算数の学習では,かけられる数が十の位を超えるかけ算の計算方法を考えてきました。子どもたちは,かけられる数を位毎に分ける「さくらんぼ計算」を行うことで,簡単に計算ができることを発見していきました。そこで,この時間は「百の位でも,さくらんぼは簡単に計算できるかな」と投げかけます。
「364×8」「429×7」の2つの問題に取り組みました。「429×7」なら,429を「400×7」「20×7」「9×7」に分割することで,これまでに学習したことを活かして計算をしていくことができます。一方,地道に「429+429+429・・・」とたし算で求める子どももいました。たし算と比較すると,さくらんぼ計算は簡単に計算ができます。
「最後のたし算を暗算でするのが面倒」
「だったら,たし算は筆算したらいいよ」
「十の位はさくらんぼの線が少ないけど,百の位は線が多くなって大変」
「たし算・ひき算みたいに,かけ算さくらんぼも筆算できないかな」
もっと簡単にできる計算方法を求める声が生まれてきました。既習のたしざん・ひきざんでの筆算とつなげて考えられた点がすばらしいですね。
さくらんぼ計算を活かして筆算を書くと,右のようになります。これを見た子どもたちからは,次の声があります。
「あー,そういうことか!」
「さくらんぼと同じことをしているね」
「見やすいね」
「最後のたし算したさくらんぼより簡単だね」
この筆算を「さくらんぼ筆算」と命名しました。日本では下線部下を圧縮した筆算が一般的ですが,今回ような筆算を指導している国も多数あります。計算方法は必ずしも一つではないのです。