子どもたちに次の問題を提示しました。
「□角形の美術館があります。頂点にカメラを設置します。最低何台のカメラがあれば,完璧に監視できるでしょう」
三角形は,カメラを1台で完璧に監視できます。作図して台数を確かめます。この結果を見た子どもから,「四角形も1台じゃないかな」「えっ,ブーメラン型は2台じゃない」と声があがります。子どもたちが,場面を拡張して考えた瞬間です。
四角形は,ブーメラン型でも凹の頂点にカメラを設置すると1台で監視できます。五角形も1台で監視できます。ところが,五角形の実験が終わった時点で,「六角形だと2台かも」「えっ、六角形も1台じゃない」と声があがります。子どもの予想にズレが生まれたのです。実験でカメラの台数を確認します。結果は2台でした。
子どもたちが考えたきまりを検証するには,本来ならまだ実験をしていない七〜九角形を調べる必要があります。ところが子どもたちは,「九角形を調べればいいじゃん」と考えました。九角形が2台か3台かが分かれば,自分たちが予想したきまりの真偽が効率的に確かめられると考えたのです。この考え方も驚きでした。
ノートに九角形を作図してカメラの台数を実験します。「あれ,2台にしかならない」の声がたくさん生まれます。カメラの台数は後者のきまりと思いかけたとき,「3台ができた」という声が生まれます。その図形を全員で確認します。すると3台なければ監視できない九角形であることが確認できました。この結果から,カメラの台数は3つの図形で1パックのセットになることが見えてきました。
今回,子どもたちが取りくんだのはアートギャラリーの定理と呼ばれる問題です。大学数学で取り組まれている問題を学生版にアレンジしたものです。