2024年2月3日土曜日

どうぶつの赤ちゃんプラス+で国語と算数の合体!

 国語×算数の授業公開が終わりました。子どもたちに,次のように投げかけます。

「人間の赤ちゃんは,ライオンとしまうまの赤ちゃんのどちらに近いですか。」

最初の判断は,全員がライオンでした。ここは私の想定とは異なりましが,理由を子どもたちが説明していきます。

「しまうまは『目もあいて耳も立っている』けど,人間は目は見えないし耳も聞こえないからライオンに近い」

「ライオンは『目や耳は閉じたまま』と書いてあるから,人と同じ」

「『よわよわしくて』と書いてある。人も弱いからライオンに近い」

「ライオンは『歩くことはできません』と書いてあるけど,しまうまは『三十分もたたないうちに立ち上がる』と書いてある。人間はお母さんに抱っこされないとだめだから,ライオンに近い」

「ライオンは『おちちは2か月くらい』と書いてある。しまうまは「7日くらい」と書いてあるから,人間はライオンに近い」

「でも,しまうまはおちちも草も7日目から食べる。人間もお乳を飲んだ後でお粥を食べることがあるから,しまうまに近いかも」

子どもたちは,教材文を根拠にライオンとしまうまのどちらに近いのかを考えてきました。この時点では,しまうまに近いと考える子どもたちが3人いました。最初とは異なる様相となりました。考えのズレがここで顕在化しました。

そこで,私から別の資料を提示します。それぞれの生き物の寿命のグラフです。ライオンとしまうまの寿命は20年を仮定したグラフを提示します。グラフの左端には赤い部分があります。これは赤ちゃん時代です。これを見た子どもから,「しまうまの赤ちゃん時代はちょっとしかない」と,ライオンと比較した見方が生まれてきました。よき気付きです。

次に,寿命を80年と仮定した人間のグラフを提示します。当然ですが,先ほどよりも長いグラフになります。しばらくすると,4本指を挙げる子どもの姿が見えました。そこで,この気持ちを読解します。

「人間のテープの中に,ライオンが4つ分入る」

4倍の関係を見出したのです。そこで,ライオンのテープを合計4本並べてみます。すると,確かに4倍になっていることが分かります。ここで,子どもたちから次の声が挙がってきます。

「赤ちゃんがバラバラになっていて変だよ」

「赤ちゃんが多すぎるよ」

「だったら赤ちゃんを切って集めたらいいよ」

提示したライオンの4本のテープには,いずれも左端に赤い部分があります。子どもたちはそこに違和感を抱いたのです。その解決策として,4つの赤を切り離して集めたらいいと考えたのです。

そこで,赤を切り離して左端に集めます。すると,赤の長さは伸びて人間の赤の長さに近づきました。4つの赤を集めたテープを見た子どもから,素敵な声があがります。

「人とライオンの赤ちゃんは同じだ」

国語的にも算数的にも,人間の赤ちゃんはライオンの赤ちゃんに近いことが見えた研究会の1時間でした。