4年生の直方体と立方体の学習で,面や辺の平行関係や垂直関係を学ぶ場面があります。
子どもたちに,次にように投げかけます。
「赤い辺に垂直な辺はどれでしょうか」

垂直な辺がまだあると考える子どもは,右図の紫の辺が垂直だと主張します。この紫の辺が赤い辺に対して垂直か否かを巡って,子どもたちは論争を進めます。
「赤と青は垂直でしょ。紫も同じように垂直だよ」
「でも,紫は離れているよ」
「あのね,直方体を正面から見るよ。そうすると赤い辺と紫の辺が垂直に交わって見えるじゃん」
「確かに・・・」
真正面から見て,面が透き通ったと考えたら,赤と紫は垂直に重なって見えます。この意見で,垂直だと考えを変える子どもも生まれてきました。
ところが,今度は次の声があがってきます。

図を描きながら説明しました。4月に学習した「垂直と平行」の場面を想起した論理的な説明でした。これで全員が納得です。
次に,右図を提示し問題を投げかけます。

「赤の辺に平行な辺はどれですか」
青の辺は全員が平行だと納得です。意見が分かれたのは,紫の辺です。紫の辺は平行ではないと考える子どもがいました。彼らには,彼らなりの論理がありました。
「だって,赤と青は同じ面にある辺でしょ。でも,紫は赤の面とは違う面だから平行じゃないよ」
同じ面に辺があるか否かが判断基準だったのです。子どもらしい論理です。しかし,この論理に対して反論の声があがります。
「赤と紫の辺は,どこまで伸ばしてもまっすぐに伸びていくよ」
「どこまで伸ばしても交わらないから,平行だよ」
「赤と青は同じ面だから平行でしょ。青と紫も同じ面だから平行でしょ。だったら,赤と紫は平行だよ」
「赤と青が平行,青と紫が平行。それなら赤と紫も平行だよ」
最後の2つの説明は,納得を引き出す説明でした。
子どもたちは,感覚で面や辺の平行・垂直関係を判断しています。彼らの曖昧な感覚のズレを授業で取り上げることで,正しい図形の見方を整理することができる時間となりました。