2017年11月4日土曜日

ブロック飛ばしゲームからヒストグラムへ

データの活用が,次の学習指導要領改訂の目玉の1つになっています。そこで,次のような授業を行ってみました。

子どもたちに,「ブロック飛ばしゲームをしよう」と投げかけます。様々な得点の書かれたエリアに向けてブロックを指ではじくゲームを行います。1人5回ブロックを飛ばします。その合計を求めます。

ゲームが終わった時点で,各自の得点をカードに書かせます。そのカードを黒板に順に貼らせていいきます。子どもたちは,得点カードをどのように貼るでしょうか。
当初は,黒板に出た順に端からカードを貼っていきました。ところが,「もっとわかりやすく貼ろう」という声が生まれ,0点を端にして得点順にカードを貼り直します。では,どのように子どもはカードを貼り直すでしょうか。

0点の子どもが何人もいました。すると,子どもたちは0点の隣に0点のカードを貼ります。そのまた隣に0点のカードを貼ります。こうしてカードを順に貼っていきました。0点→1点→2点→3点→4点→5点とカードを貼ります。カードは横に伸びていきました。次に7点を貼るときに,子どもたちにズレが生まれました。5点のすぐ隣に7点を貼ろうと考える子どもと,5点と7点の間に隙間を空けようと考える子どもです。子どもたちは,以前の学習でグラフの横軸の目盛りの配分の仕方を学習しています。その学習をもとにすると,5点と7点の間に隙間を空けることが必要になります。

カードの数字の幅を等間隔に空けることをもとに,カードを再度はり続けます。20点を超えるあたりから,カードが黒板に入りきらなくなります。そこで子どもから生まれてきたアイディアが,同じ得点のカードを縦に並べることでした。0点のカードを,縦に積み上げていきます。1点のカードも縦に積み上げていきます。これで,カードを貼るスペースがかなり確保できました。

しかし,横軸の目盛りは等間隔です。例えば,20点と25点の間の得点はありませんでした。しかし,その部分も空白スペースとして確保する必要があります。そのため,40点を超えると再びカードが貼れなくなってきました。
「どうしたらいいかな」
と子どもたちに投げかけます。
ここで子どもから生まれてきたのが,「10ずつカードをまとめる」「0~9,10~19,20~29・・・とまとめて,縦に貼る」というアイディアでした。これなら,一気にカードを貼るスペースが確保できます。このアイディアで生まれた貼り方こそヒストグラム(柱状グラフ)そのものです。

カードを貼るスペースに制限がある状況を意図的に設定しました。そのような状況に出会ったことで,それまで個別に貼っていたカードを,ある範囲を決めてまとめて貼ろうというアイディアが生まれてきたのです。データの活用で大切なことは,このように子どもが自らデータに働きかけていくことです。教師が無理やり子どもにデータを活用させるのではありません。