明も既習を使った論理的な内容です。子どもたちも納得でした。

最後は,1m定規を組み合わせて1㎥の立方体を作成して,1㎤が1000000個入るイメージを実感させました。この活動も盛り上がりました!