3年生「□を使った式」の学習の一コマです。
いくつかの問題を解いている中で,子どもから「おもしろいことがある」と声があがってきました。なにがおもしろいと言うのでしょうか?
「昨日の問題は,□+350=1000の□を求める式は,1000−350だった。□−650=350の□を求める式は,650+350だった。今日の問題は,□×10=800の□を求める式は,800÷10だった。全部反対になっている」
□を使った式と,□を求める式の演算が反対になっているという気付きです。多くの子どもは,「本当だ」「すごーい」と驚いています。一方,「他の式だったらそうはならないかもしれない」と疑っている子どももいます。ズレが生まれてきました。
すると,子どもたちから「他の式で実験したらいい」と声があがりました。そこで,いくつかの式で,演算が反対になるのかを実験していきます。
9×□=54→□=54÷9
10×□=300→□=300÷10
□−25=8→□=25+8
いずれの式も,□を求める演算は反対になっています。前述の子どもたちの発見は一般化できそうな気がしてきました。ところがここで,前述の発見をした子どもが呟きます。
「あれ? 反対にならない式がある。25−□=8は違うかも・・・」
怪しい式があるという気付きです。早速,全員で実験します。しばらくすると「引けない」と声が聞こえてきます。□を求めるには,次の計算になります。
25−□=8→□=25−8
引き算の式なのに,□を求める式も引き算になりました。先ほどのルールで計算すると,25+8=33となります。これを□に代入すると,25−33となり引けなくなります。このことに気付いた子どもたちが,「引けない」と声があげていたのです。
後半は,子どもたちが式を作りだし,□を求める式のきまりの汎用性を確かめていく思考力を鍛えていく時間となりました。