2024年3月7日木曜日

三角の変化のきまり

子どもたちに次のように投げかけます。
「パターンブロックの三角(正三角形)で,どんな形ができるかな」
先ずは,2枚使った場合を考えます。すかさず「1つしかできない」と声が聞こえてきます。頭の中で,すでに図形を組み合わせているようです。さらに「くるりんぱシリーズがあるから1個しかない」という声も聞こえてきます。これまでの図形学習で学んだ回転・ずらすなどで合同になる形は同じとみなす視点が,ここで生まれてきました。既習が着実に蓄積していることを実感できました。
多くの子どもが「1つしかできない」と念頭操作で自信を持ち始めたとき,「3枚になると,できる数が増える」と対象を拡張した場面を想定した声も生まれてきました。
先ずは,2枚の場合を実験します。2枚は,子どもたちの予想通り1つしか図形はできませんでした。
次に,子どもたちが数が増えると予想して3枚の組み合わせを考えます。すると,次の声が聞こえてきました。
「3枚は2個できるよ」
「1個ずつ増えるんだよ」
「2枚で1個,3枚で2個,4枚で3個になるんだよ」
「12月11日に同じ図があるよ」
「2枚で3つ,3枚で4つ,4枚で5つの図と同じ」
「12月は細長三角。今日はきれいな三角。形が違うから数も違うんだよ」
12月は二等辺三角形を組み合わせる学習を行い,そこに関数的なきまりを見出す学習を行いました。その学習と,本時の問題場面が似ているという指摘です。しかし,そこでできる形の総数は異なります。その原因を,使用する三角形の種類にあると子どもたちは考えたのです。子どもたちの手で,学びを深めていることが分かります。鋭い指摘です。

多くの子どもは,3枚なら2個できると予想しました。では,本当は何個できるのでしょうか。早速,3枚の正三角形で実験を行います。
結果は1つしかできませんでした。多くの子どもたちの予想とは異なる結果となりました。すると,この結果を見た子どもから,次の声があがります。
「だったら,全部1つかもしれない」
「えー,4枚なら2個はできるよ」
「全部1つ」の声は,それまでの2つの結果から導き出されたものです。

三角4枚の場合は,一体何個できるのでしょうか。実験を行います。
結果は3個になりました。すると,今度は次の声が生まれてきます。
「1・2枚が同じだったから,3・4枚も同じじゃないかな」
三角の数が2枚増える毎に,できる形の種類数が変化するのではないかという声です。この予想通りだとすれば,5枚なら3個できることになります。しかし,この予想には半数ほどの子どもが,疑問を抱いていました。
早速実験です。しばらくすると「3個できた」「4個できた」「5個できた」という声が聞こえてきました。できた形をホワイトボードに作らせていきます。最初の4個までは順調でした。しかし,その後作成された図形に対しては,「裏返したら同じだよ」「くるりんぱシリーズだよ」と声があがりました。この時間で見つかった三角5枚の場合は,4個はできました。4枚と同じ数にはならなことが,この時点ではっきりとしました。
この日はここで時間切れとなりました。子どもからは「まだあります」「もうないです」と,両方の声が聞こえてきました。果たして,5枚は何個できるのでしょうか。
既習の関数的な考え方を関連付けながら,学びを深めた1時間となりました。