子どもたちに,右の3つのブロックを提示し,次のように投げかけます。
「重たい順に順位をつけましょう」
4人1グループに,ブロックを配布します。子どもたちは,手に持って重さを判別しようとしますが,これでははっきりとしません。
そこで,次に子どもたちが考えたのは定規を使ってシーソーを作ることでした。定規の両端にブロックを載せて,重たい方が下がることで順位を判断しようとしました。子どもたちの日常経験から生まれてきた実験方法です。ブロックが定規から滑り落ちないように,ブロックを定規に両面テープで貼り付けるグループもありました。
測定終了後,実験結果を板書させます。結果は,右のようにグループでバラバラになりました。正方形型が一番重たいことは,どの班も共通していましたが,丸型と長方形型の順位はバラバラになりました。
子どもたちは,この原因を測定方法の不正確さにあると考えました。
「ブロックを中心から同じ長さに置いていないんじゃないかな」
「ブロックを片方は寝かせて置いて,もう片方は立てて置いたら重さが変わるよ」
そこで,これらの注意点を意識しながら再実験を行います。しかし,結果はバラバラのままでした。
ここで,ある写真を提示します。それはあるグループの測定の様子を写した写真です。そこには,シーソーの上に置かれた片方のブロックの横に定規を立て置き,何かを測定している様子が写っています。子どもたちに,「なにをしているのか分かるかな」と投げかけます。定規でなにをしようとしているのか,その行動の意図を読解させました。
「地面からの高さを測っている」
「高さを測れば重さの違いが分かる」
「左のブロックまでの高さが3㎝だとします。右が4㎝だとします。この場合は,左の方が重たいことが分かります」
3㎝・4㎝という具体例が説明に加えられたことで,子どもたちは「あー,そういうことか」と納得をしました。
重さの学習で大切な見方・考え方は,目には見えない重さを数値化することで見えるようにすることです。それは,このように長さを重さを置き換える見方・考え方でも構わないのです。子どもたちは,既習の範囲内で重さを数値化できる方法を考えたのです。「g」「㎏」などの重さの単位自体は教える内容です。しかし,いきなりその単位を教えるのではなく,数値化することで見えなかった重さの世界が見えるようになるよさを実感させることが,重さ単元の重要な見方・考え方なのです。