2016年12月27日火曜日

高知の6年生と算数を愉しみました!

クリスマスイブの12月24日,高知市立神田小学校で「全国算数授業研究会高知大会」が開催されました。クリスマスイブの日にもかかわらず,子どもたちが登校してくれました。また,全国から300名を超える先生方が参加されました。

6年生の元気な子どもたちと算数授業を愉しみました。数字カードの入った2枚の封筒を提示し,「100に近い方が勝ちゲームをしよう」と投げかけます。クラスを2チーに分け,まずは封筒を選択させました。封筒には,それぞれ95と102の数字が書いてあります。この数字は,封筒の中の数字カードの平均値です。95の封筒を選択したチームは,ゲーム開始前は沈んでいました。102を選択したチームは,すでにうきうきです。平均値が100に近い数字カードを選択すれば勝てると子どもたちは考えたからです。

ゲームを始めます。代表の子どもが封筒の中の数字カードを1枚ずつ取り出します。負けを覚悟していた95を選択したチームは,予想に反して100に近い数字カードを引き続けます。勝ちを確信していた102を選択したチームは負け続けます。4回戦が終わった時でした。ここまで4連敗の102を選択したチームから,「102は離れた数字ばっかり。95は近い数字ばっかり・・・」と呟きが聞こえます。封筒に入っている数字カードを,100を基準にしてどの位置にあるのかという視点で見直した呟きです。すばらしい気付きです。この呟きを,クラス全体で共有化していきます。この過程で,今度はジェスチャーで「102は離れた数字ばっかり」を表現する子どもが現れました。このジェスチャーの意味を,共有化していきます。すると「カードでできる」という声が生まれてきます。ばらばらに貼られた数字カードを,度数分布のように子どもたちが並べ替えてくれました。

数字カードを並べ替えることで,「102は離れた数字ばっかり。95は近い数字ばっかり・・・」の意味がより見えやすくなりました。最後に,「もう1回,別の封筒でゲームをするとしたらどんな情報がほしいですか」と尋ねました。子どもからは,平均値ではなく「100から離れた数字がどれだけあるのか,100に近い数字がどれだけあるのか知りたい」と声があがりました。平均値の限界への気づきと新しい視点を,子どもたちは1時間の授業を通して見つけてくれました。

算数への素敵な視点がたくさん生まれたすばらしいクラスでした。高知の子どもの算数の視点は最高です!