子どもたちに次の問題を出します。
「年速5億㎞でボイジャー1号は太陽系の外へ向かって飛んでいます。その7年後,スーパーボイジャーは年速8億㎞で出発しました。スーパーボイジャーが1号に追いつくのはいつでしょうか」
この問題に出会った子どもからは「速さ?」「比例?」と声があがります。そこで「ボイジャー1号は比例しているの?」と尋ねます。子どもたちは,「比例しているよ」「表を描けばわかるよ」と声をあげます。そこで,表を描いて確かめます。飛行年数が2倍・3倍になると,距離も2倍・3倍になることが分かりました。従って,ボイジャー1号は比例していることが表から分かりました。
子どもたちはこの表をもとに,「その下にスーパーボイジャーの表を付け足せば,いつ追いついたかがわかる」と考えました。子どもたちは,ノートに表の続きを描いていきます。ところが,「18年と19年の間」「19年寄り」であることは表から分かりますが,正確な部分は分かりません。
子どもからは「計算する」「グラフに描く」と2つのアイディアが生まれてきました。しかし,計算に対しては「どうやるの」「大変そう」と声があがります。そこで,簡単そうなイメージのあるグラフで調べることにしました。
年数 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 11 | 12 | 13 | 14 | 15 | 16 | 17 | 18 | 19 |
1号(億㎞) | 5 | 10 | 15 | 20 | 25 | 30 | 35 | 40 | 45 | 50 | 55 | 60 | 65 | 70 | 75 | 80 | 85 | 90 | 95 |
スーパー(億㎞) | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 8 | 16 | 24 | 32 | 40 | 48 | 56 | 64 | 72 | 80 | 88 | 96 |
子どもからは「計算する」「グラフに描く」と2つのアイディアが生まれてきました。しかし,計算に対しては「どうやるの」「大変そう」と声があがります。そこで,簡単そうなイメージのあるグラフで調べることにしました。
グラフにボイジャー1号とスーパーボイジャーのデータを,折れ線グラフとして描いていきます。2つのグラフの交点が追いついた瞬間となります。正確にグラフを描いていくと,18年と8ヶ月当たりに追いつくことが分かりました。
2種類のデータをグラフにすることで,計算をしなくても追いつく経過年を見つけることができたのです。グラフの良さを実感することができました。
比例の学習では,グラフ化する場面が,どうしても教師主導になります。子どもにとっては,グラフにする必要感がないまま,教師の指示でグラフを描かされるだけの展開です。今回は,グラフを使いたくなる展開で授業を進めてみました。
比例の学習では,グラフ化する場面が,どうしても教師主導になります。子どもにとっては,グラフにする必要感がないまま,教師の指示でグラフを描かされるだけの展開です。今回は,グラフを使いたくなる展開で授業を進めてみました。