エアーホッケーを使って,算数の問題を考えました。
「円形のエアーホッケー盤があります。ゴールに入るまで何本の線ができるでしょうか」
このエアーホッケーは相手は邪魔しないという特別ルールです。ノートに円を作図します。先ずは,45°でパックを発射した場合を実験します。右端の壁にぶつかったパックは,同じ角度で跳ね返りゴールに入ります。従って,2本の線ができます。この作図は、かなり面倒です。実は、この面倒さを子どもたちに実感させておくことが、後半のきまり発見へとつながる布石となるのです。
次に,30°で発射した場合を実験しました。30°では3本の線でゴールへと入ります。ここまでの結果から,
「わかった,次は6本だ。だって,45×2=90で30×3=90だから」
と声があがります。2つの実験から,線の本数を見つけるきまりを見つけたのです。一方,「もう少し実験しないとわからない」という声も聞こえてきました。たった2つの情報だけで、きまりだと断定するのは速すぎるという指摘です。この視点での意見が生まれることも、すばらしい子どもたちです。
「わかった,次は6本だ。だって,45×2=90で30×3=90だから」
と声があがります。2つの実験から,線の本数を見つけるきまりを見つけたのです。一方,「もう少し実験しないとわからない」という声も聞こえてきました。たった2つの情報だけで、きまりだと断定するのは速すぎるという指摘です。この視点での意見が生まれることも、すばらしい子どもたちです。
子どもたちは、前述のきまりを使えば、「15°なら6本になる」と考えました。そこで,15°で発射した場合を作図で確かめます。すると,子どもたちの予想通り6本であることが確かめられました。この結果から,今度は新しいことが見えてきました。
「比例っぽくなっている」
「30°の角が÷2になると,本数は2倍になる」
「90°で発射すると1本。これを基準にしないといけない」
「90°1本を基準にすると,角度は÷2、÷3…となると本数は×2,×3…となっている」
「比例の反対になっている」
反比例の見方を子どもたちは発見したのです。この学習では、90°でパックを発射する場面を、意図的に教師からは提示していません。それは、子どもに基準となる「1本」の場面を見出してもらいたいと考えたからです。子どもたちは、発射角度と線の本数の積が90になるきまり発見から、「1本」の基準を見つけていくことができたのです。基準となる「90°では1本」が見えてくることで、反比例の見方はよりわかりやすくなります。
「だったら,10°だなら9本になる」
見えてきたきまりを使って新しい場面を考える声も生まれてきました。
「だったら,10°だなら9本になる」
見えてきたきまりを使って新しい場面を考える声も生まれてきました。