6年生「資料の調べ方」の学習です。子どもたちは事前に隣同士でジャンケンを10回行い,その結果を報告しています。
子どもたちに次のように投げかけます。
「1組と2組,ジャンケンが強いのはどちらの組でしょう」
これだけでは判断はできません。子どもからは,「2組の結果がほしい」「平均?」と声が聞こえてきました。そこで,次のように投げかけます。
「平均と言っている人がいるけど,気持ちは分かるかな?」
子どもたちは,次のように説明をしてきました。
「1人あたりの勝った回数で比べれば分かる」
そこで,各クラスの平均を求めていきます。その結果,1組も2組も5回となりました。結果は引き分けです。平均という視点で見ると,引き分けということになります。
この結果を見た子どもたちは,なんとか自分のクラス(1組)を勝たせたいと考えました。そこで生まれてきたのが,次のアイディアでした。
「6回以上勝った人の人数で調べたらいい」
5回は引き分けなので,完全に勝ったといえる6回以上の総数で比較するアイディアです。この視点で調べていきます。
結果は,1組が11人,2組が9人となり1組の勝利となりました。
さらに1組を勝たせるアイディアが生まれてきました。
「勝った回数の一番多いもので比べる」
各クラスの最高値で比較するアイディアです。1組は10回,2組は9回が最高値です。この視点からも,1組の勝利が見えてきました。1組の子どもたちは満足していますが,今度は「2組を勝たせる方法はないかなあ?」と優しい声も聞こえてきました。
「1番少ない回数で比べたらいい」
この視点だと,1組は0回,2組は1回です。2組の勝利が見えました。
「5回未満の人数で比べたらいいよ」
この視点で比べると,1組は11人,2組は9人です。少ない方が有利なので2組の勝利です。しかし,この見方に対しては,「でもこれって,6回以上が1組11人で2組9人と同じ事だから,2組が勝ちでいいというのは違うかな?」という違和感の声が聞こえてきました。
すると,2組を完全に勝利に導く視点が生まれてきました。
「5回の人の人数が,2組は多い」
5回勝利の人数で比較します。1組は8人,2組は12人です。この視点だけで比べると,2組の圧勝です。この視点は,「最頻値」でデータを見直したことにつながります。
ジャンケン大会の結果を活用して,データを見る様々な視点を引き出すことができた時間となりました。