2017年10月4日水曜日

体積が最大の柱体は?

子どもたちに,次の問題を提示します。
「周りの辺の長さの合計が52㎝で体積が最大の柱体を作ろう」
 柱体は,円柱・三角柱・五角柱など様々です。さて,どの柱体の体積が最大になるのでしょうか。

子どもたちは,次のように考えました。
「立方体の体積が最大になると問題集に書いてあったから,立方体が最大だよ」
「そうだね。きっと立方体が最大になるね
ほとんどの子どもたちが,立方体の体積が最大になると考えました。
 
 そこで,子どもたちに具体的な辺の長さをノートの見取り図に記入させました。ところが,52㎝では立方体は作図できません。そこで,子どもたちが次に考えたのは,できるだけ立方体に近い直方体(縦4㎝・横4㎝・高さ5㎝)を作ることでした。なかなか鋭い視点をもっています。

この意見から,次の考えも生まれてきました。
「だったら三角柱も同じようにすればいいね。できるだけ立方体に近いような長さにすれば体積が大きくなる」
 立方体を基準に三角柱もそれに合わせようとしたのです。この見方も鋭いですね。底面が5㎝・6㎝・6㎝,高さ6㎝の三角柱は立方体に似た辺の長さのバランスです。
 この段階でも,多くの子どもたちは直方体の体積が最大だと予想しました。

 そこで工作用紙で2つの柱体を作図します。ペアで分担して作りました。柱体が完成すると,「あれ,三角柱が大きい?」という声が聞こえてきます。実際に作図をすると,三角柱の方が体積が大きく見えたのです。当初の予想とは大きく異なる結果です。予想とのズレを子どもたちが感じた瞬間です。このズレが,この授業の最大のおもしろさです。

 この後,実際に体積を求めます。三角柱も直方体と同じように底面積×1㎝の基準となる体積が,何個分高さ方向に積み上がるのかを考えれば求められます。この計算で求めた体積の確からしさを,子どもたちが作成した三角柱に水を入れて確認しました。

 計算でも水を入れて確認しても,結果は三角柱が大きいことがわかりました。予想と結果を大きく異なった1時間でした。