1年生に「かたち」の学習があります。その1コマです。
子どもたちに次のように投げかけます。
「三角形4枚で,次の形はできるかな」
ダイヤ型が2つ横に並んだシルエットを提示します。このシルエットを見た子どもたちは,「こんなの簡単だよ」「幼稚園レベルだよ」と声をあげてきます。
三角形4枚を使って,ダイヤ型2枚が本当にできるのか子どもたちは,実験していきます。できた図形は,そのままノートに貼り付けていきます。
子どもたちがノートに貼り終えたところで,「どんな形ができたかな」と投げかけます。
「三角を横にしたのをつなげるとできるよ」
「三角を縦にしてもできるよ」
最初に発表されたのは,右の図形です。しかし,「まだあるよ」「あと2つあるよ」という声があがってきます。
そこで生まれてきたのは,右の図形です。縦型と横型を組み合わせたものです。全部で4つのパターンがあることが見えてきました。
ここでO男が,「(縦型と横型の組み合わせは)あれと同じだ」と声をあげます。この時点で,他の子どもたちにはO男の気持ちは分かりません。O男の「あれ」とはなんなのか?
O男が1週間程前のノートを開いて説明します。そこには,答えが17になる式探しをしたときの式が書かれていました。「9+8」「8+9」「10+7」「7+10」・・・などの式とその種類数を調べた学習場面です。その学習では,式の種類を探すときに,「10+7」が最初に見つかったときは,次の式はその式のたたされる数とたす数を入れ替えれば式がすぐに見つかるという発見があったのです。
つまり,O男はそこでの式探しの考え方と同じ形の図形探しの考え方が共通していると考えたのです。交換法則が式だけではなく,図形にも当てはめられると考えたのです。
全く関係がないように見える数と計算領域と図形領域に,考え方の共通点があることを見いだしたのです。1年生でも素晴らしい見方・考え方ができることを実感した1コマでした。