2024年2月14日水曜日

反対になってる!

 子どもたちに,次のように投げかけます。

「りんごが12個あります。人で同じ数ずつ分けます。1人何個もらえますか?」

子どもからは「3個」という声も聞こえてきますが,「が分からないとできない」との声が続きます。

そこで,の数が2の場合を考えることにしました。子どもからは,「図を描けば分かる」と声が挙がります。そこで,図で確かめることにします。

答えの個数が6個と見えている子は,一気に1人分の6個を丸く囲みます。しかし,これは答えが見えているからできることです。2人の子どもが,それとは異なる分け方をしていました。そこで,その図を少しだけ提示します。12個の丸の両端の1個ずつを赤と青の丸で囲みます。それを見た子どもから,「そういうことか」と声が聞こえてきます。2人の気持ちが見えてきた子どもたちが説明します。

「1個ずつまず配るんだよ」

「そして,また1個ずつ配るんだよ」

この配り方で,残りの図を完成させます。すると1人分が6個になることが分かります。ところが,「それだと時間がかかる」「面倒」という声が聞こえてきます。一気に6個を図で囲んでいた子どもたちです。そこで,「なぜ,時間がかかる方法で図を描いたのかなあ。気持ちは分かる?」と尋ねてみます。

「一気にやるとわかなくなるから」

「一気に配ると,最初7個配って,次に5個配るかもしれないから」

「1個ずつ配ると間違えない」

「トランプも同じだ」

1人分の個数が見えていないときには,トランプ配りと同じように1個ずつ先ずは配っていく方法が妥当であることが見えてきました。

そこで,この方法で3人の場合を実験します。子どもからは,「1人増えたから,もらえる数が減りそう」と声があがります。よい予想の声です。早速,図で実験を行います。結果は4個もらえることが分かりました。

続いて,同様に4人を実験します。1人分は3個になります。6人の場合は,1人分は2個なりました。

するとここで,新たな発見の声が生まれてきます。

「反対になってる。今の6人は2個でしょ。最初のは2人で6個だから,数が反対になっている」

「それなら,3人で4個と,4人で3個も反対になっている」

かけ算の交換法則につながる見方が生まれてきました。わり算の見方の素地を培うことを目的として授業でしたが,情報の交換法則の見方も生まれてきた1時間でした。