2020年5月9日土曜日

動画撮影のポイント

5月に入っても,学校を再開できない地域がたくさんあります。学校再開ができない地域の中には,教育委員会や学校からの動画配信授業が始まっているところもあります。

動画配信授業を進めるためには,気を付けるポイントがあります。私が参加しているスタディーサプリでは,これまで延べ100時間以上の動画撮影を行ってきました。この撮影では,プロのカメラマンやプロの映像編集担当,プロの動画校閲担当が動画チェックを行います。これらの経験から,動画撮影を行おうと考える先生方に,すぐにできるポイントを,以下にお知らせします。参考にしていただけたら幸いです。

・板書の文字は大きめに書く
 →スマホで動画視聴する子どもがいます。スマホで見ることを考えると,文字の大きさは大きめにします。
・教師の視線は常にカメラに向ける
→画面の向こう側にいる先生が,常に自分を見ている画面構成が臨場感につながります。
・教師の動きはオーバーアクションで
→画面を見つめる子どもに,言葉だけで思いを伝えることは至難の業です。オーバーアクションで,言葉を補完します。
・小まめにノートに考えを書いたり,考えさせたりする場を取り入れる
→一方的な講義では,子どもは飽きてしまいます。小まめに子どもが活動する場面を取り入れます。これは,普段の授業でも一緒ですけど…。
・教師から子どもに問いを投げかけた後は,3秒ほど間を空ける
→「…はどうなるかな?ビデオを止めて考えよう」などと投げかけます。動画を止める時間などを考えると,3秒以上の間が必要です。
・板書をノートに写す場面を設定する
→教師の話を聞いているだけでは,子どもの手元にはなにも情報は残りません。「ここまでのところを,ビデオを止めてノートに写しましょう」などと投げかけ,ノートを書く場面と時間を保障します。これも,普段の授業と同じですね。
・問いを投げかけた後は,子どもの声が聞こえる演技をし臨場感をもたせる
→「〇〇という声が聞こえたよ。〇〇という声をあげた友だちの気持ちは分かるかな?」などと投げかけます。問いに対する予想される子どもの声が聞こえる演技をします。この声を,その後は考えの読解場面へとつなげていきます。
「えっ,きまりが見えるの?どこに見えるの?」などという投げかけもします。これらも,普段の授業通りですね。
・1本の動画は20分程度
→1本あたりの動画時間は20分以内が妥当です。小まめに動画を止めて,ノートに考えを書く場面などを取り入れると,実質40分程度の授業時間になります。また,目の疲れを考えても20分程度が妥当です。

具体的授業動画をご覧になりたい方は,スタディーサプリの私の動画を参考にされてください。スタディーサプリのアドレスは以下の通りです。
https://studysapuri.jp/course/elementary/

動画配信授業でも,子どもから「算数が愉しい」という声が聞こえる授業を作っていきましょう!