「どんなお話ですか?」と子どもたちに投げかけます。この段階で,「合わせるたしざんかな」という声とともに,両手で合わせる動きも見えてきました。問題に前向きな姿が見えてきました。
右の金魚の画像を提示します。この段階で「合わせるたしざんじゃないぞ」と声があがります。前回の合併の問題での金魚の絵との違いに気付いたのです。よい気付きが生まれてきました。次に小さい水槽に入っていた2匹の金魚が大きい水槽に入る画像を提示します。ここから様々な声が聞こえてきました。
「5匹になった」「3+2だ」
「合わせて5匹だ」
「合わせて? 増やしたんじゃない?」
前回までに学習したのは,合併場面です。しかし,今回は増加場面です。答えだけ見ると,合併も増加も同じ答えになるように問題を設定しています。しかし,その増え方が前回とは違うのではないかという違和感を抱いた声があがってきました。しかし,この段階ではこの違和感はすぐには共有されません。「増やした」という言葉そのものの意味も十分に理解できないのがこの段階の1年生です。そこで,「増やした」という言葉を読解していきます。
ここで役だったのが,ジェスチャーでした。「合わせる」は万歳した両手が,真ん中でくっつく動きです。一方,「増やした」は左手は伸ばしたまま動かず,右手だけが左手に向かって動いていきます。片手だけが動くのです。このようにジェスチャー表現にすることで,「合わせる」「増やした」の言葉の違いを理解することができました。
また,絵にした場合の表現も「合わせた」は矢印が2つで「増やした」は矢印が1つになる違いにも気が付くことができました。
今回の「増やした」お話を,○を使って絵にも表現してみました。ここでも,矢印の数と向きが「増加」の場合とは異なることが明らかとなりました。
「合併」と「増加」の違いを,体を使ったジェスチャー表現を活用することで明確にしていくことができました。